「金正男暗殺」の衝撃

北朝鮮の最高指導者・金正恩(キム・ジョンウン)の異母兄である金正男(キム・ジョンナム)が2月13日午前、マレーシアで殺害されたと14日に報じられました。

詳しい経緯はまだ明らかになっていない点が多いですが、北朝鮮のスパイ、つまり義理の弟である金正恩の指示で暗殺されたとの見方が強まっています。

しかし、不可解な点がいくつか…

しかしこの事件、(もし義弟による殺害が真実だとすると)以下のような疑問が浮かび上がってきます。

「なぜ兄(金正男)ではなく弟(金正恩)が北朝鮮のトップなのか?」
「どうして弟が義理の兄を暗殺したのか?」

そんな疑問を解決するため、今回は金一族の家系図と因縁を整理してみました。

まるわかり!北朝鮮「金一族」の家系図

暗殺された金正男は故・金正日総書記の長男で、かつては祖父からも後継者として目をかけられていた存在でした。長男ですので、当然「次期総書記」として大切に育てられるわけです。

しかし現在の北朝鮮のトップは、三男の金正恩。その理由は金正男の思想生い立ちにありました。

【理由1】金正男誕生のきっかけは不倫の末の事実婚だった

金正男の母親は成恵琳(ソン・ヘリム)という北朝鮮の人気女優。彼女はなんと韓国出身で、さらには金正日と出会った時には既婚者という立場でした。端的に言ってしまえば、北朝鮮のトップと結婚するにはふさわしくない女性。しかし金正日は不倫の末、彼女と事実婚するに至りました。そうして生まれたのが今回暗殺された金正男です。

すでに金正日には正妻が他にいたものの、男の子を産んでいたのは成恵琳だけでしたので、金正男が次期後継者と最有力で、成恵琳は正妻になれるかも…と言う展開に。

しかし、そこに現れたのが金正恩の母親となる高英姫(コ・ヨンヒ)。こちらも北朝鮮の踊り子として活躍した美しい女性でした。彼女に心惹かれる金正日を見た成恵琳は精神を病んでしまいます。そしてその後、金正日の実質のファーストレディーは高英姫となりました

【理由2】金正男はオープンな思想の持ち主だった

また、金正男は海外留学の経験もあり、金家のなかでも比較的オープンな思想の持ち主。海外の文化にも寛容であったので、閉鎖的な北朝鮮の次期トップにはふさわしくないと判断されてしまったのです。

2001年には日本の成田空港で入国管理局に拘束されるという失態も犯しています。東京ディズニーランドに遊びに行くことが目的だったとのこと。

そんな思想や失態のせいもあり、長男でありながら正男は後継者から外されてしまいます。また、次男の正哲も持病などが原因で後継者にはなれず、結局は最後に残った三男・正恩があとを継ぐことになったのです。

暗殺の目的は金正男のクーデター防止?

上記の内容からも2人は決して兄弟仲がよかったとは思えませんが、今回の暗殺の目的は、正男「クーデター防止」なのではないかと予想されています。

じつは金正恩、後を継いでからあまり上手く政治ができているとは言えないもよう。そんなときに開放的な思想を持った兄が海外で自由に暮らしているとなると、いつか自分に反旗を翻してくるのではないかと不安になっていたのでしょう。

金正男は親中派でもあったので、中国が金正男を祭り上げて北朝鮮政府の転覆をはかることも危惧していたかもしれません。危険な芽は早く摘んでおきたかったということでしょうか。

まとめ

・金正男はその生い立ちや思想のせいで金正日の後継者になれなかった
・金正恩は海外で自由に暮らす義兄・金正男のクーデターを恐れていた


衝撃的な今回の事件ですが、この2つの背景を押さえておけば少し理解しやすくなりそうですね。今後も北朝鮮の動きから目が離せません。

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