【出社しない働き方?】

21世紀に入り、20年近くが経過しました。様々なものが変化・発達しています。働き方においても同様です。どこかの企業や団体に所属し、一生そこで働いていく…という労働モデルは大きく崩れ、多様な働き方が誕生しています。
そういった「新しい働き方」のひとつに、「ネット・ワーカー(Net Worker)」というものがあります。

ここでいう「ネット・ワーカー」とは、「仕事のほとんどを、ネット(インターネット)で完結させてしまう労働者」「特定の企業や組織に属さず、ネット上で注文を受け、品物を納めたりサービスを提供したりする労働者」という人々の事です。
ここ10年ほどで、急速に成長してきた働き方と言えます。

同様の働き方をする人を指すものとして、「ネット・ワーカー」という言葉の他にも、「在宅ワーカー」「クラウドワーカー」等といった呼称があります。

現在、「ネット・ワーカー」の仕事仲介を行う大手サイトの登録者は、のべ約330万人。2020年には1000万人以上になるか?…とも言われている巨大市場です。軽視できない規模です。

【「クロ現+」特集回】

「ネット・ワーカー」についての記事や特集は、様々なメディアで組まれています。その中のひとつに、昨日のNHKで放送された『クローズアップ現代+』があります。

上記番組によれば、「ネット・ワーカー」の実例として、ふたつの形態が存在している模様です。

(1)文章を書く・プログラムやシステムを組む・イラストを描く…等、ネット上で受注から納品まで済ませるもの。

(2)ネットで消費者の依頼を受け、内容に応じてサービスを提供するもの。例としては「車で顧客を運ぶ(いわゆるタクシー)」「荷物を配達する」「顧客の元に直接行き、家事や子守をする」など。

【ネット・ワーカーの利点】

この働き方を見て、「組織に属さないとは、自由でよいじゃないか」「人間関係に悩むこともなく、自分のペースで仕事ができる」「ちょっとした社長だね」等の好意的な意見をよく耳にします。
仕事内容にもよりますが、そういった面は確かにあるでしょう。

また、「仕事場まで、無理な通勤をしなくてよい」という利点もあります。
「ネット・ワーカー」は会社員と違い、ある程度は「どこで仕事をするか、自分で決める事ができる」という形態の労働です。
満員電車に揺られて、長時間の通勤を強いられている人にとっては、魅力がある事は否めません。

加えて、この働き方は「子育てなどで会社を辞めた人が、隙間時間で稼ぐ」「会社組織での限界を感じた人が、新たな道を模索できる」という面があります。

番組内で紹介されていた「ワーカー1000人に聞いた平均月収」は、約3万円~約7万円とのこと。パート勤務で働く場合と、同じレベルの収入が期待できます。
人数は多くありませんが、「月収20万円以上のワーカー」も存在するそうです。

【解決すべき課題も】

一方、問題点や課題も多く存在します

先ずは給料の問題です。「ネット・ワーカー」の世界では、大きな格差が存在します。高単価で仕事を受け、月収30万円を安定して稼ぐ人もいれば、信じられない低賃金で仕事をする人もいます。

勤務時間の問題もあります。特にSE(システムエンジニア。コンピューターシステムや、アプリを作る技術者のこと)の世界でよく聞く話ですが、「納期ギリギリで変更・修正依頼が相次いだ」「夜中の3時や4時になっても、修正の指示が来る」ということがあり、かなりの長時間労働になる…という状況はあります。

また、「ネット・ワーカー」は、形式上「個人事業主扱い・業務委託」になるので、労働法上の保護が薄くなります。面倒な価格交渉なども、自分でやらなければなりません。

加えて、ワーカーの人数が多く、仕事を出す側の企業が「ワーカーを選べる」という強い立場になっています。これが低価格競争を産み、ワーカーの負担になっています。

【海外では、億単位の賠償金が…】

「ネット・ワーカーを取り巻く問題」は、日本だけの話ではありません。海外でも大きな騒ぎになっています。

その中で、筆者が最も驚いたのは、配車サービスの「UBER(ウーバー)」に関する問題です。
ウーバーの問題は、かなり規模の大きい裁判にもなっています。訴訟によっては、億単位の賠償金や補償金が動く話になっています。

