子犬・子猫たちの可愛らしい姿の裏には、殺処分や悪質ペットショップなど悲惨な運命をたどる命もあります。

Spotlight編集部ではペット業界の闇に迫るべく、殺処分対象となる犬を引き取る活動などをされている、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンのプロジェクト、ピースワンコ・ジャパンのプロジェクトリーダーである大西純子さんに、様々なことをお聞きしました。

前回は、広島県では殺処分ゼロを維持しているだけであり、根本は何も解決していないことをお聞きしました。

犬の殺処分ゼロを阻む原因

殺処分の根本を解決するには、どうしたら良いのでしょう?

大西:ペットショップでは、犬や猫が年間80万頭ほど売られているそうです。なので私たちがどれだけ殺処分対象の犬を引き取っても、それだけまた、世の中に動物が出てきてしまうんです。

きちんと飼ってくれれば良いのですけど、逃がしちゃった、捨てちゃった、といったケースが増えるわけです。そして愛護センターを通して私たちの施設に犬が来るというイタチごっこが続いています。

人間と同じように生命のある子犬を、お店で簡単に買えてしまうというところに、問題があると思います。

出典Spotlight編集部撮影

ビジネスに利用される犬たち

ペットショップで子犬を売るのは異常なんですか?

大西:異常ですよ。生後何ヶ月にも満たない子犬たちを、ストレスがかかる店頭のガラスケースに置くのは考えられないですし、あんなに幼い頃に親犬や兄弟犬と引き離すのは、絶対ありえないことですよね。

人間の赤ちゃんがガラスケースに入っていたら、と考えてみてください。

また、つい最近テレビでも放送されていましたが、ブリーダーたちがきちんと遺伝病を把握した上で繁殖していないと、遺伝病を持ったまま販売されてしまうこともあります。

劣悪な環境で育った子は、何かしら病気を持っている可能性が高いです。

ペットショップで並んでいる子犬の親が劣悪な環境で過ごしている可能性は?

大西:高いと思います。

飼ってみたら何年後かに目が見えなくなったとか、後ろ足が立たなくなったとか、そういったことになって自分で飼えなくなり、手放す方もいます。

またペットショップで売れ残ってしまった子犬は、まず値段が大幅に下がって不憫に思った人が買うか、もう一度ブリーダーに引き渡して繁殖犬になることもあるそうです。

繁殖犬とはどのような存在でしょう?

大西:ペットショップに常に子犬を置いておくためには、繁殖させ続けなければなりません。そのために、効率を重視して劣悪な環境で子犬を産むだけの親犬がいます。彼らが繁殖犬です。

ほとんどの繁殖犬たちは小さいケージに入れられて、出産を何度も繰り返しているから毛はボロボロ、子宮もボロボロ、糞尿も掃除されず、皮膚病にもかかっています。

吠える犬は声が出ないように手術され、目やにで目は塞がれ、爪は伸びすぎて皮膚に食い込んでいる。そんな環境で生まれてくる子犬が、健康なわけないですよね。

こういった環境を、「子犬工場」、英語で「パピーミル」と読んだりもします。

パピーミルから動物を救出する様子(海外)

出典 YouTube

そして犬が病気になって捨てられてしまい、ピースワンコ・ジャパンのような活動をしている団体にしわ寄せがきていると?

大西:私たちというよりも、動物にしわ寄せがきています。

子犬を売るために小さなケージで無理に大量繁殖させられ、心も体もボロボロの親犬。知識のないブリーダーの繁殖により遺伝病を発症する犬たち。さらには、飼えなくなり捨てられ殺処分される犬たち。

本来、私たちのような動物保護団体は必要ないんです。きちんと適正飼育されていれば、必要なわけないんです。でも必要であるということは、誰かがやっぱり、良くないことをしているんだと思います。

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