SMAPの解散に涙を流したり、新しいダイエット法で紹介された食材をオトナ買い…それらは決して悪いことではありませんが、あまりにメディアに洗脳されすぎて「洗脳に気付いていない」ことが問題のようです。

メルマガ『伝授!潜在意識浄化法』の著者・齋藤翔さんは、「メディアと世の中は一致していない」と断言した上で、興味の赴くまま動くことをやめ、思考をコントロールすることの重要性を説いています。

ニュースは世の中みんなではない

前回、農業の話をしたところ、ぶどう農家をなさっている受講者からメールが届きました。

ありがたいことに、ズッキーニの受粉のタイミングについても教えていただきました。

農業は注目されてる業界のようでいて、昔から淡々とやってる方には日が当たりにくいような気がするのでそんな方達がいること知って下さってるようで嬉しいです。

出典 http://www.mag2.com

そういうことってありますね。

別の業界の方からも、似た話を聞いたことがあります。

昔から当たり前のように淡々とやっている方々にとっては、急にメディアが注目して取り上げるようになっても、「今さら」「そこではない」感が強くあったりする。

まあ、メディアとしては「業界を応援」ではなく「ネタ探し」が目的なので、「大衆が反応するだけのインパクトの強さ」をニュースバリューと考えるのは仕方ないのでしょう。

ニュースバリューとしては、「新規性」「意外性」「時事性」などが重視されます。

昔からずっと当たり前のように続いてきた事柄には、新規性も意外性も時事性もない。だからメディアとしては取り上げにくい。

喫茶店業界もそう。何十年も営業している「町の小さな喫茶店」は全国にたくさんありますが、記事に取り上げにくいのは、新規性も意外性もないから。

これがもし、「米国発の新しいカフェチェーンでは(新規性)、紅茶味のコーヒーが人気となっている(意外性)」なら、ニュースになる。

そう考えると、意図的にメディアに取り上げられようと思ったら、何をすればいいか分かりますね。明らかに長続きしそうにない、本質的でないネタでいい。

大勢に支持されなくても、逆に反発されてもいい。インパクト重視ですから。

逆に、「ニュースってそんなもの」という見方が、トレーニングとしては大事です。

メディアと世の中は一致していないことに気付くべし!

ニュースを見ると、「いま、時代は紅茶味のコーヒーなのか」「いま、時代は産官学の連携なのか」のように、「自分は時代に乗りきれていない」と思って焦りを感じる人もいます。

テレビで取り上げると、「世の中はこうなんだ」「今の主流はこうなんだ」と思いやすい。

SMAP解散で世の中が大騒ぎしているように見えかねないけれど、メディアが作っている騒動に過ぎないのであって、実際に騒いでいる人はあなたのまわりに多くはいないでしょう。

私の知る範囲では、一人だけ「SMAPが解散しちゃうんです~しんごくんのファンなんです~」と嘆いていて、そのまわりも「え~、そうなんですか。寂しいですね~」と合わせているものの、その程度。

メディアと世の中は、一致していません。

なのに、なぜこうもメディアに影響されやすいのでしょうか。

「他者との比較」の意識が強いからと考えられます。つまり、「みんなと同じなら安心、違うと不安」の意識が根底にあって、「みんなは何に関心があるのかな」「みんなが知っていて、自分だけ知らないと損をする」とメディアを気にする。

ちっとも「みんな」ではないのに、「みんな」と錯覚してしまう。

しかし、逆に考えてみてください。つい最近始まったばかりで、どこにでもあるわけではない(主流ではない)からこそ、ニュースになるのです。

全国のぶどう農家が当たり前のように採用している方法は、ニュースになりません。「たった一軒の農家だけが試験的に採用して、とりあえず成果が出たみたい」くらいのネタが最も「おいしい」。

3年後には「弊害が出たので辞めた」「採算が合わなくて続けられなかった」としても、業界の関係者ではないので知ったことではない。

健康番組や健康雑誌で取り上げるダイエット法なんて、その最たるものでしょう。

「専門家が高く評価している」「実はもう何十年も前から研究されてきた」みたいな「パーツ」をセットでくっつけてくるので、「今度こそ決定的なダイエット法なんだ」と勘違いしやすいけれど、実際のところは「つい最近始まったばかり」で「どこにでもあるわけではない」から話題として取り上げられているだけです。

