過去、ベビちゃんが、妊娠13週でお空に帰った体験があり、それからずっと待っていました。5年ぶりの、待ちに待った本格的な妊娠の兆候。生理予定日10日過ぎ(約妊娠5週半の時)に産婦人科へ行きました。

検診を受けた後、先生はしかめ面。言葉は淡々としていて、説明はこんな感じでした。

「影は見えるが、予定日からするととても小さく、育つかどうかは5割の確率。今の時期は赤ちゃんの持っている生命力に頼る以外無い。1週間後にまた来て欲しいが、それまでの間、安静にしていても、仕事をしていても、結果は変わらないと思う。自己判断で、納得のいく生活をしてください」

ショックで、私は待合室でボー然としていました。隣の席には、臨月近くの大きなお腹を抱えた妊婦さん達が、もうすぐ生まれる話をしています。

この頃、私は仕事が忙しく、毎日とても充実していました。

検診の次の日も4人のクライアントさんを抱えていたため、ボンヤリと「臨月まで育てるって凄い事だな~」と感じながら大きなお腹を眺めつつ、次の日の仕事のことを考え始めていました。そこに、彼女たちの言葉が飛び込んできました。

「この子、私が仕事を始めるとお腹を蹴って暴れるの。だから、“大丈夫だよ。あなたのこともちゃんと見ているよ~。でも、少しだけお母さんにも時間をちょうだいね”っ て伝えながら仕事してるのよ」

その時急に、13週流産した時も、同じように仕事に明け暮れていたことを思い出しました。上手に両立できる人はいいのですが、私の場合、1つの事に一生懸命になると他が見えなくなる性格です。

だから、仕事に必死になっている時は、全くお腹の子供の事を考える余裕が無いのだと気づきました。私のような一点集中型は、子育てと仕事の両立は無理かもしれないと感じました。

帰り道、職場に電話を入れてしばらく欠勤することを伝え、理由を話して平謝りしました。申し訳無い気持ちと、せっかく培かった信頼を無くした喪失感はありましたが、子供のことだけを考えられる安心感が嬉しかったです。

検診までの1週間、私は毎日お腹の子供に、ありとあらゆる事を話しかけました。

「丈夫に元気に大きくなるんだぞ」

「車の下に白ネコさんがいるね。赤い首輪を付けているからどこかで飼われているんだろうけど、どこのネコちゃんだろうね」

「今、スズメさんがベランダに飛んで来たよ」

「この音楽はゴミ収集車の音。今日は火曜日だからね」

そして検診の日がやってきました。先生はニコニコしながら言いました。

「この1週間でずいぶん大きく育っています。妊娠6週の平均値に入りましたよ。妊娠おめでとう」

この時期はこんな風に、胎児が急に大きくなることも珍しく無いそうです。でも、医学的には育つ理由、育たない理由は不明で、胎児の生命力ということ以外無いようです。

その後、色々ありつつも臨月を向かえ、41週で無事に我が子を出産できました。

私はお腹の子供に話しかけていた以外、特別なことは何もしていません。でも少しだけ「愛が人を育てる」と言われる理由が分かった気がしました。

著者:らんら
年齢:30代
子どもの年齢:2歳

アボカドを育てること、神秘的なもの、息子とワイワイが大好き。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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