記事提供:日刊SPA!

「ブラック企業」は数多いが、時にそのブラックさは、「過剰なサービス」が要因となっていることがある。モンスター客や取引先の過剰要求、便利すぎるシステムなどでパンク寸前の現場の悲鳴に耳を傾けてみた!

◆手軽に出品、時間帯指定、サービス満点も苦労は増加

昨年末、配達員が荷物を叩きつけている様子がユーチューブにアップされ、炎上した事件も記憶に新しい宅配便業界。

国土交通省の報道発表資料によれば、宅配便取扱個数は一昨年に比べ1億3114万個、3.6%増加しているそうで、ただでさえ現場がキツいことは容易に想像がつく。

「あの動画を見ても全然驚かなかったね。さすがに踏みつけたりはしないけど、ストレスで荷物の扱いが雑になることはよくあったよ。ネット通販を引き受けるようになってから、急激に仕事が増えた」

そう語るのは大手運送会社の元・配達員だ。

「よくアマゾンの名前が挙がるけど、今は買うだけじゃなくて、メルカリなんかのオークションサイトで出品も手軽にできるでしょ?梱包が適当なせいで破損したのにこっちが補償を肩代わりしたり、現場の負担が多くなったね」

使う側には便利なサービスも配達員にとっては悩みのタネだ。

「時間帯を指定したくせに家にいないのは当たり前。それでも今は不在票に電話番号も載ってるし、荷物の追跡サービスもあるから逃げられない。そのせいで、同じ道を何度も行ったり来たりするハメになる。上からは『自宅にいなかったら、直接本人の電話番号にかけろ』って言われるし…」

こうしたサービスの徹底で勤務時間は延びるばかりだ。

「不在票を入れたのに、連絡がない家にも毎日行けとか、そこまでしなくてもいいと思う。本人が気づいたら電話一本入れたり、ネットで受け付けするだけで済むんだからさ。宅配ボックスを使わないからって、仕事から帰った時間に合わせた再配達もそう。夜中まで走り回るのはザラだったけど、客もそこまで求めてないでしょ」

まさに逃げ場なし。果たしてサービスの進化に現場の対応力が追いつく日はくるのだろうか…。

【現場の悲鳴】

電話、ネット、アプリで逃げ場所がなくなった。

◆海外の返品サービス

過剰サービスやブラック企業が取りざたされる昨今。しかし、それは日本に限った話ではない。なかでも返品文化は海外が本場だ。

「スーパーボウルとかワールドシリーズ期間中はみんな家でパーティするから、そのためだけに大型テレビを買って試合の翌日返品しにくるヤツらが結構いる。別に法律があるわけじゃないけど、店の規約で決まってるから文句言えないんだよね」(アメリカ・家電店員)

「満足度保証」といったサービスを逆手にとった客は毎年後を絶たない。また、同じくアメリカで多いのがレストランでの“返品”だという。

「サラダの色が気に食わないとか、肉の焼き加減が違うとか、ちょっとしたことで突き返されるのは当たり前。高級なレストランなら仕方ないけど、格安のファストフードでも『バーガーの赤身が多いから新しいのを出せ』ってヤツがいる」(アメリカ・レストラン経営)

ただし、そういった客には露骨に接客態度を変えるとのこと。ある意味、仕事とサービスのバランスは取れているのかもしれない。

「本を買って明らかに読み終わってから、『思ってたのと違った』って返しにくる人がいる。ただ、ウチの場合は店でしか使えないクーポンで払い戻してるよ」(ポーランド・大型書店員)

返品文化とともに、欧米では店の対抗策もちゃっかり進化しているようだ。

―[便利すぎるサービス]現場は崩壊寸前!―

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