「いい子育て」「いい親になるための条件」…世に理想の子育て論があふれている。どの論ももっともらしく、親は頭を悩ませてしまう。どれが正解なのか。

『いい親よりも大切なこと~子どものために“しなくていいこと”こんなにあった!~』(小竹めぐみ、小笠原 舞/新潮社)は、そんな理想の子育て論にすがるのはやめて、あえて子どものために“しなくていいこと”に着目している。

例えば、「1日3食、きちんと食べること」。3食、決まった時間にきちんと食べるほうが健康的な生活を送ることができるだろう。しかし、毎日3食を同じ時間に食べないと、きちんとした大人になれないわけではない。

本書は、食べむらがあっても1週間の単位で見たときに、体重が極端に減っていなければ気にしないで大丈夫だという栄養士の談を紹介している。

お風呂も同じ。子どもが疲れて寝てしまったら、次の日の朝に入れればいい。無理やり起こして、一日の終わりに必ず入れる必要はない、という。

本書は、次のように、忙しい母親を勇気づけている。

やれなかったことは、決して「手抜き」なんかじゃありません。ただ、今日できることをやった、ベストな結果です。

出典『いい親よりも大切なこと~子どものために“しなくていいこと”こんなにあった!~』(小竹めぐみ、小笠原 舞/新潮社)

とはいえ、本書は「なんでも適当にやればいい」と述べているわけではない。本書が育児において拠り所としているのは、「人は誰もが“凸(デコ)”と“凹(ボコ)”を持っている」という考え方。

凸凹論とは

自分自身の強みや弱みを含めた特性に気づき、受容することで、結果的に、他者の持つ特性をも受容できるマインドがつくられていくこと。

出典『いい親よりも大切なこと~子どものために“しなくていいこと”こんなにあった!~』(小竹めぐみ、小笠原 舞/新潮社)

親子、夫婦、家族が互いに凸凹を理解し、カバーし合うことで、お仕着せの育児ではなく、自分たちにとってベストなオリジナルの育児ができるようになるという。本書によれば、そのために必要なことが、まず「○○○しない」と手放すこと。

そこから、自分の育児で本当に大切にしたい本質的なことが見えてくるという。

本書は巻末で、きちんと育児ができているのにできていない気になって、たくさんのものを背負いすぎている母親に「大丈夫。もう、すでに、ちゃんとしているよ」とメッセージを送っている。

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