遺産230億円を村人80人に寄付したというニュース

11月24日に発信されたこのニュースは、世界中の人々に感動を与えていました。

貧しいスペインの村で生まれ育った男性が、メキシコに渡り妻の叔父が経営していたビール会社「Grupo Modelo」に倉庫番として仕事を見つけました。

その後会社のCEOとなった男性は、会社が作る「Corona Extra」そう、あの有名なビールを世界に知られるメキシコのビールブランドに育て上げたのでした。

男性の名はアントニオ・フェルナンデス(Antonino Fernández )さん。今年8月に98才で亡くなりました。そのフェルナンデスさんが、残した遺産のうち「約230億円を生まれ育った故郷の村人80人に寄付した」というのが、もともとのニュースでした。

出典 http://www.dailymail.co.uk

24日に一番最初にリリースされた記事。その後イギリスのメディア、The Sun,The Telegraph, Independent Online、Time magazine や BBC’s Todayでも取り上げられていました。

現在The Telegraphから該当記事は削除されています。

出典 http://time.com

TIME

「一夜にして村人全員が億万長者になった!」というニュースはセンセーショナルで、イギリスを中心に世界中のメディアが取り上げ、多くの人々が記事を読みました。

フェルナンデスさんの故郷を忘れないという想いに、多くの人々が感動。

コロナのCEOが村人に2万ポンドも寄付したらしい。晴れた金曜日、心温まるお話ですね。

素晴らしい話だ!

今日一番の幸せな話だ。貧しいスペインの村人全員がどうやって億万長者になったか。。。(以下記事のリンク)

デタラメなニュース

しかし、この話は残念ながら嘘のニュースだった、正確に言うと正しい報道ではなかったということが発覚しました。

出典 http://www.independent.ie

当初は”遺産を村人に残した”という上記の記事が、同じリンクをクリックすると現在は、”残していなかった”に変わっています。

スペインのメディア「The Local」によると確かにフェルナンデスさんは、故郷Cerezales del Condado村に多額の遺産を残していました。しかし、それは村人一人一人にではありません。2008年には、村のカルチャーセンターを建設し、その費用はフェルナンデスさんが多大に寄与していたことは間違いありません。また村の活性化にも大きな役割を果たしていました。

生まれ育った村を一生忘れることはなく、最後まで感謝をしていたというフェルナンデスさんには、子どもは無く、遺産は13人の兄弟の親族に残されたそうです。誰がいくら受け取ったかなどは、プライベートな問題なので明かされていません。親族の家は、Cerezales del Condado村に何軒か残っていますが、そこを家族が訪れるのは夏の間くらいだそうです。

感動的な話は、皆が待ち望んでいること。しかし、それが本当のことでなければ、人の心を傷つけることになります。その報道が正しいか間違っているか、本物か偽物か、確かに見分ける判断力を、ネット社会の今我々は身につけなくてはいけません。

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公式プラチナライター。テキサス州在住。料理研究家でフリーランスのコラムニスト

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