冷え切った体を温めることができる電車の車内。いつでも暖房が利いているため、ありがたく感じる人は多いことでしょう。

ですが乗客の増加にともない、車内の温度と湿度も上昇していきます。満員電車ともなるとやがて冷え冷えとした車外とは正反対の空間が作り出され、暖かいどころか「暑い」とさえ感じることも。人で密集した車内では上着を脱ぐことさえもできず、電車が目的の駅に到着するまで汗をかき続ける…という状況を経験した人も多いでしょう。

このようにTwitter上にも、そうした苦行を体験した人のつぶやきが見受けられます。

電車内の暖房温度って調節できないの?

出典京浜急行電鉄株式会社

健康面での問題なども考えると、電車内が満員の時は、暖房の温度を低めに設定するか、暖房器具のスイッチを切ってほしいというのが正直なところ。しかし、そもそも車内の暖房設備に関しては、どのような管理がなされているのでしょう?

そこで今回は、東京都や神奈川県内の各所をむすぶ鉄道路線を運営する「京浜急行電鉄(京急電鉄)」に直撃取材。電車内の暖房設備にまつわる、知られざる常識などについて、総務部広報課の宮本幸彦さんに伺いました。 

車内の温度が下げられない…その理由とは?

――電車内が暖かいととてもありがたいのですが、時に「暑い」と感じることがあります。実際に乗客からそういった声が挙がることはありますか?

宮本さん:はい。そういった声が寄せられることはあります。

――そのような意見に対して、どのような返答をされるのでしょう?

宮本さん:回答内容に関しては、コメントを控えさせていただいております。ただ、当社の場合、暖房の設定温度は決まっている上、車内の温度によって自動的にスイッチがON、もしくはOFFになります。家庭で使用するエアコンのように、設定温度を上げ下げして調節することができないんです。 

――そうだったんですね!では暖房の具体的な設定温度を教えてください。


宮本さん:京急電鉄の暖房器具は、具体的には、車内温度が21度になった時点でスイッチが入り23度になるとスイッチが切れるようになっています。電車を車庫から出庫する時に、乗務員が暖房器具のスイッチをONにするのですが、その後彼らがスイッチに触ることは基本的にはありません。

天候や気温を見て使用を判断

――暖房器具が使用され始める時期は決まっているのでしょうか?

宮本さん:時期は明確には決まっていません。本社の担当が天候や気温から判断して、使用開始時期を決めています。

――電車内の暖房設備について、もう少し詳しく教えてください。温風は、車内のどこから出ているのでしょう?

宮本さん:温風が出ているわけではなく、座席の下にある電熱線が空気を温めています。京急電鉄の暖房器具は「エアコン」ではなく、いわば「電気ストーブ」のようなもの。つまり座席の下で温まった空気が立ち昇ってきて、車内を循環しているイメージです。

――だから座っていると、とくに足元が温かく感じられるんですね。「暑い」と感じた時は、車内のどこにいるのがオススメですか?

宮本さん:ドアの開閉に伴い外気が入ってくるので、当たり前かもしれませんが、暑がりの方はドア付近にいらっしゃるといいでしょう。ドア付近と車両の真ん中では、体感温度は変わると思います。

暑がりの人は「自衛策」を

電車はあらゆる年代や性別の人が利用する「公共交通機関」なため、電車内の環境をすべての人にとって快適なものにすることは至難の技。

暑がりであることを自覚している人は、電車に乗る前に上着を脱ぐ、もしくは電車のドア付近に居場所を確保する、といった自衛策をとるのが賢明といえそうです。

【取材協力】京急電鉄 総務部広報課 宮本幸彦さん

この記事を書いたユーザー

Spotlight編集部 このユーザーの他の記事を見る

Spotlight編集部の公式アカウントです。

権利侵害申告はこちら