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「格安SIM」や「格安スマホ」、最近はこの話題を聞くことが多くなりました。自分の身の周りでも「格安SIMに買えたら◯千円も安くなったよ!」という声が耳に入ってきた人も多いのではないでしょうか。しかし、「格安SIM」「格安スマホ」って何なの!?なんでそんなに安くなるの?と、サッパリ理屈がわからない!というのが実際のところかもしれません。

だってこれまで5,000円~1万円ほどしていたスマホ代が、3,000円代。人によっては1,000円代にまで抑えられるなんて…。にわかには信じられませんよね。

でも、ちゃんと格安SIMには「スマホ代が安くなる理由」があるんです。今後さらに広まっていく安さのトレンドに乗り遅れないためにも、格安SIM・格安スマホが安くなる理由。そしてどのくらい安くなるのかを知っておきましょう!

■そもそも格安SIMの「SIM」ってなに?SIMカードの役割

SIMカードとは?

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まず「格安SIMの『SIM』って何?」といったところを知っておきましょう。SIMとはスマホや携帯電話にセットする「SIMカード」のことです。これにはあなたの携帯電話の番号や通信を行なうための設定が記録されています。つまり、スマホでインターネットや電話ができるのはこのSIMカードのおかげ。

docomoやauといった大手携帯電話(キャリア)で契約したスマホには、そのキャリアで通話・データ通信ができるように設定されたSIMカードが必ずセットされているんです。

格安SIMとは?

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「格安SIM」とは、大手キャリアの回線の一部をレンタルしている「仮想移動体通信事業者(英語で略して〈MVNO〉といいます)」がサービスを行なっているSIMカードのことです。例えば、現在一般的なdocomoの回線を利用(レンタル)している格安SIMは、docomoのエリアやdocomoのスマホで利用できるというしくみです。

格安スマホとは?

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「格安スマホ」は一般的に、上記の格安SIMと「SIMフリースマホ」のセット商品のことです。キャリアから発売されているスマホは、そのキャリアのSIMカードでしか利用できないような「SIMロック」が施されていて、自由にSIMカードを選べません。

一方で、SIMフリースマホは、docomoなどのキャリアを限定せずに利用できるスマホのことです。製造コストの安い海外メーカー製品が多く発売されているので、キャリアのスマホと比べても割安なのが特徴。格安SIMデビューは、動作保証された格安スマホとのセットで購入するとトラブルも少なくておすすめです。

■格安SIMが使えない!?キャリアスマホの「SIMロック」とは?

「iPhoneを使いたいからソフトバンクに移った」

ソフトバンクだけがiPhoneを扱っていた時代を思い出すと、こういった人も少なくありませんでしたよね。

これが、SIMロックの狙いのひとつです。キャリアでは回線と端末の組み合わせを縛ることで、顧客を抱え込めるというメリットがあります。魅力的なスマホを使いたければ、それを発売しているキャリアに移るしか方法がないのです。

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こうしてSIMロックはキャリアとしては有利になりますが、私たちからすると他社のスマホに乗り換えにくくなったり、海外渡航の際にも割安な現地のSIMを利用できないといったデメリットが目立ったのです。そのため、2015年には、総務省が各キャリアのSIMロック解除を義務化。現在ではキャリアで購入したスマホも一定期間や条件を満たしていれば、SIMのロックを解除でき、他のキャリアやMVNOの格安SIMでも利用できるようになっています。

SIMロックを解除しなくても格安SIMが使える場合がある

SIMロックの解除に対応したスマホは、2015年5月1日移行に発売されたものとなります。しかし、SIMロックを解除できない頃のキャリアのスマホでも、格安SIMが利用できる機種もあります。

たとえば、現在多いdocomoの回線を利用(レンタル)している格安SIMは、docomoのスマホで利用できます(一部機能が使えない機種もあります)。これがdocomoの中古iPhoneやスマホが人気な理由のひとつです。

■格安SIMが安くなるのはなぜ?

