えんとつ町は煙突だらけ。

そこかしこから煙があがり、頭の上はモックモク。

朝から晩まで、黒い煙でモックモク。

えんとつ町に住む人は、青い空を知りません。

輝く星を知りません。

ある日、黒い煙の中から心臓が落ちてきて、町の外れのゴミ山へ。

そこで脈打つ心臓に、ゴミがアレコレくっ付いて、ついに生まれたゴミ人間。

とっても汚いゴミ人間。

最新作『えんとつ町のプペル』が、絵本としては異例の14万部を超える大ヒット。

たくさんの仲間と、たくさんの時間をかけて作り上げた作品なので、本当に嬉しいです。

この作品を届ける為に、いろんな方が力を貸してくださいました。

最近、いろんな番組に出演させてもらっている理由も、それです。

感謝しかありません。

本当にありがとうございます。

『えんとつ町のプペル』は、企画段階から晒していたので、コアなファンの方は、すでにご存知だとは思うのですが、最近『えんとつ町のプペル』という作品を知った方からは、まだまだ知らないことばかり。

超分業制のことも、超分業制を実現させる為に解決しなければならない問題があったことも、その解決方法のことも。

すべてお話すると、本当に長くなってしまうので、それはまたの機会にするとして、今日は内容について触れたいと思います。

内容について、よく訊かれる質問は大きく二つ。

「『えんとつ町』って何なの?」と、「なんで主人公を『ゴミ人間』にしたの?」です。

この二つの質問にお答えしたいと思います。

まず、『えんとつ町』ですが、とにもかくにも朝から晩まで黒い煙でモックモクで、この町に住む人は、青い空を、輝く星を知りません。

『空』という概念がありません。

なので、黒い煙のその先を見ようとなどしません。

しかし、そんな町に生まれたゴミ人間と煙突掃除屋の少年だけは、黒い煙のその先を見ようとします。

「きっと何かがあるハズだ」と信じ、行動します。

町の人たちは、

「あるわけないじゃないか」

「イタイな、お前」

「空気を読めよ」

の大合唱。

勘の良い方なら、すでにお気づきかもしれませんが、つまり現代社会の縮図です。

夢を語れば笑われて、行動すれば邪魔される。

『えんとつ町』というのは、「現代社会の風刺画」とでも言いましょうか。

まぁ、そんな感じッス。

次に、主人公・プペルを、嫌われ者の『ゴミ人間』にした理由について。

一言で言うと、「夢を追いかける人は全員ゴミ人間」ということ。

99%の人達が大人になる過程で折り合いをつけて捨てて(ゴミとして)しまったものを持ち続けているからです。

99%の人達からすると、自分の捨てたモノが、まかり間違って輝き始めるとマズイんです。自分はもう捨てちゃったから。

だから、「俺も捨てたんだから、お前も捨てろよ」という力学が働いてしまう。

攻撃の対象となってしまうわけです。

実は、これ、すごく複雑な問題で、一見すると被害者はゴミ人間ですが、ゴミ人間はゴミ人間で、夢を諦めないその姿でもって、残り99%の人達に不安を与えてしまっています。

「あれ…もしかしたら、あれは捨てなかった方が良かったかも」という不安を。

この角度から見ると、間接的とはいえ、先に攻撃しているのは、ゴミ人間の方。

「被害者は99%の人達の方だ」と言えないこともないです。

出典 https://www.instagram.com

西野のInstagramより。

これもまた社会の縮図ですね。

今回は主人公目線で物語を切り取っていますが、僕達は「どっちが悪い」という単純な世界に生まれていなくて、すべての行動の裏側には、いつも《よくよく聞いてみると、理解できなくもない相手の事情》があるわけです。

しかし、まぁ、これも話すと長くなりますので、とりあえず、主人公のプペルを『ゴミ人間』にした理由は、そんなところッス。

絵本『えんとつ町のプペル』は、まず最初に2時間ほどの脚本を書いて、そこから文章を削って削って…どうしても削れない場合は、短く説明できるモノに置き換えて(たとえば、ゴミ人間)、最終的に絵本のサイズにしました。

一ページごとに、「実は、ここで描いているのはね…」というお話があります。

そんなお話も、また、どこかでできれば。

『えんとつ町』と『ゴミ人間』の理由。

一人でも多くの方に、このお話が届くと嬉しいです。

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絵本『えんとつ町のプペル』を、これからも宜しくお願い致します。

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