記事提供:AbemaTIMES

今年6月、東京・池袋にあるホテルの一室で妻の左胸を16.5センチのナイフで2回突き刺し殺害したとして、男が逮捕された。しかし、この事件はただの殺人事件ではなかった。

被害者となった山口美賀さんは、去年から左手が痙攣、両足に痛みが続き体の自由が利かず、さらに頭髪が抜けるなど、原因不明の病気を患っていた。

夫婦で月18万円ほどの生活保護を受けていたが、暮らしは困窮。美賀さんは夫の輝武被告に「一緒に死のうか」と話すようになったという。

そして事件当日。池袋のホテルで、輝武被告は美賀さんの「寝ている間に殺して」という依頼を素直に受け入れた。犯行後、輝武被告も自殺を図ったが命に別状はなかった。

検察は10月、輝武被告を「殺人罪」ではなく、妻本人からの依頼で殺害した「嘱託殺人」の罪で起訴した。そして今月12日の初公判で、山口被告は起訴内容を認めた。

この「嘱託殺人」とは一体どのようなものなのか。

諸外国の中には、安楽死や尊厳死を法制度化し、自ら死を選択できるようにしているケースもある。

しかし日本にそうした制度はなく、刑法202条にも「人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する」とある。

これが「嘱託殺人」の罪だ。

彩の街法律事務所の神尾尊礼弁護士は、「殺人罪は被害者の命を無理矢理奪うが、嘱託殺人はそれとは違い、被害者が同意をして殺人を犯すわけだから、当然悪さの程度は違う。一概には言えないが、嘱託殺人の場合、執行猶予がつくことが多いと言える」と解説する。

嘱託殺人の立証は、基本的には客観的な事情から見て、嘱託をするにふさわしい状況だったことが分かれば認定されることが多いという。

しかし神尾弁護士は「遺書が出てくることは稀だ。通常は寝たきりの方が多く、書く力すらないから人に殺してくれと頼む。本当に二人だけの世界というのが非常に多い」と指摘、「介護などの長い苦労から始まることが多いので、もしそこに医療という形で選択肢が広がるのであれば、こういった悲劇は減るのではないか」と話す。

さらに神尾弁護士は、「行政もそれなりに着手している。基本的には福祉サービスで救える場合もあるが、残念ながら、こういった方々はそうした情報にアクセスできない場合も多い。例えばマスコミなどで、どういった手段があるのかを伝えていくことが大事だと思う」と訴えている。

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