タトゥーを彫る意味

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人によってタトゥーへの考え方、またその価値、意味は異なります。アートだと言う人もいれば、アイデンティティーの象徴だという人も。

タトゥーが社会に一般化していない日本ではタトゥーを持つ人はまだまだ偏見にさらされていますが、欧米では「セミコロンタトゥー」など特別な意味を込めてタトゥーを彫る人も存在し、容易に自分が持つタトゥーへの思いを語るのは難しいという人もいます。

英ノーリッチ在住の若手タトゥーイスト、ポピー・セッガーさん(21歳)は、ダイナミックなデザインのタトゥーから、人気のディズニーキャラクターのタトゥーまで幅広いジャンルを持つ期待のアーティストです。

自身のボディーにも無数のタトゥーが

ポピーさんはInstagram「poppysmallhandstattoo」でこれまでの作品やセルフィーを投稿しています。一般の若手タトゥーイストにしてはフォロワー数が22,600と多く、彼女の作品のファンも多い様子。

ポピーさんは自身にも無数のタトゥーを彫っており、その姿をInstagramで公開。きっと一つ一つのタトゥーにはポピーさんにしかわからない深い意味があるのでしょう。

ダイナミックなフラワータトゥー

シンプルな山のタトゥー

花やディズニーアニメのキャラクター以外にも、サイケデリックなデザインの山のタトゥーや幾何学模様など、クライアントにとっては特別な作品を特別な場所に彫り続けるポピーさん。

体にインクを入れるタトゥーイストとインクを入れられるクライアントには「信頼関係」というのが大切。デザインや入れる場所などをクライアントとよく話し合っているとポピーさんは話しています。

ある日、そんなポピーさんの店に18歳の女性がやってきました。ポピーさんのInstagramを見て彼女の作品が好きだという理由と共に、その女性にはタトゥーをしようと決意した特別な理由がありました。

無数の自傷行為の傷を抱えていた

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その18歳の女性クライアントには初めて出会ったポピーさん。どんなデザインがいいかなどと話すうちに、込み入った内容へとシフト。そして女性はある部分をポピーさんに見せて「ここに彫ってもらえますか」と依頼。

ポピーさんがそこに見たのは、無数の自傷行為の傷跡でした。リディアと名乗る女性がこの傷跡を隠してほしいと依頼しているのだと気付いたポピーさんはさらに詳しく話をしました。

「タトゥーを上から掘っても、傷が見えてしまうこともあります。感情面でもその部分に触れるというのは過去に起こった出来事を思い出したりして、リディアにとってはなかなか辛いことだったに違いありません。」

大柄のフラワーを傷跡にあしらった

そしてよく話し合った結果、ポピーさんはリディアさんの傷跡を大柄の花で覆うことにしました。出来上がりの写真が右側。傷跡は消えてはいませんが、随分目立たなくなっています。このことをポピーさんは自身のInstagramに投稿し、このようなメッセージを綴りました。

「土曜日、私はリディアの新たな人生のチャプター(章)を始めることに成功しました。彼女はもう過去と闘う必要はないのです。その部分に触れることは心身的に辛かったことでしょう。でも私を信頼してくれてありがとう。あなたのような人のために役立ちたい、それが私がタトゥーイストになった理由なんです。あなたはとても素敵な人よ。どうか幸せになってね。そして自分に優しくしてあげてね。」

この投稿に多くの人が反応した

ポピーさんの、プライドと信念を持ったタトゥーイストとしての仕事の結果を見たフォロワーたちからは28,800の「いいね」が寄せられ、「美しい」「これを見た私まで幸せになった」「メッセージを読んで泣けた」などといった称賛の声が相次ぎました。

プロとして仕事をしてきたポピーさんでも、正直これだけの無数の自傷行為の傷跡を隠すことにはかなりナーバスになったそう。でも、完成したタトゥーを見たリディアさんがその美しさを絶賛し、「これでどんな服も着られる」と喜んだと言います。

「長い間、ずっとできなかったスイミングもしたいって言ってました。」クライアントに喜んでもらえて、新しい人生をスタートさせる手助けをしたポピーさんの喜びもまたひとしお。「多くの反響を得て、リディアのプライバシーを心配してしまったけれど、リディアは理解してくれたし、多くの人がサポートの声を寄せてくれたわ。」

「この仕事を一生続けていく」

今回、リディアさんと出会ったポピーさんは特別な気持ちになったそう。彼女の新しい人生がスタートを切ったと同時に、ポピーさんのキャリアもまた大きくステップアップできたことでしょう。

「私のタトゥーで誰かを救うことができるなら、続けていく価値があると思っています」というポピーさん。これからも多くの人をインスパイアして、リディアさんのような人たちに新たな人生を開くきっかけとなってほしいですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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