記事提供:赤すぐ みんなの体験記

大学のサークルの先輩は、私が初めて会った時は既に卒業生だったのですが、いつも穏やかな笑顔のとても優しい女性でした。
福祉関係の仕事に就かれているという話で、成程ああいう人ならぴったりなんだろうなぁと、大学生だった私は妙に納得していました。
そして、私も大学を卒業したある年の夏。サークルの卒業生の有志によるOBOG合宿(という名の交流会です)が開催されました。
土日の泊りがけ旅行ということで、参加している大半は私のように独身か、あるいは既婚でも子供はいないという人間が多かったです。
そんな中、先輩は前年に出産されたとのこと(子供さんはご家族に預けられての参加でした)。女子部屋で、赤ちゃんはどうですか~などとわいわい話を聞いたのですが、そんな中で印象的だったのが、以下のような内容です。
「最初はね、本当に大変だったよ。TVで子供の虐待のニュースを聞いていても、なんだか他人事じゃなく思えちゃって」
「赤ちゃんのこと、目に入れても痛くないほど可愛い!っていう気持ちもあるの。でも、そんなプラスの感情ばかりじゃなくて…。なんだか、綱渡りをしているような気分だったかな」
「全然泣き止まない時なんて、どうしたらいいか途方に暮れて。もういっそ、この子の顔に濡れタオルを置いちゃえば、この苦しさから楽になれるんじゃないか…って、そんなことを考えたりもして」
乳児、特に第一子の面倒を見ている時には嬉しさや楽しさがある反面、どうしたって大変さや辛さが存在するものだと思います。
どれだけ優しい人でも、子供が好きだったとしても、辛い時は辛いし、その辛さを終わりにしたいと、ふっと考えてしまうこともあるのではないでしょうか。
そんな危うい「綱渡り」をしている時に、
「子供に対して、そんな風に思ってしまうこともあるかもしれない」
「赤ちゃん相手にそんなことを考えるのも、私だけじゃないんだな」
こんなことを思い出せたら、それは一線を踏み越える前の抑止力になれるんじゃないかな、と思います。

著者:Takoos
年齢:39歳
子どもの年齢:5歳・3歳
独身時代の海外在勤中に、福祉先進国な北欧の子育て事情を垣間見る。帰国後は関西と東海の狭間で、妊娠、出産、育児、在宅フリーランスと経験中。
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