痴漢は男女の敵?!

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痴漢は「女性だけの敵」…ではなく「男女の敵」。そんなことを思い知らされる番組が話題となっています。

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NHKの「ねほりんぱほりん」という番組。この番組では、社会の突っ込みづらい問題に焦点を当てて、かわいい人形たちが番組を進めていきます。

そして今回ネットを中心に話題となっている「ねほりんぱほりん」のテーマは、「痴漢えん罪経験者」。痴漢をしていないにも関わらず、痴漢行為者として疑いをかけられるという「えん罪」の一種に苦しむ男性の実話です。

「痴漢えん罪経験者」は語る

今回放送された「ねほりんぱほりん」は、サイトで動画として視聴することも可能です。

痴漢えん罪経験者である「キヨシ」さんが、人形として登場し、彼の実際に経験した「えん罪」の辛さを語ります。

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やってもいない痴漢の疑いをかけられたキヨシさんは、まさにドラマに出てくるような薄暗い6畳ほどの取調室へ連れていかれ、サングラスにマスクの刑事によって尋問されたと言います。白熱灯のライトを付け、容疑者をビビらせる風貌と恐ろしい問い詰めバインダーを机にバンっと叩きつけて、「おまえがやったんだろ!」と、「はい」としか言いようのできない空気だったと言います。

※写真はイメージです。

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「痴漢はやっていない」と言っても聞き入れてもらえず、「おまえはどこの車両に乗ってたんだ?」と。「覚えていない」と言うと、「覚えていないのは、女の子を物色して車両を変えていたからだろ」とこじつけ。

しかし、そこが一番難しいところ。「痴漢はやっていない」「あぁ、そうですか」で終わりにしてしまうと、「本当の痴漢」を野放し状態にしてしまうこととなります。

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キヨシさんは拘置所で、「父親は何をしているのか」ということを自身の子どもに伝えるために、毎日手紙を書いていたといいます。番組のスタジオに実際の手紙を持ってきてくれたキヨシさん。子どもへ、一緒に行った思い出の場所の話や、自分が帰宅したらまた一緒に行こうなどと涙ながらにつづっています。

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拘置所で手紙を書くとき一番辛いのは、楽しかった過去の日々を思い出すこと。あの日あの時「痴漢」というえん罪をかけられていなければ、自分の人生の歯車はいまだ噛みあったまま。家族と一緒に今でも楽しい生活を送っていたに違いない。

夫が痴漢のえん罪をかけられたまでもが、人生を狂わされてしまいました。「もう死にたい」、夫婦は幼い子どもと共に死ぬ寸前の行為までいったと話しています。

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しかし、キヨシさんが思いとどまり生きていこうと決めたのは、やはり「子ども」の存在だったといいます。「犯罪者の子ども」にしてはいけない。裁判で闘おうと誓ったのです。

スタジオにはキヨシさんの長男も出演(人形として)。父親のことはいっさい恨んでいないと言っています。父の無罪を信じてきたのです。「やっていないこと」を「やっていない」と証明するのが非常に難しいということも、長男は理解していました。それでも向き合って闘い続けてきた父を尊敬しているそうです。

「やっていないこと」をしっかりと「やっていない」と主張し続けた父親は立派だったと長男は話します。そしてそれを支えてきた母親のことも素晴らしいと感じているようです。

痴漢は男女の敵

「痴漢被害」というと、たいてい被害者である女性の体験談が語られがち。もちろんやられた女性の心の傷は深いものです。絶対にあってはいけません。しかし、やってもいない痴漢行為をやったと疑われるえん罪で、人生を台無しにされてしまう男性の被害も多いのです。つまり「痴漢」は、「男女の敵」なのです。

こんな痴漢のえん罪もあります。

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27歳だったある中学校教諭は、たまたま乗った路線バス内で、痴漢と勘違いされて逮捕。被害者だという女性の証言しかなかったため、常識的に考慮しても無罪になりうるそのケースで、有罪となってしまいました。警察は彼に自白させるために、車載カメラに彼が写っていたと嘘をついて精神的に追い詰めていきました。

