米ミシシッピ州のある場所で、去年から見かけるようになった高齢者の夫婦。その二人は路上で薪を売っていました。通り道によく目にしていたジェシカ・ピットマンさんは、今年になって妻の姿が見えないことに気付いたのです。

妻はがんでこの世を去り、治療の借金だけが残った…

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ジェシカさんはFacebookにこの老人のことを綴りました。

「ケネス・スミスさんという80歳のこの男性は、奥さんのヘレンさんとここで病院代のために薪を売っていました。でも今は1人です。ヘレンさんはがんに勝つことはできませんでした。治療費の借金だけが残ったケネスさんは、車が通るたびに薪を買ってもらおうと手を振っています。でも誰も止まろうとはしません。そんな姿を見て私は心が折れました。」

麦わら帽を胸に当て、追悼の意を示すケネスさん

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ある日、いつものようにジェシカさんがこの道を通った時、ちょうど葬儀の車が通りがかりました。するとケネスさんは被っていた麦わら帽子を胸に当て、死者へ追悼の意を寄せるような恰好をしたのです。

全く知らない人の死であっても、祈りを捧げるケネスさん。彼の心の中には失くした最愛の妻への思いと直面しなければならなかった死への悲しみが溢れているのでしょう。妻の死と、誰かの死を思わず重ね合わせてしまったのかも知れません。

「みなさん、どうか薪を買ってあげてください」

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ジェシカさんは、Facebookで一人でも多くの人にケネスさんから薪を買ってもらいたいと綴りました。この投稿は拡散し何千人という人がケネスさんの存在、事情を知りました。ところが、誰もケネスさんから薪を買おうとはしなかったのです。

その代わり、多くの人がケネスさんのために寄付を始めました。これはジェシカさんにとっても予想外のことだったようです。

寄付金サイトは、この投稿が拡散されたことを知ったケネスさんの息子レズリー・スミスさんの意思により設置され、多くの人々の温情が寄付金となって集められました。

寄付金額は10万ドル以上にも上った

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見知らぬ人の思いやりが集まって、ケネスさんの寄付金サイトにはこれまで101,799
ドル(約1140万円)ものお金が寄付されたそうです。寄付金サイト「GoFundMe」では最初、目標金額を3万5千ドル(約400万円)に設定しました。ところがわずか2日間でその目標額を上回る寄付が寄せられたそう。

「今でも妻はここにいるよ」

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「妻は、とても志が高い女性だったんだ。いつもワシのことを見下していたからね」と冗談を言うケネスさん。きっと長年連れ添った夫婦にしかわからない絶妙の掛け合いや雰囲気があったのでしょう。

それを失くしてしまった今、寂しい気持ちに変わりはないでしょうがケネスさんは「妻はいつもここにいるよ」と、亡くなった後もいつも自分に寄り添ってくれていると信じています。

多くの人のおかげで残された病院への多額の借金を払うことができるようになり、ケネスさんは改めて周りのサポート力に感謝しています。ジェシカさんの一言、そしてそのアクションがなければ、きっと成り立たなかったこと。

ケネスさんの一件のように、Facebookが生み出す奇跡や感動は「私たちが生きている社会は、決して悪くはないのだ」と教えてくれている気がしますね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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