福島県で相次ぐ中学生の自殺報道、いじめ被害…

2017年が始まってまだ1か月半。この短い期間に、福島県ではいじめ被害を訴えていた中学生が自殺するという悲しい事件が2件も報道されています。

福島県須賀川市教育委員会は7日、市内の公立中学1年の男子生徒(13)が1月に自殺したと発表した。生徒が同級生らからのいじめ被害を訴えていたため、市教委は第三者委員会を設置し、経緯や因果関係を調べる。

出典 http://www.jiji.com

福島県南相馬市の中学校に通う女子生徒が、自宅で自殺しているのが見つかり、学校は、この女子生徒が「いじめを受けている」と訴えていたことから、自殺との関係を調べています。

出典 http://www3.nhk.or.jp

また、福島県から自主避難した児童がうけた「いじめ問題」は、全国各地で発生しています。

学校で「菌」と呼ばれた、お金を要求された、嫌がらせで転校を余儀なくされた…といったメディアで流れている情報は、おそらく氷山の一角でしかなく、いまも苦しんでいる福島県出身の子ども達が全国にまだいるであろうことが考えられ、心が苦しくなります。

福島県飯館村が子どもに向けたメッセージを発表

こういった連日の報道を受けて、福島県飯館村の公式サイトでは、2月14日に子どもたちに向けてのメッセージが掲載されました。

飯舘村教育委員会教育長・中井田榮氏から発表されたメッセージは飯舘村の子どもたちの皆さん、毎日元気に過ごしていますか。」という親しみを込めた問いかけから始まる内容で、飯館の子ども達を守りたいという熱い気持ちが込められた内容でした。

飯館村の子どもたちへ

出典 http://www.vill.iitate.fukushima.jp

公式サイトで公開されたメッセージの全文は以下の通りです。

【飯舘村の子どもたちへ】

 村内、村外の学校へ通っている飯舘村の子どもたちの皆さん、毎日元気に過ごしていますか。

 みなさんも知っていると思いますが、今年に入り、福島県内で中学生が自死するという悲しいな出来事が連続して起こってしまいました。みなさんは悩みを抱えていませんか。もし、悩んでいることがあったならば、すぐに家族や学校の先生、友達などに相談してください。遠慮したり、「無駄だ」などと思わずに、すぐに相談してください。

出典 http://www.vill.iitate.fukushima.jp

必ず味方になってくれる人がいます。必ずです。

 もし、どうしても見つからなかったら、飯舘村教育委員会に連絡してください。みなさんを全力でサポートします。みなさんを全力で守ります。
 ですから、

 絶対に自ら命を絶ったりしないでください! 絶対にです!

出典 http://www.vill.iitate.fukushima.jp

保護者に向けたメッセージも。

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また、公式サイトでは子どもの保護者に向けてのメッセージもあわせて掲載されています。

【保護者のみなさまへ】
 
 県内での中学生の自死の報道を受けて、保護者のみなさまもさぞかし胸を痛めたことでしょう。そして、不安になったことでしょう。このようなことは、絶対になくさなければなりません。
 
 そのためには、日頃からお子さんとコミュニケーションを密にし、何か変化や違和感を感じたときには、すぐに行動に起こすことが大切です。学校や同学年の保護者の方などに相談をしてみてください。

 もし、避難先等で誰にも相談できなかったり、誰も手を差し伸べてくれなかったりした時には、遠慮なく飯舘村教育委員会にご連絡ください。お子さんのために、全力で取り組んで参ります。
 みんなで力を合わせ、このような悲しい出来事をなくしましょう。

出典 http://www.vill.iitate.fukushima.jp

味方になってくれる人は必ずいます!

いじめ報道が発生するたびに、関係者から出てくる言葉は「そんなことはしていない」「いじめと自殺の因果関係は不明」「この行為はいじめとは断定できない」といったネガティブなものも多数あります。

そんななかで、「みなさんを全力でサポートします」「誰も手を差し伸べてくれなかったりした時には、遠慮なく飯舘村教育委員会にご連絡くださいと全力で寄り添うことを約束してくれる飯館村からのメッセージ。暗くなってしまっている心に光を照らすような、本当に素晴らしいものだと思いませんか。


この飯館村のメッセージは、SNSを通じて多くの人に広がっています。メッセージを読んだ人からは

・こんなメッセージを出さざるを得なかった人達の気持ちを考えると胸が痛い。
・文字の向こうを信頼できる、よい文章
・もうすぐ6年経つというのに、こんなメッセージを出さなくてはならない社会になってしまったなんて・・・
・どこかの大都会の教育委員会の対応とは全然違う

といった声も上がっていました。

現在も全村避難中の飯館村

震災の前年には「日本で最も美しい村」連合にも加盟した自然豊かな飯館村。しかし、
福島第一原発事故の影響で避難指示が出され、「全村避難」という状態です。村民は、現在も福島県内に約5800人、福島県外に約350人が避難しています。

来月末には村の避難指示が解除(一部を除く)されることが決定しており、現在は病院や学校の再開準備を進めているところですが、除染事業の見通しはたっていません。

仲の良かった友達、近所の友人、全ての人達がバラバラになってしまった飯館村だからこそ、「頼れる人がいなかったら、遠慮なく連絡を」という言葉が出てきたのかもしれません。

心を動かされるなら、あなたも「味方」になってあげてほしい

連日の被災者いじめの報道を見聞きして「なんてひどいことを」と思った人もいると思います。そして、この飯館村教育委員会のメッセージを読んで「これこそ正しい大人の対応だ」「いまさらこんな当然のことを言うなんて」と思った人もいるかもしれません。

震災の影響で自主避難をしている人は、全国に存在します。なかには、誰にも言えず悩んでいるという人もいるでしょう。もしこの飯館村教育委員会のメッセージに共感する、感動をしたなら、もし困っている人を見かけることがあったなら、ぜひ「味方のひとり」になってあげてほしい…筆者は当事者ではありませんが、そう感じました。

子ども達は、大人の姿をよく見ています。大人達1人1人の誠実な行動が、子ども達の健全な成長に結びつくのではないでしょうか。

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