記事提供:日刊SPA!

“小田原ジャンパー事件”を機にあらためて注目される生活保護。不正受給対策ばかりが叫ばれるなか、実際の受給者たちは何を思い、どのような生活を送っているのだろうか?

41歳という高齢で初の出産をした木村良枝さん(仮名・59歳)。当時はカラオケ喫茶に勤務していたが、妊娠を機に退職。一人身で子供を育てるのは困難ということで生活保護受給者となった。

育児もさることながら、大変だったのは高齢となった母親の介護だ。認知症で、就寝中やトイレなどで目を離した隙に母親が町へと徘徊。行方知れずになったりと、数えきれない苦労があったという。

「デイケアサービスだけでは限界があるので、私がずっと付きっきりで介護していました。ケースワーカーの方は非常に親切で、心配して小まめに顔を見にきてくれたので、助かりましたね。勝手に外に出てしまう母親のために住所が書かれた名札を作ってくれたこともあります」

その後、母親は入院し、慌ただしかった日々は落ち着いたかのように思えた。ところが、昨年の12月に一人息子が18歳となり、今度は毎月1万円ほど支給されていた児童手当が止まってしまった。

「とにかく食費がかかって、支出の大半を占めています。5、6万円使っても足りない。息子が育ち盛りなのでお米だけで月に20kg食べてしまうんです。夕食後、2時間もたてば腹をすかして『何かない?』と言うので、残り物で夜食を作ったりしてますね」

現在、毎月の受給額は12万4000円ほど。受給開始後から暮らしている市営住宅の家賃は約1万5000円、間取りは3DKだ。

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「昔は友人が経営する喫茶店に手伝いにも行っていました。恥ずかしい話、喫茶店のお手伝いをして食費を浮かしていたんです。私の昼食も浮きますし、余った食品をたまにいただいたり…。ただ、その喫茶店も5年前に閉店。正直、生活費はカツカツです。お米や調味料が足りなくなると、周りの友達に融通してもらったりして、なんとか生活を続けている状態です」

普段着る洋服などはリサイクルショップで購入するか、親族の“お古”をもらって支出を抑えているとか。それでもいまだに月末になると生活費には困るという。

「息子は今、大阪育英会の奨学金制度を利用して、夜間学校に通っています。アルバイトで多少は家計を助けてくれることもありますが、月末はやはり苦しい。不正受給者のせいで生活保護がバッシングされていますが、『そんな人もなかにはいるんだ』というぐらいであまり気にしてはいません。この団地にも他に受給者の方がいますが、みんな自分たちの生活で精一杯です。病気をしてる人も多いし、不正受給なんてする余裕ありませんよ」

仕事が見つかれば、働く意思はあるという木村さん。息子の成長、そして壁一面に貼られたBIGBANGのポスターが彼女の癒しだ。

※現在発売中の『週刊SPA!』2/7発売号では「[生活保護]のリアル」という特集を掲載中。

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