子犬・子猫たちの可愛らしい姿の裏には、殺処分や悪質ペットショップなど悲惨な運命をたどる命もあります。

Spotlight編集部ではペット業界の闇に迫るべく、殺処分対象となる犬を引き取る活動などをされている、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンのプロジェクト、ピースワンコ・ジャパンのプロジェクトリーダーである大西純子さんに、様々なことをお聞きしました。

前回は、ペットショップの子犬たちを生んだ親犬たちの劣悪な環境についてお聞きしました。

日本と海外のペットに対する意識の違い

前回、ペットショップについて触れましたが、他の国にもペットショップはあるのでしょうか?

大西:ヨーロッパに、日本と同じような形態のペットショップはありません。

法律で禁止されている国もありますし、禁止されてはいないドイツでは、犬を飼育する場合に一頭当たり最低でも6平方メートルのスペースを確保しなければならない法律があるため、犬はのびのび暮らせます。

ガラスケースや小さいかごで子犬が売られている様子を外国人観光客が見て、びっくりしていますよ。

また、ドイツやスイスでは、犬の飼い主免許制度が始まっています。

犬を飼うのに免許がいるのですか?

大西:そうです。車を運転したいと思ったら、まず車の構造、エンジンのこと、法律のこと、操作の仕方、メンテナンスの仕方など勉強しますよね。同じことを犬でも行い、トレーニングの実技を学び、座学があり、試験もあります。

それをパスしないと、ブリーダーからも保護施設からも、犬を渡してもらえないんです。

車ってすごく便利じゃないですか。でも扱いを間違えると事故を起こして生命を奪ってしまいます。犬も同じで、彼らの扱い方をきちんと分かっていれば、犬との生活ってとても楽しい。知らないと噛むようになったり、扱えなくなるんです。

私も犬のおかげで今まで知り得なかった犬の世界を知ることができましたし、すごく充実した日々を過ごせています。

日本でも飼い主免許を導入することは、必要だと思っています。

子どもにリードをつなぎ犬を疑似体験させる

日本と海外は、なぜ動物に関する意識が違うのでしょうか?

大西:一番の要因は教育だと思います。ヨーロッパの授業で使う理科の教科書には、きちんと犬や猫や鳥などの身近な動物のことが書かれています。

日本ではプラナリアを切断すると再生することは習いますが、犬の目は黄色と青のみ原色で景色を見ていることは習わないわけですよね。

出典Spotlight編集部撮影

施設の中は犬が見えやすいように黄色と青をメインに使っているそう。スタッフのシャツも、犬が識別しやすい青色だった。

大西:私が救助犬の勉強をしたスイスでは、保護施設の人が子どものところへ犬を連れて行って、犬という動物について教えるんです。

同じことを日本でやったら苦情が来ると思うのですが、子どもに犬の疑似体験をさせます。

犬の耳と鼻をつけて、首輪を巻き、さらにはリードを繋いで、柱などに繋ぐんですね。

まわりの子どもたちが人間の役で、「普段犬にやっていることをやって」と指示すると、「あー犬だー」って叫んで近づいてきたり、耳を引っ張ったり、尻尾を引っ張ったりする。叩いたりもする。

その後に犬役をやっていた子に感想を聞くと、「急に引っ張られて怖かった」とか、「頭を上から触られて怖かった」「大きな声が嫌だった」って言うんですよね。「じゃあ、今度ワンちゃんに会ったらどうしたら良いのかな?」と聞くと、「そういうことはしてはいけないと思う」「ちゃんと優しく触ってあげなきゃいけないと思う」って子どもは学習するんです。

日本では、子どもが犬について学ぶ機会がないんです。でも犬を飼うために重要なことは、このように犬の気持ちになって犬のことを知ることだと思うんですね。

みんな自分の子どものことなら調べるじゃないですか、育児教室に通うじゃないですか。犬のこともドッグトレーナーズスクールなどに通い、学ぶところから始めれば良いんです。

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