今、Twitterで話題になっている写真があります。それが、これ……

まずは質問です。
これはなにに見えますか?

「ベビーカー」


そう答えた人は不正解です。
実はこれベビーカーではなく「車椅子」なのです。しかも、ただの車椅子じゃありません。


バギータイプの車椅子


そう呼ばれるものです。
耳慣れない言葉ですが、いったいこの車椅子は、どんな方が利用するものなのでしょうか?まだまだ認知度の低いこの車椅子ですが、これを機に詳しくなっちゃいましょう……

バギータイプの車椅子とは?

これはすずポンさんがTwitterに投稿したことで話題になっている写真です。

投稿主のすずポンさんのお子さんが実際に使用しているものです。

このバギータイプの車椅子(バギー型車椅子)は、病気、障がいなどの理由から車椅子を必要とする子どもが乗ることを想定して作られています。そして、すずポンさんの娘さんもこの車椅子を必要としているお子さんの一人です。


「バギータイプの車椅子」と「通常の子ども用の車椅子」はその用途がハッキリとの違います。


まず通常タイプの車椅子ですが、こちらは主に足の不自由な子どもが利用します。
それに対し「バギータイプの車椅子」は足に障がいを持ったお子さん以外の子どもも利用できるというのが大きな特徴です。例えば、「病気などで長時間、姿勢を保てない子ども」などがそれにあたります。

ちなみに、投稿主のすずポンさんの娘さんが日常的に利用されているバギータイプの車椅子はこちらです。Twitterの会話に以下のようなものがありました。

RVポケットⅡ(きさく工房)

価格は16万円~ということでかなり高額であることがわかります。
またお子さんの身体の大きさにあわせてLLサイズの車椅子もあるということのようです。

この「バギータイプの車椅子」の最大の特徴はベルトで腰などをしっかりと固定できるという点です。さらにお子さん一人一人の身体の状態にあわせて、背もたれや足を乗せる部分の角度を調整することもできます。

しかし、そんなバギータイプの車椅子にも弱点があります。それは……

バギータイプの車椅子は、とにかく重い!

バギータイプの車椅子はとにかく重いのが特徴です。
なんとその重量は車体だけで約15kgもあるそうです。15kgといえば1.5リットルのPETボトル1ダース(12本分)です。この重さを持ち運ぶのはなかなか容易ではありません。

さらにこの車椅子の特徴として人工呼吸器などを搭載することができます。大変便利な機能ですが、そうなった場合は、搭載した医療機器の分だけ重量が上乗せされるということになります。そして、医療機器を搭載したときの総重量は数十キロにも及ぶことがあるといいます。

バギータイプの車椅子はとにかく重い――

もちろん車椅子を「押す」という行為はスムーズにできます。
しかし車椅子を「かかえる」というアクションや「持ちあげる」というアクションをするときには話しが別です。こういったアクションをする場合には押すときとは違い大きな力が必要になってしまいます。さらにそんな重いバギータイプの車椅子には重さとは別にもう一つの問題があります。その問題とは……

見た目が「ベビーカーと酷似している」

前述の通り、機能的であり、また身体に障がいを持つお子さん日常生活をサポートするために欠かせない存在であるバギータイプの車椅子ですが、その形状からやはり「ベビーカーと間違われてしまう」ことも多いようです。画像を比べてみてください。上の画像がベビーカーで、下の画像が先ほどの「バギータイプの車椅子」です。

確かに、こうやって比べてみても2つは酷似しています。

我々がイメージする車椅子はタイヤが大きくて、自分の手でまわせる(自走できる)ようになっています。しかし、バギータイプの車椅子はタイヤを自分で回すことはしません。そのため小さな車輪が付いているのみです。

このように2つがよく似た形状であるうえ「バギータイプの車椅子」の存在自体が現状では認知度が低いためベビーカーと間違えてしまうようです。

例えばTwitterでも「初めてこの存在を知った」という方のコメントがたくさん寄せられています。

このように理解のある方もいる一方で、世間での認知度の低さという部分も見えてくるのが現実です。例えば……

認知度が低いゆえ、このように感じる人も多数いるということなのでしょう。この方はそういった現状に憤りを感じているようです。しかし……

こういった人に優しい方が増えてくれれば、認知度が低くても問題はないはずなのに……

そんなふうに思ってしまいます。

そんな間違い・かん違いの結果、すずポンさんや他のバギータイプの車椅子を利用されているお子さんのお母様達は様々な場面で、辛い思い、申し訳ない思い、不便な思いをしてしまうこともあるそうです。例えばそれは……

