「忘却は、罪である。」

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真珠湾を攻撃する日本軍と原爆が落とされた広島の写真。その下に「忘却は、罪である。」というコピーが添えられた広告に、ハッとさせられた人は多いのではないでしょうか。

この広告は今年1月5日の新聞6紙(朝日・読売・毎日・産経・日本経済新聞・日刊ゲンダイ)の全国版に掲載された「宝島社」の企業広告で『世界平和』がテーマ。

2016年は、オバマ大統領の広島訪問、安倍首相の真珠湾訪問が実現した歴史的な年でした。そして2017年。世界は大きく変動することが予想されます。トランプ新大統領が誕生します。イギリスがEU離脱交渉を本格化し、難民問題は各国を揺るがすでしょう。

変わりゆく世界にあっても、決して変わらない、変えてはいけない人間の目標が、世界平和です。そのために何ができるのか、何をすべきなのか。この広告が、それを今一度見つめ直すきっかけとなれば幸いです

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宝島社はこの広告を通して「世界平和」について考えて見つめなおすきっかけになればと訴えました。

見た方たちの反応は…

確かに印象に残ります。

ハッとさせられたという方も多数いらっしゃいました。

一瞬で分かります。

■ベッキーの上半身裸の広告も、宝島社。

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昨年9月29日の「日本経済新聞」全国版に掲載されたインパクト大のベッキーさんの広告『あたらしい服を、 さがそう。』も宝島社の企業広告。

「今回は、ファッション雑誌のリーディングカンパニーとしてファッション業界をより盛り上げて行きたいという想いから当広告を実施しました」

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ファッション業界を盛り上げていきたいという企業メッセージを、ロングヘアをばっさりと切ったベッキーさんが上半身裸の後ろ姿で「あたらしい服を、 さがそう。」と体当たりで表現。この写真は新聞カラー見開きで大きく展開されました。

■宝島社は1998年より企業広告を開始

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宝島社が企業広告を開始したのは1998年。それ以降、社会を風刺し一石を投じるような強烈なメッセージを発信して毎年話題となっています。

■なぜ自社商品とは直接関係のないメッセージを発信?

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なぜ、自社の商品とは直接関係のないメッセージを発信するのでしょうか。

日ごろより、弊社の企業理念「人と社会を楽しく元気に」のもと、皆さんに喜んでいただける商品やサービスの開発・提供に日々尽力していますが、広告においても、世の中が元気になるメッセージを発信し、社会に貢献できる企業活動を行っていきたい

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つまり宝島社の企業広告は、商品では伝えきれない『企業として社会に伝えたいメッセージ』を発信していて、それは企業理念である「世の中を明るくしたい」との思い。

そして間もなく20年目を迎えますが、これまでに多くの広告賞も受賞。ここで、過去の作品を振り返っていきましょう。

1998年「おじいちゃんにも、セックスを。」

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超強烈なこのコピーは、なぜか「ローマ字3文字表記」でなければいけなかったその言葉が一般紙の広告で初めて「セックス」というカタカナが使われた広告でもあります。

この当時は倒産や銀行破綻が相次いだことから今年の漢字には『倒』が選ばれ、流行語は「失楽園(する)」が大賞。このコピーには「暗い世の中だけどそれくらい元気な世の中になりますように」という企業理念に添った願いが込められているのでしょう。

2001年「国をきれいに」

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この年は、"総理大臣"や"派閥"、"赤字自治体の職員"や"天下り"など「永田町のゴミ」と一緒に捨てたいものがずらり。なかには、週に1度だけ気楽な格好で働ける"カジュアルフライデー"など面白いものも。

2003年「生年月日を捨てましょう」

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人それぞれの精神や肉体の元気度や実力によって、その人本来の可能性を活かせるチャンス(個々からすれば自らの年齢に縛られない意識、環境からすれば人を年齢で縛らない意識、とも言えましょう)がもっと増えることで、ポジティブに生きるための人生の選択肢が増え、その結果この国が今抱えている歪みが多少なりともリセットされていくのではないでしょうか。

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三輪明宏さんが印象的なこの広告は「今の50代以上の方は年齢だけで判断するには若く、若者は学歴や職歴だけで判断するには惜しい才能を持つ人が多い」と、『昔の年齢基準のままの社会システムでは歪みやストレスを生む』と訴える宝島社の思いや考えを訴えたもの。

2007年「癌に教えられる」

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極めてデリケートなテーマだということは自覚しつつ、新聞広告という場を使って、それこそまだ若い世代を含め多くの人に、癌という存在、生きるということ、死ぬということを考えてもらう機会になればと思い、この企業広告を制作するに至りました。

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癌というデリケートなテーマを真正面から表現することで、自分や身近な方たちの「生と死」について具体的に思い巡らせる時間になればと制作。

2011年「いい国つくろう、何度でも。」

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敗戦や災害など、これまで幾度となく苦境に直面してきた日本。日本人はそのつど、不屈の精神と協調性を武器に国を建て直してきた歴史があります。世界のどこを見ても、これほどしぶとく、強い生命力を秘めた国民は存在しないのではないか。そんな気さえするのです。「いい国つくろう、何度でも。」この投げかけを通じて、日本人が本来持っている力を呼び覚ましてみたいと考えました。

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2011年9月2日の全国紙(五大紙と日刊ゲンダイ)に掲載されたこちらの広告。3月に起きた東日本大震災からの復興をテーマにしていることは明らかでしたが、連合国軍ダグラス・マッカーサー最高司令官が厚木飛行場に降り立つ写真が使われてたことで賛否両論。大きな話題を呼びました。

2016年「死ぬときぐらい好きにさせてよ」

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日本の平均寿命は年々更新され、今や世界一。いかに長く生きるかばかりに注目し、いかに死ぬかという視点が抜け落ちているように思います。いかに死ぬかは、いかに生きるかと同じであり、それゆえ、個人の考え方、死生観がもっと尊重されてもいいのではないか、という視点から、問いかけています。

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「死について考えることで、どう生きるかを考える」を企業広告のテーマとしたこの広告は読売広告大賞など9つの広告賞を受賞し、1300以上のメディアに取り上げられました。2013年に全身がんであることを告白した女優の樹木希林さんを起用したことも大きな話題に。

■ずっと攻めている宝島社の企業広告

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「企業として社会に伝えたいメッセージ」で、19年間ずっと攻めている宝島社の企業広告。商品を売る営利目的でないからこそ人々の心に強く印象に残るのかもしれませんね。

独自路線を突っ走りながら攻め続ける宝島社にこれからも注目です。

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