10年ほど前から使われるようになったと言われる「win‐win」(ウィンウィン)という言葉。

一見ポジティブな印象を受けるワードですが、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さんは、こんなことを自分から言いだすタイプにろくな人間はいないと断言、その理由について詳しく説明しています。

win-winの罠

win-win」(ウィンウィン)という言葉があります。取引をする自分も相手もプラスになってとてもいいよね、という言葉です。

『7つの習慣』などで広まったからかビジネスの現場でもよく使われる言葉ですが、ほとんどの場合、「win-winと自分から言い出す奴にろくな奴はいません

この『ビジネス発想源』にも、いまだに、情報起業とか情報商材とか、そういう得体の知れない虚業の人たちから、営業メールが送られてきます。そして「win-win」と書かれてあります。

「当方のこの5万円の情報商材をメルマガで紹介していただいて、1部売れたら、2万円差し上げます。当方としても売れて嬉しいし、あなたも40%ものコミッションが得られて、win-winの関係でお互い良い結果となります。だからメルマガで紹介をお願いします」などということを平気で書いてきます。

win-winの関係をそんな風に考えている奴の情報商材というのがいったいどんなレベルか、逆に見たくなってしまう作戦なのかもしれませんが、まあこういう頭の悪い提案メールがよく来ます。

基本的に「win-winの関係」という言葉を自分のほうから言い出すのはおかしいのです。提案された相手が「ああ、それはうちにもいいし、win-winの関係ってやつだね」と言い出すならいいですが、提案側から言うと滑稽です。

なぜ、提案する側から「win-winの関係」と言い出すとおかしいのか。それは、自分と相手しか見えてないからです。先ほどの頭の悪そうな情報商材のコミッション提案の例がまさにそうなのですが、「私も儲かります。あなたも儲かります。だからwin-winですよね?」と、「私」と「相手」しか見てないのです。

「双方だけのwin-win」では話にならないワケ

大事なのはその先の第三者です。

提案された方には、従業員がいたり、取引先がいたり、ブランドイメージがあったりと、いろいろと関係性のあるものが多くあります。

「私」と「相手」がプラスになっても、その周囲の関係者たちがマイナスになるようなら結局は信頼を失うことになるから、「相手」には全くプラスではないわけです。

先ほどの脳みそがいかれた情報商材のコミッション提案の例で言えば、「私もあなたも」という部分ばかり強調して、その先の読者とか内容のクオリティとか、そういうものを全く意識していません。

そういう頭の悪い情報商材の話を載せると、どれだけ読者が首を傾げてしまうかとか、いつもの内容と変わってしまうかといった、そういうことが全く考えられていないわけです。

私は「win-winの関係」などと言われても、そのwin-winの先のものを提案できていないものは絶対に受け入れることはしません。つまり「win-winの関係」というのは、ただ双方がwin-winだったら意味がないのです。

関連する誰にも迷惑はかけていないとか、他の人もハッピーになれるとか、その先が考えられていない限り双方だけのwin-winは全くプラスになりません。win-winという言葉を使いたがる人はそこの意識を欠落しがちです。

「双方がwin」ではなくて「他の人もwin」「みんながwin」という発想がないのです。

提案営業が上手な人、プレゼンテーションが得意な人というのは、大抵この意識がきちんと備わっています。提案営業がうまくいかない人プレゼンテーションが苦手な人というのは、大抵この意識が欠乏しています。

自社にとって「win-win」とはどういうことか。よく使う言葉なので、自社なりの定義を考えておくといいでしょう。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

・自社にとって「win-win」とはどういうことを指すか。自分なりの定義をノートに書く。
・社内でもみんなで考えて発表してみる。

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