業界の人に「それをバラすな」「それを喜ぶ人がいるんだからいいじゃないか」と叱られそうですが、「分かっている人は分かっている」ので、メディアにも業界にも踊らされない。

大事なことを、当たり前のように、淡々と続けるだけです。

その「大事なこと」こそ、力の入れどころです。

テレビや雑誌を見て「へ~、そうなんだ」と驚いたり楽しんだりするのは悪くないとしても、メディア関係者以外にとっては「力の入れどころ」ではない。

「SMAPの誰それが結婚するなんて~。ショックで仕事になりませ~ん」では、明らかに力の入れどころ、抜きどころのバランスがよくない。

「いいえ、私にとっては仕事より、同僚との人間関係より、芸能界が大事なんです」と言い張るなら、それはそれで充実した生き方なのでしょうけれど。

力の入れどころと抜きどころ

力の入れどころと抜きどころを見極めるには、「何が大事?」という問いかけをしながら考えていくのがコツです。

この問いかけを続けないと、つい自分の関心事ばかり深く掘り下げてしまう。

たとえば、新規に講座を始めるとします。

企画のスタート時にまず意識を集中したいのは、「誰に、何を」提供するか、です。

「誰に、何を」が決まっていない段階で、「レッスンの開始時刻」や「名刺を縦書きにするか横書きにするか」を考えてもしょうがない。

「誰に」を考えるプロセスとして、レッスンの時間帯をざっくり決める可能性はあります。

「フルタイムで働いている会社員」が相手なら、「平日の午前中」では無理があるでしょう。

「平日の夕方以降か、週末かな」くらいにざっくり意識する必要はある。

しかし、

「7時だと私が○○の都合で間に合わないから、7時15分なら安心です」

「調べてみたら、いつもと違う○○線に乗れば7時10分なら大丈夫そうです。だとしたら15分より10分のほうが望ましいでしょうか」

こんなふうに思考や行動が細部に入っていったら、「力の入れどころ」が違っています。

今はそこに力を入れる段階ではない。

ところが、やりがちなんですよね。思考のコントロールができないと、「今はこれが大事」なところに思考を戻すことができず、興味の赴くままにさまよってしまいます。

「仕事を始めたら、やっぱり名刺ですよね。憧れなんですよね~、自分の名刺」

「知り合いに、とってもステキな名刺をデザインしてくれる人がいて、もうゼッタイ彼女にお願いしようと決めてるんです」

「あ、でも、業種からして、縦長タイプのほうが違和感がないでしょうか、信頼性という意味でも。私の中では、横長で文字が白抜きで小さく右下に入って──こんな感じなんですけど、お洒落じゃないですか?」

──と、こんなおしゃべりでつい盛り上がりがちなのも、暗く落ち込んで弱気になるよりは良いのですが、「仕事をしていることにはならない」と肝に銘じましょう。

文章を書くときは何が大事?

発声トレーニングでも、文章トレーニングでも、そう。

まずは「大枠」から形づくっていきます。

「文章の構造」(どんな順序で話していくか)をトレーニングする段階で、「読点の打ち方」を気にしてもしょうがない。

まして、「ワープロソフトは何がお奨めか」と気にしても、的外れです。

「声のサロン」などで、ほかの受講者が指導を受けているシーンを見て、不思議に感じることがあるかもしれません。

ある人が「言い出しの声門閉鎖を直しましょう」と指摘されているから、自分も気をつけなきゃと思っていたら、別の受講者は明らかに声門閉鎖が目立つのに指摘されず、「あれ、どっちなんだろう」と戸惑ったりする。

しかし、「声門閉鎖」という現象のみを取り出して、重要かどうかを語ることはできません。

Aさんにとっては声門閉鎖が問題になるが、Bさんはまだ声門閉鎖を意識しても手に負えない段階かもしれない。

同じことに取り組んでいるのであっても、自分の置かれている状況や立場によって、「何が大事?」の答えが変わってきます。

力の入れどころと抜きどころが大事なのは、マラソンのペース配分だけではありません。

ずっと入れっぱなしではいられません。抜かないと、入れられない。

抜くから、入れる効果が高まるのです。

権利侵害申告はこちら