「ウーバー」は、配車サービス補助・タクシーのマッチングを行う業者です。アメリカをはじめ世界数十カ国で展開している、かなり有名なサービスです。
(現在、法律の問題などがあり、日本ではごく一部の地域でしか利用できません。)

プロのドライバーだけでなく、一般人のドライバーも「ウーバー」のサイト・アプリ経由で、「一般顧客」から依頼を受けることが可能です。
呼ばれたドライバーは、プロ・一般の区別無く、普通のタクシーサービスを行います。

この「ウーバー」に登録しているドライバーが、待遇改善を求めて抗議活動を行っている…とのこと。登録ドライバーは、

「時給計算すると、最低賃金のはるか下。家族を養うためには、長時間勤務になる」
「ドライバーは、ウーバーにノルマや料金を厳しく管理されている。事実上の従業員」
「ウーバーは恥を知れ!」

と怒りの声をあげ、世界各地でデモ等の行動に出ています。裁判沙汰になったという報告もあります。

ウーバー(Uber)のドライバーは社員か、それとも外部のフリーランサーか。しばしば浮上するこの問題が、集団訴訟として争われることになった。

この集団訴訟は、このたびカリフォルニア州の連邦地方裁判所が認定したもので、かねてより3人のドライバーが提訴していた訴訟を、より広くカリフォルニア州でウーバーのドライバーとして働いた全員が対象になるとして認めたものだ。

出典 http://diamond.jp

2015年9月4日付、「DIAMOND Online」より。

Uberは、サイト上で運転手の収入が実際よりも多く広告されていたことに関して、2000万ドル(22億円超)の罰金を支払うことに合意。

出典 http://www.gizmodo.jp

(2017年1月25日付、「GIZMODO」より)

日本では、まだこういったスケールの話は聞きませんが…。今後、同様の事例が起こる可能性はあります。

【今後の対策は?】

世界では、上記の様に大規模な動きがありますが、日本ではどの様な対策・取り組みがなされているのでしょうか?。

これについて、先ほど紹介した番組『クロ現+』で、いくつかの事例紹介・提案がなされました。

ネットワーカーの世界は「労働組合が無い世界」なので、「ある程度は自分たちで契約の知識を学ぶ」「交渉力を身につける」といった対策が、働き手自身に求められます。これは、仕方の無いことです。

それを援助する枠組みとして、「スキルアップが出来る機会が、支援団体などを通じて設けられる」「何らかの形で、実績やスキルを認定する」という動きもあります。

『クロ現+』では、「厚生労働省は、この問題をどう考えているのか」と問い合わせをしたそうです。返事は「課題があることは認識している。先ずは現状把握に努めたい」とのこと。

公的機関の動きを待つのではなく、ワーカー自身が互助組織を作り、情報交換やスキルアップの機会を増やそうとしている…なんて話もあります。

【まとめ】

今後、労働人口が減る中で、多様な働き方を選択する人も増えるでしょう。その選択肢の中に、「ネット・ワーカー」が大きな地位を占める事は、十分ありえます。

そのため、「働きやすい、持続性のある仕組みを構築する」という課題が、社会に突きつけられています。これは、「働く側・発注側・仲介側の全てが協力しないと解決しにくい課題」です。

「働く側も、法律知識や仕事スキルを勉強し、責任ある品物を提供する」
「発注者側は、安く買い叩くのではなく、価格をきちんと検討し、無理のない発注をする」
「仲介者も、法律に触れない範囲で、発注者の評判を公開したり・ワーカーの実績を紹介して、仕事がスムーズに流動する様にする」
「国は、フリーで働く人もいるということを前提にした社会保障を考える」

こういった対策が期待されます。

多様な選択肢があるのに、その中に入りづらいというのは勿体無い事です。是非とも前向きに考えたいものです。

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