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こちらの2人は、アメリカのフロリダで久しぶりの再会をはたしたデイビー・ベイリー(女性)さんと、イアン・マニュエル(男性)さん。

一見すると、ふたりの間には長年連れ添った夫婦のような仲の良い雰囲気がありますが、実は彼らの関係が始まるようになったきっかけは、我々の想像を超える“ある出来事”でした。

ふたりは「強盗」と「被害者」だった

その出来事は、1990年の7月にフロリダ州のタンパで起こりました。

いまから26年前の当時、デイビーさんは28歳。2人目の子供が生まれたデイビーさんのお祝いをするために友人と車で出かけた際、当時13歳のイアンさんが彼女のもとへ近づいてきたのです。

彼は停車中のデイビーさんの車に駆け寄ると、突然銃を発砲して彼女から現金を奪い逃走。彼の撃った銃弾は彼女の顔に直撃し、大怪我を負うことになりました。

彼のことを知り「憎むこと」より「許すこと」を選ぶ

この事件の数日後、イアンさんは別の事件で逮捕されます。そして、取り調べのなかでデイビーさんへの強盗を自白し、罪を償うことになりました。

一方デイビーさんは事件後、何年もかけて撃たれた下顎の手術を繰り返すなかで、痛みや事件の恐怖からくるトラウマに苦しんでいました。

そんななか、イアンさんは刑務所で過ごす2回目のクリスマスの日、コレクトコールでデイビーさんに電話をかけます。

彼は電話を通して、「デイビーさん、イアンです。あなたを撃ってしまって申し訳なく思っています」と謝罪の言葉を述べました。

彼女はこの思いがけない電話に驚くと同時に、受話器越しに聞こえる彼の震える声から、自身の犯した罪を心から反省している様子が感じ取れたと言います。

そして、この電話がきっかけとなり、ふたりは文通を始めるようになります。そこで交わされた手紙の数は50通以上にも及んだそうです。

こうしたやりとりを重ねていくなかで、デイビーさんは次第に彼の「真面目さ」や「知性」といった良い面に気がつき、彼を憎み続けることで「彼の人生を無駄にしてはいけない」と思いはじめるようになります。

そうして次第に彼に対する同情や共感といった気持ちも芽生え、徐々に彼を許していくようになり、最終的には「我々は、誰だって過ちを犯すもの。そして最善を尽くして生きている」と悟り、彼の犯した過ちを許したのです。

出典 YouTube

さらに彼女は、「WFLA.com」のインタビューで、真摯な姿勢で自分の犯した罪と向き合ってきた彼をこんな言葉で表現しています。

「彼は20年以上にわたり、檻の中で孤独を生き抜いてきました。彼は自分で自分を律し、素晴らしい男性として生まれ変わったわ」

刑期を終え、26年ぶりに自由の身となったイアンさん。

彼はデイビーさんと再会し、出所後初めての食事を一緒に楽しみ、冒頭で紹介している写真を撮ったそうです。

今回の再会についてデイビーさんは、「長年離れ離れだった息子との再会みたいだわ」と語っており、いまでは彼を家族のように受け入れています。

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