記事提供:日刊SPA!

安倍首相は「相対的貧困率は大きく改善した」と語り、波紋が広がっている。空前の株高に見舞われた'16年末の日本経済。

しかし、最新データによれば所得格差は過去最高水準に達し、子どもの貧困率は16.3%と高い数値を示す。日本で確実に増え続ける生活困窮者。彼らが跋扈する日本の未来にはいったい何が待っているのか?

◆ギャル系の店で稼ぐには、20代後半はアウト。ハード系しか受け皿がない

渋谷のガングロギャルの一人だったという石井加奈さん(仮名・36歳)。

専門学校を卒業後、ショップスタッフとして働くが、給料の安さと仕事の多さに耐えきれず1年もたたずに退職。10代の頃に援助交際の経験があり、手軽に稼げると風俗業界に飛び込んだ。

「20代の頃は指名もついて、月に50万円以上は稼いでいた。遊びまくって貯金はしてません。ギャル系の店で働いてたけど、20代後半から客がつかなくなりました」

石井さんはハードプレイをウリにするデリヘルに移籍。若い頃に比べ稼ぎは減ったものの、それなりに客はついた。しかし、30歳を境に結婚する友人も増え、自分の境遇を悲観して鬱状態に…。

結局、半年ほど仕事を休み、家賃も払えずアパートを出た。今はネットカフェに暮らしながら、以前に在籍していた店に復帰した。

「いつまでもこんな生活を続けられるとは思っていません。でも、ネットカフェの“家賃”も払わないといけないし、別の仕事を探す間の生活費もない。今の暮らしを続けるしかないんですよ」

石井さんのような風俗嬢のセカンドキャリア支援事業を行う「Grow As People」(以下GAP)代表理事の角間惇一郎氏は、風俗嬢として働くには「40歳の壁がある」と指摘する。

「体力の低下とともに、毎日働くことも難しくなる。客がつく実働日数も少なくなる。新たな店で働こうとしても、40歳近くになってくると、面接に合格するのが難しいのが現実です」

実際、GAPが風俗嬢377人に実施した調査によれば、月の平均実働日数は18~22歳が16日なのに対し、38~42歳では10日、43歳以上になると7日にまで減少する。

一日に取れる客の数や、その報酬も減り、結果的に平均月収が18~22歳で80万円を超えるのに対し、38~42歳では26万6000円、43歳以上では18万2000円になる。

GAPではこうした状況を受け、「40歳の壁」を前に引退に備える状態をつくるため、風俗の仕事の合間に別の仕事を経験させるなどの支援を行っている。

「キャバクラなどの水商売と違い、性風俗店で働く女性には横の繋がりが希薄。何より孤立させないことが重要です」(角間氏)

【角間惇一郎氏】

Grow As People代表理事。'83年生まれ。風俗店勤務の女性の育児放棄で2児が餓死で亡くなった「大阪2児遺棄事件」をきっかけに脱サラ。風俗嬢を支援するGAPを'12年に設立した。

―日本型貧困の未来―

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