「オバマは何をしたのか」を振り返る

随分、大きく「トランプ!」「トランプ!」と叫ばれているのですが…私はこの傾向はあまりいいものではないような気がしています。

2期8年にわたりアメリカというよりは世界のトップで居続けたオバマ氏ですが、私の評価はハッキリ言って「0点」に近いと言い切れます。いや、むしろマイナス点といったところでしょうか。あれほどに「口だけが上手い」大統領は他にいなかったような気がします。

どうか多くの日本人の皆様にも学んでいただきたいのですけれど…日本にも

「それっぽく口だけが上手い政治家」

は山のようにいますよね。でも、残念ながら、

「どんなに嫌われ者になっても未来のために実行する政治家」

はほとんどいません。

私は、政治家の本質は…「嫌われ者」だと思っている部分があります。嫌われ、文句を言われ、それでも国民のケツを叩きながら、未来が明るくなるように動き、働く。

政治家の自己満足のアピールとパフォーマンスでは国民は豊かにもならないし、成長もしません。そして、何より大切なことは「その政治家が何をしたのか、振り返りをきっちりすること」だと思うのです。そうでなければ…だまされて、口先だけのパフォーマンスに踊っておしまいです。

今必要なことは、まだ始まってもいないトランプ政権に対してああだこうだと評論家ぶることではなく、この8年間という貴重な時間を、アメリカの…世界のトップに君臨してきた人物が何をして、どんな時間だったのかを検証することなのではないかと思う訳です。

許せなかった広島演説の一節

オバマ氏に対して私は最も残念だったのが広島訪問でした。

ご存知のように、オバマ大統領はプラハ演説によってノーベル平和賞を受賞しています。この名演説…簡単に言うと「口先だけ」によって彼はノーベル賞を取った訳なのですが、かねてから私が言っている通りで、「政治とは結果」であるはずです。言ってることとやってることが違うのであれば、それはどれだけご立派な口上を述べて世間と大衆が喝采を送ったところで、私は評価するつもりになれないのです。

オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞するにあたり、そのパフォーマンスの一環として、広島を訪れ、献花したことは皆さんもご存知の通りです。

しかし、許せなかったのがあの演説の冒頭。

「71年前の朝、青空から死が降ってきました」


この言葉には耳を疑いました。アメリカ軍が民間人の大量殺りく兵器を投下しただけなのに。

こんなポエム演説を聞かされて、なぜ文句の一つも言わないのか…日本のメディアの報じ方を見ながら悲しくなったことを覚えています。

2発の原爆で何の罪もない、日本の民間人は16万人が同時殺戮されました。その国の大統領が完全に他人事のようにポエムを読み始めたのです。喜んでいる左翼メディアたちは必死になって「訪問の意味」と喜々として記事にしていましたが、私には大きな違和感がありました。

「核兵器を減らさずにノーベル平和賞」の違和感

私たち…唯一の被爆国である日本が求めるのは、世界から核兵器がなくなること…少なくとも「減ること」だと私は思うのです。言うまでもない事実を少々述べますが、アメリカはこの8年間、核兵器をほとんど減らしてはいません。オバマ氏はノーベル平和賞を受賞したのに。

さらにこちらのコラムを参考にしていただければわかることですが、この8年間でアメリカは「無人殺戮飛行機・ドローン」を中東に大量投入し、何の罪もない人々を巻き添えにしまくっているという事実を忘れてはいけません。言うまでもなく指揮官はオバマ氏その人です。

これらの話は、私も田原総一郎氏・森本敏氏らとトークイベントを行わせていただいた『ドローンオブウォー』という映画の中でも詳しく描かれています。

もしご興味のある方は一度ご覧になって頂けると非常に勉強になります。

遠いネバダ州で空中映像を見ながら、テレビゲームよろしく、無人機を操って一般人を殺戮しまくる近現代の戦争を明確に描いている極めて秀逸な作品です。取材ルポとしても見ごたえがある作品です。

大切なのは「何を言って何を実行したか」を検証すること

何度も繰り返し言っていることですが、政治とは大衆を惑わすことじゃないと思うのです。政治とは結果だ、と。

何を成し遂げたのか…それらは「印象」ではなく「結果」で現れるべきものであるはずです。オバマ氏が8年間何をしたかと言えば、単純にとにかく「戦争をし続けた」といえること。中東で何の罪もない一般人を巻き添えにし続けたことは確かな事実です。

そして、例の「オバマケア」。日本型に近い国民皆保険制度など、できるわけがないでしょうに…。日本でももはや破たん寸前である皆保険制度を始めようとして、トランプ氏が就任した初日に却下されました。何だったんだか…この8年間は…。

ですが、忘れないでほしいのです。

日本でもとにかく「口だけが上手い」政治家が大量発生中。選挙の前でだけ上手いことを言い、聞こえの良いことを言い、選挙の前でだけ地元を回り握手をし続け愛想笑いをする…そんな政治家が本当に増えました。

国の10年未来15年未来を見据えて、今嫌われ者になっても戦おうという気概を持つ人間こそ、本当は政治家として評価されるべきだと思うのですが、日本人は言い訳をつけて「変化しない」ことがまるでエライかのように言われる風潮があるので困ります。なんのために毎年1億円近い税金が投入されているのか…。

大切なことは選挙の前ではなく、「何を言って何を実行したか」を検証することです。
恐らく今年の12月頃に行なわれるであろう解散総選挙では、どうか有権者のみなさんには賢明なご判断を期待したいと願ってやみません。

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モノ申すフリーアナウンサーとして、テレビ・雑誌・講演と幅広い分野で活躍中。特に多くの取材経験からニュースを多角的な視点で見る文章に定評がある。現在は執筆や講演会など多方面で活躍中。

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