犯人と決まったわけでもないのに、拘置所では犯人扱いのパサパサの食事。えん罪の辛さを思い知らされ、毎日涙にくれたといいます。250万円の保釈金を支払って保釈された彼。
結局さまざまなバスのカメラ解析や携帯電話の記録などから、紆余曲折を経て、彼のリュックが被害者女性に振れたのを痴漢と勘違いされたとし無罪となりました。

精神的にひどく辛い状態に陥る「えん罪」。無罪判決を聞いて、「やった!よかった!」のひとことだったと言います。ただ、失われた時間は戻るわけではないのです。

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また、こんな「痴漢えん罪」もありました。

25歳の大学職員が電車にはねられる事故がありましたが、自殺とみられていました。彼は亡くなる前夜に、警察で「痴漢容疑」の取り調べを受けていたことが判明します。電車のホームですれ違った彼と女性。女性は彼にお腹を触られたと言い張り口論に。女性の友人たちも来て喧嘩に発展。彼は自身で警察に通報しました。

駆け付けた警察は、彼を暴行の被害者として調書をとるべく署へ。その時点で、彼の痴漢は「人違い」と判明しています。しかし、その後の警察の彼への待遇は「痴漢容疑者」
辛すぎる精神状態のまま、彼は自殺してしまいました。「人違い」が判明しているにも関わらず、その結果を聞かずに自殺にまで追い込んでしまった「えん罪」の酷さが伝わります。

痴漢被害者も辛いが、えん罪もかなり辛い…

痴漢の被害者女性にスポットが当たりがちですが、その陰では、やってもいない痴漢の疑いをかけられて闘い続ける男性も多くいることを知っておくべきでしょう。ネット上でもよく「痴漢えん罪」などのテーマで投稿が見られます。

男性は電車の中で、女性の体に当たっただけで痴漢を疑われる可能性もある。また、女性専用車両やレディースデーなど、女性のみを対象にした配慮やサービスは差別だと感じる人が一定数いるようだ。

出典 http://news.nicovideo.jp

※男女合計974人へ「男性差別だと感じるものは?」のアンケートで、「痴漢冤罪」と答えた人は23%にも及びました。(ニコニコニュース

もはや男性は「痴漢えん罪」を恐れて、自転車通勤にしないといけないのか…

「それでもボクはやってない」

出典 https://www.amazon.co.jp

日本の裁判制度問題点を浮き彫りにした、映画それでもボクはやってない。このストーリーのテーマは「痴漢えん罪」。映画「Shall We ダンス?」で名を知られるようになった周防正行監督が、3年もの年月をかけて取材した「裁判」について。

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このストーリーは、主人公の男性が、通勤ラッシュ時の電車内で、女子中学生から「痴漢をした」と訴えられてしまいます。身に覚えがない男性は、無実を証明すべく駅の事務室へ大人しく行ってしまいます。「やっていない」という主張もむなしく、結局警察へ連行留置所生活を送りながら、「痴漢えん罪」の無実を訴え闘う物語です。

※写真はイメージです。

日本の裁判の現状、無実であるにも関わらず「えん罪」と闘う男性。現代の日本の問題を真剣に考えたくなる映画です。見ている自分が主人公になった感覚になり、苦しさが手に取るように分かります。

「痴漢」の被害者にフォーカスが当たりがちの世の中で、こうした影の部分の現実を知るにはとてもいい映画でしょう。

「痴漢えん罪」を知る

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「痴漢」はもちろん最低の行為。しかし無実の罪で苦しみ続けないといけない「痴漢えん罪」は、今よりもっともっと公に考えていかなければならないでしょう。痴漢に関わらず、「やっていない」のに「やった」と言われる苦しさは、誰にでも分かるかと思います。「痴漢」という行為がある中には必ず、「痴漢えん罪」も存在しているということをよく知っておきたいものです。

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