日本で最もポピュラーな方言は、関西弁だろう。

しかし、これほど認知されているのに、これほど理解が進んでないのは嘆かわしい。ドラマやアニメで見る「エセ関西弁」には嫌悪感を覚えるし、ワザと関西弁を使ってツッコむ「関西弁素人」の方々には寒気を覚える。

関西弁を布教するため、京都府出身である私が一肌脱いで1冊書こうかと考えていたところ、私と同じ思想を持つ方がすでに本を出していた。

それが『なんでやねんを英語で言えますか?』(川合亮平/KADOKAWA)だ。ところがタイトルの通り、本書は私の予想の斜め上を行っていた。関西人がよく使う50のフレーズを英語に訳して紹介しているのだ。いや、関西弁を英語て!こら、えらいこっちゃ。

シュッとしてるやろ?/Do I look smart or what?

「関西弁素人」の方々にぜひ覚えていただきたいのが、「シュッとしてるやろ?」というフレーズだ。意味は「ハンサム」「洗練されている」など、見た目が良いときに使われる。本書では、このフレーズの使い方も記されている。

結婚式の場面で、スーツを着て出席した兄ちゃんが「シュッとしてるやろ?」と女の子に自慢している。そうだ。「シュッとしてる」の使い方はこんな感じだ。「これええやろ~」と、どやっているのだ。

これを英訳すると「Do I look smart or what?」というふうになるらしい。

この「or what?」の部分が大切で、疑問形の形ながら、その内容を強く肯定する意味になるそうだ。確かに「シュッとしてるやろ?」という言葉を使うときには「どやぁ」な感じが表れる。この表現がぴったりだ。

けったいなやつやな/Such an eccentric person

この言葉も頻発フレーズなので、ぜひ覚えていただきたい。「奇妙な」「変わった」という意味合いだが、からかったり楽しんだりするときに使うので、決してネガティブ表現ではない。

本書では、映像しか流れないTVと音声しか流れないTVの2台を家に置いている女の子に対して、兄ちゃんが「けったいなやつやな~」と言っている。

個人的には、奇妙で笑えることが起こったときに、「けったいですね」「けったいな人ですね」と使っておけば間違いないと思う。

これを英訳すると「Such an eccentric person」となるらしい。この「eccentric」にこそ「ぶっ飛んだ」という意味合いがあり、まさしく「けったいな」という意味を表しているのだ。

正味の話が/Honestly

これは関西人が大好きなフレーズの1つだ。意味は、あまりない。英訳の「Honestly」に表れている通り、とにかく自分の意見や感想を強調したいときに使う。本書の参考例を載せよう。

外国の女の子「イギリスと日本には色々な文化の違いがあるネ~」

兄ちゃん「たとえば?」

外国の女の子「カブトムシをペットにするなんて、イギリスでは考えられないヨ!」

兄ちゃん「え、カブトムシ、カッコええやん!正味の話が」

また、個人的な印象では「要は」「つまり」という意味合いで使われることも多いと感じている。「正味な、○○で~」「正味やで!正味!○○は~」という具合に「私、今から特に言いたいこと言うから聞いてな」と、話の頭に持ってくることも多い。

このように本書は、関西人が多用するフレーズを解説し、その用法を紹介し、さらには英語に訳したときの表現まで載せてくれているのだ。なんとけったいな1冊なんや。正味、関西弁や英語に興味がある人は買うべきやで、しかし!

さらに本書の後半では、「551の豚まん」「関西電気保安協会」「吉本新喜劇」など、関西特有の文化を英語で紹介したり、「なんでやねん!」「知らんがな!」「なんやそれ!」などのツッコミを英訳したり、英語という切り口から関西を紹介している。

なんやそれ!バリバリ、いや、バンバンカッコええやん!ほんま川合さんは、頭シュッとしてんな!みんな買うてや!税別1200円やで。おっ、あんた買うてくれるんか、おおきに。読者のみんな、ほなな~。

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