今でも高校野球ファンの間で語り継がれる試合があります。それは第80回大会2回戦、東愛知代表・豊田大谷高校と山口県代表・宇部商業高校の試合です。

次の試合には松坂大輔率いる横浜高校と、杉内俊哉率いる鹿児島実業高校の試合が控えていたこともあり、ほぼ満員の甲子園球場。

9回裏、豊田大谷は2死から2対2の同点に追いつき、試合は延長へ。延長に入ってからは両校とも無得点が続き、迎えた延長15回裏。豊田大谷はヒットや敬遠で無死満塁、サヨナラ勝利のチャンスを迎えます。

カウント1ボール2ストライクから宇部商の2年生エース・藤田修平投手が211球目を投じようとセットポジションに入ろうとした瞬間でした。捕手のサインが変わったことに気付き、ボールを握っていた左手を無意識に腰に戻した藤田投手に、無情にも球審・林清一さんから「ボーク」が宣告されました。

その衝撃的なシーンはこちらの映像をご覧ください。

出典 YouTube

事態を飲み込めずに呆然とする藤田投手や、それを励ます仲間の姿が印象的です。

最後に、この衝撃的な試合を受けて、作詞家の故・阿久悠さんが当時のスポーツニッポン新聞に掲載していた「甲子園の詩」の中で藤田投手に贈った詩を紹介したいと思います。

背後から見ると、痛々しいほどに少年でした。

二百十球も投げたのですから、心打たれて当然です。

幕切れは、熱闘のフィナーレにしてはあっけないものでした。

君の表情が忘れられません。1998年夏を終わらせる君の哀しい表情。

藤田修平君、また来年あいましょう。

出典 http://z-architecture-atelier.blog.ocn.ne.jp

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