MVNOの格安SIMは数多くあります。たとえばイオンモバイルの格安SIMは、音声通話対応でデータ通信が2GBほどついて月額1,380円から。なぜこんなにも安くできるのでしょうか?

理由はMVNOが回線をレンタルしているという点にあるんです。

キャリアは莫大な投資をして、アンテナや基地局を新規開設したり、保守しています。また、全国にサービスカウンターも設置してどこでもサービスを受けられるようにしました。このコストを回収するために、スマホの通信費が高く設定されています。

キャリアとMVNOのコストの違い

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一方、MVNOではこういったアンテナを建てたり維持するといったコストはかかりません。また、キャリアに比べるとサービスの規模が小さく、サポート窓口の数、規模も小さいため、投資コストの回収が少なくて済みます。それゆえ、価格も低めに抑えられているというわけですね。

なぜキャリアはMVNOに回線を貸し出す?

他社に安いサービスを始められるのがわかっていながら、キャリアはなぜ電波をMVNOに貸し出すのでしょうか?そこには、総務省の「モバイルビジネス活性化プラン」の影響があります。

電波を使ったサービスを行なうには、国から通信事業者としての認可を受ける必要があります。また、電波をやり取りするための基地局の整備には多額の出費も必要になるため、日本ではdocomo、au、ソフトバンクの大手3キャリアが、ほぼ携帯電話・スマホの電波事業を独占しています。

こうなると価格競争が起こりづらくなってしまい、市場が硬直してしまうのが懸念されます。事実、最近はどこのキャリアもスマホの維持費やプランって、だいたい同じですよね。

こういった状態を改善するために、総務相は2007年からMVNOの新規参入の促進に向けた各種施策をスタート。キャリアの回線をMVNOが利用しやすくすることで、硬直したスマホの通信事業を活性化しようとしているんですね。

■格安SIMにするとどのくらい安くなる?

格安SIMはさまざまなMVNOがサービスを行なっています。価格もまちまちですが、最近人気の高い「イオンモバイル」を例にして、docomoとの支払いパターンを比較してみましょう。

まずdocomoのプランをベースとして考えると、毎月の維持費の一例は以下のようになります。

●docomo

・カケホーダイライト(1,700円)+SPモード(300円)+データSパック 2GB(3,500円)=5,500円/月

同じ容量のデータ通信が付いたイオンモバイルのプランは以下の通り。

●イオンモバイル

・音声2GBプラン(1,380円)+話した分だけの通話料金=1,380円+通話料/月

格安SIMは基本プランとデータ通信プランがセットになっており、通話は別料金なので、最低維持費は月額1,380円。待ち受けメインで全く通話しないとするならば、月額4,120円もスマホ代を節約できることになります。

まったく通話なしというのは現実的ではないので、例えば毎月30分通話したとしましょう。イオンモバイルの通話料金は20円/30秒なので、30分で1,200円になります。

●イオンモバイルで30分通話した場合

・音声2GBプラン(1,380円)+ひと月に30分通話(1,200円)=2,580円/月

通話代がかかったとしても、キャリアと比べて約半額まで抑えることができるのです。

■格安SIMを利用するには?

1. SIMカードを差し替える

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今のスマホのまま格安SIMにしたい場合は、格安SIMを契約してスマホのSIMカードを差し替えましょう。その後、格安SIMで通信できるようにスマホ通信先設定を変更します。例えばdocomoのスマホを利用している場合は、同じくdocomoの回線を利用している格安SIMを契約し、SIMカードを差し替えればOKです。「イオンモバイル」や「楽天モバイル」などがdocomo系の格安SIMを扱っています。

auの格安SIMもあります。しかし、auのスマホは格安SIMが利用できる機種とできない機種があり、特に新しい機種はSIMロックを解除しなければ格安SIMを利用できません。au系の格安SIMを選びたい場合は、事前に利用できる端末を確認しておくことが必要です。

2. 格安スマホを購入する

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スマホごと買い替えてしまうのも手段のひとつです。格安SIMを扱っているMVNOでは、多くの場合、格安SIMと対応SIMフリースマホのセットを「格安スマホ」として販売しています。セット端末では格安SIMで通信するための設定が済んでいるものも多く、端末代金も毎月の通信費と一緒に分割払いすることもできます。もっとも手軽に格安SIMをスタートできる方法です。

セットの格安スマホの価格は性能によって価格は差がありますが、もともとの価格が安いので、負担も少なくなります。こちらはイオンモバイルのエントリー向けスマホの例です。

■格安SIM・格安スマホはどこで買える?

