約30年間にわたって進められてきた、ゆとり教育

これまでの”詰め込み型教育”から、”発想力を育てる教育、量よりも質を大切にした教育”に変換しようと、1970年代に提唱された「ゆとり教育」
それから数十年の時をかけて、徐々に授業数や指導内容の削減が図られてきました。

しかしその影響なのか、2003年に実施された国際学力調査では、理数系の学力が軒並み低下していることが明らかとなってしまいます。

そんなこともあり2008年頃から、これまでの方針を180度転換し、”脱ゆとり”に教育方針を切り替えた文科省。

先日発表された、2015年の国際学力調査の結果でも、前々回・前回より大幅に平均点が向上したことが明らかとなったことから、文科省は「脱ゆとり教育が功を奏した」との見方を強めていると報じられています。

筆記体は読めない、円周率は「3」で教わった ゆとり世代

1980年代から進められてきた「ゆとり教育」ですが、2002年からは学校が完全週休二日制になり、学習評価方法は相対評価から「絶対評価」に、さらに円周率も3.14ではなく「3」と教え、中学校の英語授業で筆記体が使われなくなるなど、教育内容の簡略化が本格化していきました。

特に世間で『ゆとり世代』として認知されているのは、これらの改定後に小・中学校入学を果たした、今の10代後半〜20代後半までの世代ではないでしょうか。

ちなみに、正真正銘の「ゆとり世代」である筆者自身、筆記体は習いませんでしたし、数学の先生が「君たちは”ゆとり”だから、この内容は覚える必要がありません」と教科書を飛ばしながら授業を行っていたことが記憶に残っています。

偏見や差別にも耐えたのに…。ゆとり世代の怒りが爆発

ゆとり世代以外の人たちからは「ろくに勉強もせず、遊び呆けていた」という印象を持たれてしまうことも多いゆとり世代。

政府の方針によって、否応なしに授業数を減らされ、指導内容を減らされてきたにもかかわらず、何かにつけて「ゆとり世代だから」と差別的な眼差しを向けられることも少なくありません。

現在放送中の大人気ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)の中でも、主役の河野悦子(演・石原さとみ)が、犬猿の仲である編集者の貝塚八郎(演・青木崇高)に ゆとり世代を罵しられるという、印象的なシーンがありました。

貝塚「お前、さては”ゆとり”だな?」

河野「ギリ”ゆとり”ですけど、何か?」

貝塚「先生、コイツはね、土日休んで塾に行くわけでもなく、日がな一日自分の好きな事ばーっかりやってたアホ学生の見本ですよ。」

河野「私たち”ゆとり”は国政の被害者です。」

出典「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(第一話・日本テレビ系)

差別的な目線で見られることの多い ゆとり世代を、”国政の被害者”と表現した悦子のセリフには、深く頷いたという人も多かったのではないでしょうか。

また、勝手にゆとり教育を導入しておいて、それが失敗だったとばかりに”脱ゆとり”を掲げ出した文科省の方針には、怒りを覚えるという声も多くあがっています。

自分たちでは選ぶことのできなかった環境を差別され続けたうえに、「失敗だった」と言わんばかりの文科省の態度に、不信感を覚えた ゆとり世代は少なくなかったことと思われます。

一方、ゆとり教育の功績と言われているもの

学力低下が現れてしまった為に、本格的な実施から20年足らずで”失敗だった”と結論づけれてしまった「ゆとり教育」。

しかし一方では、勉強以外の時間が増えたことを活かし、その才能を早くに開花させたとされる人たちが、この世代に多いのも事実です。

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若くして、世界のトップアスリートとして活躍する錦織圭選手(テニス)や、石川遼選手、松山英樹選手(ゴルフ)、浅田真央選手、羽生結弦選手(フィギュアスケート)らは、全員がゆとり世代。
これまでのアスリートとは一線を画す活躍を見せる彼らの才能を育んだのは、勉強だけに重きをおいた教育方針からの脱却が果たした功績だと言われていますよね。

また、椎木里佳さん(株式会社AMF代表取締役社長)や、Tehuさん(株式会社 TEAMBOX取締役)のように、高校生起業家として注目を集める人たちもまた、ゆとり世代に多いのも事実です。

出典 https://www.amazon.co.jp

学力低下が叫ばれる一方で、これまでの教育方法では埋もれてしまっていたであろう、若い才能たちが多く開花したことも、紛れもない事実と言えましょう。

”脱ゆとり”の先にあるものとは

ゆとり教育の本来の目的であった、子供の創造力を育むという点においては、ようやくその結果が現れ始めていたタイミングだっただけに、学力という指標だけで ゆとり教育を失敗と決めつけるやり方には、些か疑問を覚えずにはいられません。

果たして国は今後、”脱ゆとり”によって子供達に何を学ばせ、身につけさせ、どう羽ばたかせようとしているのでしょうか。

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