記事提供:日刊サイゾー

高円寺店の外観。外観はどこも似ているが、一歩中に入るとそこは別世界……。

飲み会で盛り上がり、つい終電を逃してしまった。始発には、まだまだ間がある。そんな時に吸い込まれてしまうのが「名代 富士そば」だ。

こちらは、東京を中心に113店舗(2016年12月現在)を展開する立ち食いそばチェーン。駅前立地で24時間営業という使い勝手のよさに加えて、メニューも多岐にわたるので飽きることがない。

そんな「富士そば」をウォッチし続けている人物がいる。自ら「富士そばライター」と名乗る名嘉山直哉さん(33歳)だ。4年前にその魅力に目覚めて以来、訪れた店舗は100店舗以上。それらの実食ルポを「富士そば原理主義」というブログで熱くつづっている。

名嘉山さんいわく、「富士そばは、サバンナのオアシス」。あまりにも居心地がいいため、ライオンからシマウマまで、肉食、草食を問わずあらゆる動物が集まってくる、という意味だ。

また、「富士そば」には、知られざるトリビアも数多くあるそうだ。そこで今回は、中でも選りすぐりの「富士そば」トリビアを10個教えてもらった。

【1】1号店は2016年1月に閉店

「富士そば」の1号店は、1966年にオープンした渋谷店。ケーキ店だった建物に入居したという。閉店理由は「建物の老朽化のため」。ちなみに、2号店は新宿店で、3号店は西荻窪店。

【2】実は、立ち食い店は1店舗だけ

立ち食いそばのイメージが強いが、完全立ち食いスタイルは東中野店のみ。渋谷店、大山店も椅子がなかったが、現在はともに閉店。激狭の東中野店は、最近ようやく券売機を導入した。

【3】店舗によって価格が微妙に違う

店舗によってオリジナルメニューがあるのは有名だが、価格も微妙に異なる。特に、八重洲店は基本価格帯より20円ぐらい安く、大盛りも100円ではなく50円といううれしい設定。

【4】演歌がかかっている理由

BGMは基本的に演歌。これは4度目の上京で一旗揚げた苦労人・丹道夫会長が演歌に入れ込んでいることから。55歳で作詞学校に入学した彼の作品が店内に流れることも。

店舗オリジナルメニューは券売機の最上段で「これでもか」とアピールしてくる

【5】人気の新メニューに「ホームラン賞」

オリジナル新メニューの売り上げがよかった場合、考案した店長に本社から「ホームラン賞」が与えられる。賞金が出る上に、ときには定番メニュー化という栄誉も。メディアで公表されているのは、かつ丼、肉富士そばなど。

【6】社長交代を機に、海外へも進出

会長の息子で、現在の丹有樹社長は2015年に就任。「新市場への進出は挑戦しがいがある」という理念のもと、台湾、フィリピン、シンガポールなど、海外への進出路線を取っている。

【7】脈絡のない“謎コラボ”が話題

過去には、ゲーム『龍が如く』、映画『TOKYO TRIBE』『かいけつゾロリ』『亜人』などとのコラボメニューを展開。しかし、作品とメニュー内容の関連が薄く、ファンの間で疑問の声も。

【8】味が一番安定しているのはカレー

カレーのルーはパウチ入りの業務用。そのため、店舗ごとにつゆの味が異なるそば類より、味が安定している。「あの店のそばつゆとは、相性が合わない」という人にはカレーがオススメ。

名嘉山さんオススメの「煮干しラーメン」。ショッピングモールのフードコードで提供されているような「ほどほど」の味わい。カレー同様に味が安定しているので、ハズレがない。

【9】さらに、ラーメンもおいしい

ラーメンは鶏がらのしょう油スープで、懐かしい味。最近では煮干しラーメン(450円)が人気で、ネットで「激ウマ」とバズったのをきっかけに販売店舗が急増し、現在は65店舗(2016年11月)で食べられる。

【10】最新の動向はFacebookでチェック

公式サイトは更新頻度が少ないため、最新の動向を知りたい場合はFacebookをチェックすべし。「人物紹介」「美人×蕎麦」「没メニュー紹介」などの面白情報を入手できる。

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メニュー開発やスタッフ採用は、店長任せ。基本的にマニュアルの類いもない。そんな「富士そば」だからこそ、このような面白トリビアが生まれるのかもしれない。

後編では、先ごろネットをにぎわせた「富士そば=超ホワイト企業」説の真偽を含め、さらに「富士そば」の魅力に迫る。

(取材・文=石原たきび)

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