プロ野球“本当の出世部屋”はどこだ!?

1月冒頭から先週にかけ、各球団で続々と新人選手の入寮がニュースとして報じられた。

その際、スポーツ紙を中心にお決まりのフレーズとして登場するのが「出世部屋」というフレーズだ。今年の新人選手絡みでは、筆者がざっと確認しただけでも…。

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■巨人1位吉川、出世部屋入寮に「気持ち引き締まる」(日刊スポーツ/1月6日)
■広島ドラ1加藤、出世部屋に「流れを消さないように」(デイリースポーツ/1月7日)
■【ロッテ】ドラ1千隼に“出世部屋”用意!石川らが過ごした「絶景部屋」(スポーツ報知/12月15日)
■西武ドラ1・今井が“出世部屋”に入寮「出会いに感謝」(東京スポーツ/1月6日)
■楽天新人が入寮 ドラ1藤平、マー君使った出世部屋に(スポーツニッポン/1月5日)

といった話題が報じられた。

だが、ちょっと安直に使い過ぎではないだろうか?果たしてその部屋は本当に“出世部屋”といえるのか?過去入寮した選手たちの活躍ぶりとともに、上記のニュースが正しかったのか、チェックしたい。

■ニュースで伝えられた“出世部屋”を検証

【巨人】

まず、疑問を呈したいのが巨人だ。ドラフト1位・吉川尚輝(中京学院大)が入寮したのがジャイアンツ寮の「308号室」。この部屋では過去、内海哲也、木佐貫洋(元日本ハムほか)、岡本和真、桜井俊貴らが生活したという。

内海、木佐貫に関しては、受賞歴や長く1軍でプレーし続けたことからも「出世した」と言って差し支えない。

だが、岡本は1年目こそ高卒新人打者として合格点だったかもしれないが、2年目の昨シーズンは大きく数字を落とした。

そして桜井にいたっては1年目の昨年、わずか1試合の登板。これでは「代々続く出世部屋」とは言いがたい。

だからこそ、吉川には競争激しい巨人内野手の先発争いを勝ち抜いて、新人王を獲得する活躍を見せてほしい。さすれば「308号室」が出世部屋であることに、誰も異論を挟まないはずだ。

【広島】

広島のドラフト1位・加藤拓也(慶應義塾大)が入寮したのは大野寮の「104号室」。

前田健太(現ドジャース)や野村祐輔、大瀬良大地などが使っていた部屋だ。

ちなみに昨年のルーキー・岡田明丈も104号室だった。

大瀬良に関しては、期待度の高さからいって“もうひと頑張り”といえなくもないが、メジャーリーガーにまで出世したマエケン、昨シーズンの最多勝・野村が使っていたという点だけでも、出世部屋と認定して問題ないだろう。

もっとも、代々厳しいトレーニングで知られる広島の場合、大野寮にある室内練習場でいかに濃密な時間を過ごすか、の方が重要だ。その意味でも、室内練習場のほうが本当の出世部屋といえるのかもしれない。

【ロッテ】

期待のドラフト1位・佐々木千隼(桜美林大)が入寮したのは、ロッテ浦和寮の「204号室」。この部屋は2014年の新人王で昨年の最優秀防御率投手、石川歩が新人時代に使った部屋だ。

出世部屋であるといっても差し支えないが、“絶景エース”石川歩が使ったことから、「出世部屋」ではなく「絶景部屋」の異名が生まれている。

ちなみに、石川のあとに204号室を使ったのは、中村奨吾(2015年)と関谷亮太(2016年)。ともに1軍で主力級として活躍はしているが、「出世」とまでは言いにくい。

この点も「絶景部屋」のほうが浸透した要因かもしれない。

むしろロッテ浦和寮で出世部屋とされているのは「304号室」。

過去に今江敏晃(年晶/現楽天)や成瀬善久(現ヤクルト)、唐川侑己らが入団時に過ごし、昨年は平沢大河が入寮した。今後、平沢の活躍いかんによって、出世部屋としての格がさらに上がるはずだ。

【西武】

ドラフト1位・今井達也(作新学院高)が入寮したのは、松坂大輔(現ソフトバンク)、涌井秀章(現ロッテ)、菊池雄星、高橋光成ら、歴代の「高卒ドラ1」が過ごした出世部屋。

今回の報道では部屋番号は報じられていないが、若獅子寮の「13・14号室」であるはずだ。

この部屋は古くは清原和博(元巨人ほか)、松井稼頭央(現楽天)らも使った2部屋をぶち抜く13畳の広いスペース。

歴代の顔ぶれを見れば、出世部屋であることに文句のつけようがない。

ただ、若獅子寮は1981年の竣工で築36年の平屋建て。老朽化が激しく、選手会からは建て替えの要望も出ているという。

急転直下、建て替えが決まれば、今井が最後の「13・14号室の住人」となるかもしれない。今のうちにその運気をしっかりと味方につけ、ぜひとも活躍してもらいたい。

【楽天】

楽天のドラフト1位・藤平尚真(横浜高)が入寮したのが、“マー君部屋”と呼ばれる泉犬鷲寮の「10号室」だ。

メジャーリーガー・田中将大(現ヤンキース)ひとりの存在だけで出世部屋認定してしまってもいい気はするが、田中の後に10号室に入った森雄大はプロ生活4年間で2勝。

昨シーズンは胸郭出口圧迫症を発症し、1軍では1試合も登板できなかった。藤平が活躍できるかどうかで、出世部屋としての真価が問われるはずだ。

球団の歴史が浅いため事例が少ないのだが、10号室以上に出世部屋として注目されているのが「2号室」だ。則本昂大と松井裕樹、ふたりの侍ジャパン選手を輩出している。

また、かつて嶋基宏が使用し、昨年、オコエ瑠偉が入寮した「12号室」も将来的には出世部屋と呼ばれるようになるかもしれない。

プロ野球・2軍選手寮の「伝説の出世部屋」といえば、毎年のルーキーが入寮時に素振りパフォーマンスをするジャイアンツ寮の“松井秀喜部屋”こと「201号室」。間もなく移転となるオリックス・青濤館の“イチロー部屋”こと「406号室」が有名だ。

だが、近年もっとも「出世部屋」としての実績を残しているのが、日本ハム・勇翔寮の「404号室」。

ダルビッシュ有(現レンジャーズ)が2005年の入団時から3年間使用し、その後、ダルビッシュの荷物置き場に。その後、この部屋を引き継いだのが大谷翔平なのだ。

一体、どんな運気が流れているのか?一度、風水チェックなどしてみる価値もあるのではないだろうか。

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