1.電車内で「たたんでください」

バギータイプの車椅子を押しているお母さんたちは、電車に乗ったときベビーカーと間違われ、ほかの乗客の方から「たたんでください」といわれてしまうことがあるようです。そうなるとほかの乗客の方に対し気が引けてしまい、電車に乗りづらくなってしまいます。

また電車の利用時には多くの駅でスロープの利用(画像参照)を断られてしまうこともあるそうです。そうなると電車の乗降ですらままならなくなってしまいます。

2.段差で手を貸してもらえない

また、ベビーカーと間違われることによって手を貸してもらえないということもあるようです。
前述の通り、このバギータイプの車椅子は車体だけでその重量が15kgもあります。そこにお子さんが乗っていれば、当然お子さんの体重も加算されます。また医療機器が搭載されているケースも少なくありません。
そんな重い車椅子をかかえて段差などをこえようとすることがどれほど大変なことかということは言うまでもありません。どう考えても、お母さん一人の力で持ちあげることは困難です。

しかし「ベビーカー」だと思っている人にはその大変さは伝わりません。それどころか想像すらできないでしょう。また日本では「ベビーカーを押しているお母さんに他人が手を貸さない方が、その人のためになる」といったような間違った価値観を持っている人も少なくありません。本当は車椅子なのに、そういった理由から車椅子を持ちあげるための手助けをしてもらえないということも起こり得るそうです。

3.予約席でも間違われる

また、どこかお店にいく際に事前に車椅子席を予約して入店したとしても、一見して「ベビーカー」と間違われてしまうということも日常茶飯事のようです。
そのたびに間違いの訂正とバギー型車椅子の説明をしなければいけないというのは、精神的にも少々しんどい思いをしてしまいます。

このように、バギータイプの車椅子の認知度が低いため、生活上たくさんの不都合が生じてしまうケースが少なくありません。

しかし、この「バギータイプの車椅子」と「ベビーカー」を見分けるポイントは実はとても簡単だったりします。それは……

「バギータイプの車椅子」と「ベビーカー」を見分ける方法は?

見分けるポイントはおもに2つ。それは……


・重厚感
・乗っている子どもの年齢


まずは重厚感ですが、ベビーカーはどちらかといえば軽量化に力をいれているため、つくりがシンプルです。誤解を恐れずに表現するのならば「どちらかといえばチャチな見た目」をしていることが多いのがベビーカーです。

それに対して、どっしりとした作りをしていてパーツの金属などから重厚なイメージを感じることができるのがこの「バギータイプの車椅子」です。

また乗っている子どもの年齢からも、それが「ベビーカー」なのか「バギータイプの車椅子」なのかということを判断することもできます。

ベビーカーは当然ですが赤ちゃんが乗っています。
しかし、バギータイプの車椅子には身体の大きな子どもが乗っている場合がほとんどです。

他にもバギータイプの車椅子にはヘルプマークが取り付けられている場合もありますので、そういったポイントにも注意するとよりわかりやすいのではないでしょうか?

そういった点を注意深く観察すれば、それが「ベビーカー」なのか「バギータイプの車椅子」なのかということがわかると思います。

まとめ

バギータイプの車椅子が必要な子どもにとっては、このバギータイプの車椅子がなければどこにも出掛けることができません。

病院に通うことさえ出来なくなってしまうのです。
しかし、世間での認知度が低いため病院に行くときにでさえ苦労が絶えません。

もっとこのバギータイプの車椅子の存在が認知され、きちんと「車椅子なのだ」ということを世間一般の人にわかってもらえれば、それだけでも障がいを持ったお子さんや、そのお母さんの気持ちは楽になります。

もし、今、電車に乗っていてベビーカーを広げている人がいたら、「たため」と目くじらを立てるのではなく、じっと観察してみてください。

街を歩いているときに段差で苦労しているベビーカーを引くお母さんがいたら、じっとその姿を見つめてください。

それは本当にベビーカーですか?
乗っている子どもは赤ちゃんよりも大きくありませんか?
もしかして、バギータイプの車椅子ではないですか?

一人一人が知識と思いやりを持って、全ての人に接することが出来る世の中が来ることを心より願います。

そして、そのためにこの記事が少しでもお子さんやお母さんのお力になれば幸いです。
うのたろうでした。

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