「あれ?小さいな…」

医師がそうつぶやいたのは、妊娠20週の妊婦健診の時でした。これが胎児があるべき大きさになれない「子宮内胎児発育不全」の始まりでした。私の子どもは同じ週数の赤ちゃん100人の中で3番目以下の小ささとのことでした。

かかりつけの病院で10週間ほど様子を見たものの胎児発育成長曲線の一番下のラインにそってしか大きくならず、出産後にNICUに入る可能性も考えて大きい病院へ転院することになりました。

転院先の病院で、幾つかの検査をした後で医師は言いました。

「現在、赤ちゃんが小さい理由は不明です。赤ちゃんが小さくなってしまう原因は3つあり、一つは母体に妊娠高血圧症候群などの問題がある場合。もう一つは赤ちゃん自身が大きくなれない異常を抱えている場合。最後に胎盤に問題がある場合。

現在、母体に高血圧などはなく、胎盤もエコーで見る限りでは特に問題はみつかりません。ただ、赤ちゃんエコーではわからない異常がある可能性はあります」

その時の私には、この言葉は子どもに異常があることは確定的だと告げているように聞こえました。

赤ちゃんに異常があったら無事に生きられるのか。

この子を産むことで私達夫婦の生活は一変してしまうのだろうか。

お腹の中を目で見ることができないだけに、とても不安でした。

不安に囚われていた私の目を覚ませてくれたのは、お見舞いに来てくれた妹でした。

妹はこれまでの経過をすべて聞いたあとで、「生まれてくるの、楽しみだね」と言ってくれたのです。

赤ちゃんに異常があったとしても?」

と聞いたら、彼女は力強く「うん、楽しみだよ!」と答えました。

私はこの時、子どもの誕生を無条件に楽しみだと思えなくなっていた自分に気が付きました。

そうだ。母である私こそが、「楽しみにしているから、安心して生まれておいで」と言ってあげなければ。

どんなことがあっても前向きに受けとめる覚悟を決めたのはこの時だったと思います。

その後、予定日1ヶ月前に破水し、緊急帝王切開で生まれてきた子どもは、幸い体が小さいだけで健康でした。

赤ちゃんが小さい場合、原因不明で問題のないことも多いのだけど、病院側は小さい原因が何かあるかもしれないと疑って診ないといけないのだということを産後に知りました。

妊娠中の不安な日々は忘れられません。

でも、あの経験こそが私に親になる覚悟を与えてくれたのだと思っています。

著者:モニカ
年齢:30代
子どもの年齢:1歳の女の子

神奈川県在住。趣味はアクセサリーと子ども服をつくること。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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