ついに放送終了したドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」。

契約結婚という斬新なテーマと、多数のパロディ、恋ダンスなどが話題となっていましたが、一方で社会的なテーマにも切り込んでおり、様々な名言が飛び出した番組でもありました。

最終回で、主人公みくりちゃんの叔母・百合ちゃんが20代のポジティブ女子に語った言葉が、心に刺さった視聴者も多いのではないでしょうか。

「自分に呪いをかけないで」

20代のポジティブモンスターから、「老いをすすんで買う女はいない」「あなたの半分の歳なので」と年齢に対して揶揄された百合ちゃん。しかし、百合ちゃんは彼女に、その感覚は「呪い」だと諭しました。

今 あなたが価値がないと切り捨てたものは
この先あなたが向かっていく未来でもあるのよ。

自分がバカにしていたものに自分がなる。
それってつらいんじゃないかな?

私達の周りにはね、たくさんの呪いがあるの。
あなたが感じているのも、その一つ。

自分に呪いをかけないで。
そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい。

出典TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」第11話より

この百合ちゃんの発言には「救われた!」「ドラマの全てを物語ってる」「身に染みる」と、多くの共感を呼んでいます。

最終回は、すべての「呪い」が解かれるストーリーだった!

この「呪い」発言は、このドラマの集大成と言ってもいいのかもしれません。

Twitterでは原作者である海野つなみ先生も、こうつぶやいていました。

「普通は…」「常識的に考えて…」「…すべき」といった様々なものから解き放たれた登場人物たち。まさにハッピーエンドと呼べる結末でしたね。

では、登場人物たちを縛り付けていた「呪い」とは何だったんでしょう。

「小賢しいなんて思ったことないです」

これまで彼氏に振られ、派遣を切られ、「女なのに小賢しい」という言葉が呪いとなっていた主人公・みくりちゃん。しかし平匡さんからの一言によって救われたのです。

小賢しいってなんですか?
言葉の意味はわかるんです。
小賢しいって、相手を下に見てる言葉でしょ。
僕はみくりさんを下に見たことはないし、
小賢しいなんて思ったこと一度もありません。

出典TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」第11話より

「ありがとう」と感激するみくりちゃんに、平匡さんは意味がわかっていなかったようです。しかし、自然とそういう行動ができていた平匡さんだからこそ、みくりちゃんは魅かれたのだろうし、2人はうまくいったのかもしれません。

「だとしたら、僕は開け方をしっている」

みくりちゃんの呪いを解いた平匡さん。平匡さんの呪いは2話の「でも私は平匡さんが一番好きですけどね。」という言葉で解けていたのではないかと思うのですが、最終回で閉じてしまったみくりちゃんのシャッターを開けようと動いたところも、平匡さんの呪いが解けた部分だったように思います。

みくりさんが閉じたシャッターは、いつか僕が閉じたものと同じかもしれない。

だとしたら、僕は開け方を知っている。
何度も何度も、あきれるほど見捨てずに
ノックしてくれたのは他の誰でもないみくりさんだ。

出典TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」第11話より

今まで受け身で、みくりちゃんから愛情を与え続けられていた平匡さんが、一生懸命みくりちゃんに自分から行動した、というところは、平匡さんの成長とも言えるのではないでしょうか。

「私も好きよ。甥っ子じゃない風見くんが」

「呪いからは逃げてしまいなさい」と言った百合ちゃん自身も、風見さんに惹かれながらも、年齢差を理由に「どこまでいっても風見くんは私の甥っ子なの」と自分自身に呪いをかけてしまっていたのです。

しかし、「年齢っていう呪縛に一番縛られていたのは私なのよね」と、沼田さんに本音を語った百合ちゃん。青空マーケットまでやってきた風見さんに、ついに本心を告げることができました。

私も好きよ。
甥っ子じゃない風見くんが。

先のことはわからないけど、
今の気持ちに素直になってみてもいいかなって。

出典TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」第11話より

「会えなくて寂しかった」とつぶやく百合ちゃん。本当にかわいかったですね。そして、同時に人を愛することなく恋愛を楽しんでいるだけだった風見さんも、本当の恋愛へと進むことができました。

「”ダンケ”っていい言葉でしょ」

「帰国子女だから」というレッテルを貼られたくない、と経歴を隠して働いていた百合ちゃんの部下・堀内さん。百合ちゃんに誘われてやってきた青空マーケットで、バーの山さんから「ダンケ」という言葉を教えてもらいます。

「日本は嫌い。アメリカも嫌いだけど」と語っていた堀内さん。ドイツ語の「ダンケ」という言葉を知って、新たな道が開けたようにみえました。

「良かったら、来ない?」

「振られるのが怖くて一歩がふみだせない」と悩んでいた平匡さんの同僚・沼田さん。好きなのに「会うことができない」と悩んでいた百合ちゃんの部下・梅原くん。

2人の呪いも、百合ちゃんが踏み出した一歩に背中を押されて、解かれていきました。2人が見つめあうシーンの後ろで、バーの山さんが涙ぐんでいるところを見ると、山さんは全てを知っていたのかもしれませんね。

「過去最高の売上が出そう!」

専業主婦からシングルマザーとなった、みくりちゃんの親友・やっさん。実家の八百屋で働くも、お客さんは全然来なくて、ただの店番状態でした。しかし、みくりちゃんのアドバイスではじめた野菜ジャム。青空マーケットでの売上、これからの生活の基盤が見え始めたシーンでした。

「一生会えないかと思ってた!」

津崎邸訪問も、ぶどう狩りも、子どもの発熱によってキャンセルとなってしまい、ずっとみくりちゃんと出会えていなかった日野さん。最終回では、ついに呪いが解かれて、みくりちゃんと出会うことが出来たのです!「運命が覆った瞬間です」と平匡さんも喜んでいました。

しかし、奥様役がまさかのリアル奥様である乙葉さん!視聴者が衝撃を受けたシーンでもありましたね。

「いつの日か解き放たれて、笑っていけますように」

童貞、高学歴女子、キャリアウーマン、ゲイ、帰国子女、専業主婦…様々な立場の人たちが、自分の立ち位置の「呪縛」から解き放たれるストーリーだったとも言える「逃げるは恥だが役に立つ」

青空マーケットのシーンで、みくりちゃんの言葉で語られたナレーションが、ドラマからの大きなメッセージなのかもしれません。

私たちを縛る全てのものから
目に見えない小さな痛みから
いつの日か解き放たれて
時に泣いても
笑っていけますように

出典TBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」第11話より

現実世界では、他にも様々な自分の事情に「がんじがらめ」になってしまっている人、周りからのプレッシャーを感じている人がいると思います。この「私たち」の中には、みくりちゃん達だけでなく、視聴者である私たちも含まれるのではないでしょうか。

縛られた状況から「逃げる」ことも、ひとつの手である。筆者はドラマを最後まで観て、「逃げるは恥だが役に立つ」というタイトルにこめられた想いを感じられた気がします。

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