現在、格安SIMを扱っているMVNOは多くあります。基本的にはインターネットで申し込み、自宅にSIMカードや端末が届くといった通販方式が主流です。しかし、最近では店舗や家電量販店にサービスカウンターを用意して、端末を相談しつつ購入できるようなMVNOも増えています

たとえば、「楽天モバイル」では「Rakuten CAFE」などの楽天公式ショップをはじめ、ケーズデンキなどの家電量販店の中にサービスカウンターも設置しています。「イオンモバイル」も全国のイオンでサービスを受けることができ、「iijmio」や「BIC SIM」などは全国のビックカメラの店舗にサービスカウンターが設置されています。

初めて格安SIMを利用するといった場合は、こういったサービスカウンターのある店舗で契約することをおすすめします。近年ではイオンが実店舗でサービスを始めたことにより、主婦層やシニア層などにも格安SIM・格安スマホが人気となっています。

■これが重要!格安SIMのメリット・デメリット

格安SIMはどういった利点があり、何が問題なのか?格安SIM・格安スマホを理解できたところで、最後にしっかりとそのメリット・デメリットを知っておきましょう。

格安SIM・格安スマホのメリット

1.毎月の通信費が圧倒的に安くなる!
2.電話番号そのままで乗り換えられる(MNP対応)
3.最低利用月数が少ない(1年程度が多い)

なんといっても通信費の安さは魅力です。あまりデータ通信しない人、待受がメインといった人なら、月額2,000円以下でスマホを維持することができます。また、格安SIM・格安スマホは、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)にも対応しているので、今の電話番号を引き継いで乗り換えることも可能です。

格安SIM・スマホのデメリット

1.通信速度がキャリアよりも遅くなる
2.「話し放題」はオプション契約
3.キャリアと比べてサービスカウンターが少なくサポートを受けづらい
4.インターネットを使ったMNPの乗り換えでは電話が利用できない期間がでてしまう
5.「◯◯◯◯◯@docomo.ne.jp」などのキャリアメールが使えない
6.LINEの年齢認証が利用できない(LINEモバイルを除く)

キャリアの回線をレンタルしているため、一般的にはキャリアよりも通信速度は遅くなります。通勤通学時間や昼時には特に速度が遅くなる傾向も。また、格安SIMでは話した分だけ通話料がかかります。ただし、オプションとして「話し放題」オプションを用意している格安SIMもあるので、たくさん通話したい場合は、それらを利用しましょう。

また、電話番号は引き継げますが、キャリアメールは引き継ぎできません。連絡手段は「Gmail」などのフリーメール、もしくはLINEなどを利用する必要があります。

■ついにソフトバンクからも格安SIMが登場!

このように、格安SIMにはデメリットもあります。格安SIM・格安スマホは、これらデメリットを熟知し、納得できることを条件に毎月のスマホ代を大幅に節約できるというモデルになっています。

現在はdocomo系、au系、さまざまなMVNOが格安SIM・格安スマホサービスを展開しています。そして2017年3月末からは、ソフトバンク回線を利用した格安SIMも登場予定。選択肢はさらに広がっていくことでしょう。

「スマホ代が安くなる!」というインパクトは強く、「ならわたしも!」と飛びつきたくなる気持ちも頷けますが、まずはプランやメリット・デメリットを1つずつ比較し、自分ではどのくらい安くなるのか?デメリットは受け入れられるのか?といった点を確認することが大事です

自分にピッタリの格安サービスを選べれば、あなたの毎月のスマホ代は半額。もしくはそれ以下にも抑えられるかもしれません。ぜひ検討してみましょう!

(執筆/小暮ひさのり)

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