記事提供:女子SPA!

自宅で妻を殺害した疑いで逮捕された、講談社のイクメン編集次長、朴鐘顕容疑者。1月31日に、東京地検に起訴されました。

この事件をフックとして前回は、育児をがんばるほど追いつめられる原因は、そもそもの夫婦関係にあるという問題を提起しました。

出産・育児のバタバタで壊れかけた夫婦関係はどのように取り戻せるのでしょうか?前回に続き、育児・教育ジャーナリスト、心理カウンセラーで「パパの悩み相談横丁」管理人のおおたとしまささんに話を聞きました。

◆夫婦としてもう一度やり直すには、何から始めればいい?

――産後のイライラを夫にぶつけて、夫に「パワハラ嫁」と言われた私としては、これから夫婦としてどうなってしまうのだろうという不安があります。

おおた「夫婦間で信頼関係がなければ、今後協力して子育てをしていくのは難しいでしょう。まずは『父と母』でなくて『夫婦』に戻ることが先決なんですよ」

――とはいえ、子供中心の生活になってしまっているので、今さら夫にどうこうしようという気はおきません。

おおた「たしかにそうかもしれません。でも、母親である自分とは別に、妻である自分を演じわけていく必要があるんです。僕は子育てをしている男女が夫婦としてきちんと機能するために、3つの具体的な方法をオススメしています」

――ぜひ教えてください!

◆1)まずは相手に感謝すること

おおた「まずは相手をほめることです。前回もお話ししましたが、男性はどんなに育児をがんばっても、子供と一緒にいる時間が長い母親からすれば『そんなのやって当たり前』に見えるし、ダメ出しまでされてしまいます。妻側の言い分はわかりますよ。でも夫のほうも、だれからも認められずに、非難までされながら、育児と仕事を続けるのはとても大変なことなんです」

――まさに追い詰められていきますね。

おおた「ですから、やってくれたことに関しては、ともかく『ありがとう』と言うほうがいい。もちろん夫側も妻に感謝を伝えなきゃダメですよ。その積み重ねが、夫婦としてお互いをリスペクトしあう関係につながっていきますよ」

――なるほど。感謝することはすぐにでもできるのに忘れがちでした。

◆2)ぶつかったら、時には「相手のやり方を認める」

おおた「2つめは、折れてあげるということです。これもなかなか難しいんですけどね。育児に正解はありませんから、どちらのやり方や意見が正しいかでぶつかったとき、そのまま言い争うのは不毛です。時には、そこはあなたにまかせる、と『相手のやり方を認める』姿勢を大事にしてください」

――正直、夫との喧嘩で自分から折れたことは、今まで一度もなかったです…。

◆3)時には甘えさせる

おおた「そして最後にあげるコツは、甘えさせる、ということです。これは精神的にも肉体的にもです。女性はストレスがたまると、ママ友とおしゃべりしたりして発散するのが上手です。でも男は、そういうコミュニケーションが苦手で、煮詰まると逃げ場がなくなってしまうんです」

――たしかにパパ友とか、パパの集まりが活発に行われているイメージはありません。

おおた「そう。『パパ会』とかいってイクメン同士集まっても、先輩と後輩のような縦の序列ができあがってしまう。男は横の関係づくりが苦手なんです。ですから、夫は妻が味方じゃなくなった瞬間に孤立してしまうのです。だれにも相談できないしグチれない。ゼロから自分で模索するしかなくなってしまうのです」

――たしかに、それはつらいですね。

おおた「ですので夫が孤立しないためにも、時には夫のグチを聞いてあげたり、ゆっくりスキンシップをとったりして、精神的にも肉体的にも夫を甘やかしてあげてほしいです」

◆ちょっとしたスキンシップが効く

――スキンシップ!これは、なかなかハードルが高いです。

おおた「ちょっとしたことでいいんです。例えば料理している妻の横を通るときに、夫が妻の肩をちょっと触ったり、冷蔵庫のものをとりにいくときに夫に軽く触れてみたり」

――え~(笑)。

おおた「いやいや、本当に。はじめは『またまた~』なんて笑っちゃいますけど、これが意外に大事なんです。触れることで『あなたのことを認知していますよ』というメッセージになりますからね。そして、僕に相談してきたパパたちにいつも言うのは、『奥さんをゼロから口説くくらいのつもりで、焦らないこと』と」

――ゼロから!

おおた「付き合い始めた頃は、たとえばデートで映画に行って、いつ手を握るか…とドキドキしたもんでしょ?だったら、夫婦でたまにはDVDでも見て、ドキドキしながら手を握るところからやり直したほうがいい、と」

――それをされたら確かにうれしいかも。

おおた「できることから少しずつ、スキンシップも増やしていく。相手を自然に受け入れられるようになることが大切です」

――明日から少しずつ始めてみます。脱パワハラ嫁ですね…。

育児を頑張れば頑張るほど追い詰められていく夫婦たち。追い詰められる原因は育児の難しさだけではないと知りました。子供にとっての親である前に、夫婦として機能をしているのか…そこから見直す必要があるともいえます。

【おおたとしまさ氏プロフィール】

1973年生まれ。現在14歳、11歳の2児の父。育児・教育ジャーナリスト、心理カウンセラーとして活動。著書は『ルポ父親たちの葛藤 仕事と家庭の両立は夢なのか』『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』など多数

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