記事提供:LITALICO 発達ナビ

聴覚言語(耳で聞く言葉)の認知が弱く、何度も同じ言葉を聞きかえしたり、間違った言葉を覚えてしまう息子。どうすれば本人も家族もストレスを減らし、正しい言葉を覚えることができるのでしょうか…。

聞いて理解することが苦手な息子は言い間違いも多い。しかし見て理解する力は高く…

自閉症スペクトラムとADHDの診断を受けている息子は、耳から入ってくる言葉(聴覚言語)の認知が弱いため、何度口頭で説明しても正確な言葉や意味、その内容を理解するのに時間がかかります。

マクドナルドをポテトナルドと言ったり、ファミリーマートをチキンマートと言ったり、聞いていてクスッと笑えるような言い間違いは息子のチャームポイントでもありますが、幼児期を脱すると困ることがたくさん出てくると思います。

例えば…、

・話を聞いていても、内容がよく理解できない
・内容が理解できないから、話をするのが面倒になる
・言い間違いを指摘されるのが嫌で、話さなくなる
・思っていることを相手にきちんと伝えられない

などなど、実際起こるかどうかは別として、たくさんの弊害が考えられます。

一方で、視覚優位(目で見る情報の認知が強い)な息子は幼いころから目で見る言葉に興味があり、早くから文字を読むことができました。6歳になった今では、小学校3年生レベルの漢字を簡単に読むことができます。

せっかく言葉が好きなのに、聴覚言語の認知が弱いせいで、それを使いこなせなくなるのはもったいないな…。

どうすれば、耳から入った言葉をきちんと認識することができるのでしょうか。

聞いて理解する力を伸ばしたい!解決策は突然訪れた

そう悩んでいた矢先、ひょんなことから息子にぴったり合った方法が見つかりました。

それは、子ども向けの映画をみんなで観ていた時のことです。

息子「ママ、あの字が下に出てくるやつ、出せないの?」

「えっと、英語で映画を観るときに日本語が出てくるやつ?」

息子「そうそう!あれを出してほしいの!」

「あれは字幕っていうんだけど、日本語で見てるのに出すの?」

息子「うん!あれ(字幕)があると何て言ってるか僕にもわかりやすいんだよ!」

なるほど!目から鱗というか、どうしてそこに考えが及ばなかったのか!と目の覚める思いでした。

字幕ってスゴい!息子は自分で理解しやすい方法を知っていたようです

息子は耳から入ってくる言葉を理解するのは難しいですが、目から入ってくる文字を理解するのは得意なのです。それならば、英語で観るときに限らず常に字幕を出しておけば、息子は正確な情報を手にすることができます。

そうして、今まで何回も観た映画や録画していたテレビ番組を、字幕付きで見直す日々が続きました。すると…

「○○って言ってると思ってたけど、●●って言ってたんだ!」
「△△って、こんな字を書くんだね!知らなかった!」
「ああ、ここは悲しんでいたんだ。わかってなかったよ!」

そんな感想を言いながら、息子は今までぼんやりと入っていた情報を、きちんと頭の中で整理しているように見えました。

今では、全ての番組を字幕付きで表示しています。字幕を付けてから、テレビを見ている際の「今なんて言ったの?」「誰が喋ったの?」という息子の質問攻撃はぴたりと治まりました。

中には字幕のつかない番組もありますが、子ども向けにはきちんとルビを打った字幕がついていることが多いです。

この機能は、ひらがな・カタカナがスムーズに読めるようになった、聞いて理解するのが苦手なお子さんには、とてもよいサポートアイテムになるのではないかと思います。

テレビのメーカーによって字幕の表示方法は異なると思いますが、チャレンジしてみたい方は、一度ご自宅のテレビのリモコンや取扱説明書を確認してみてくださいね。

字幕をつけてから言葉への興味がいっそう深まった

字幕をつけるようになってからおよそ2週間。息子に少しずつ変化が表れました。今まであまりなかったことですが、言葉についての質問がどんどん増えてきたのです。

息子「ママ、『空想』ってどういう意味?」

「どんな字を書くか知ってる?」

息子「うん、お空に想うって書いてあった」

「そう。こんな字だったよね!」と、実際に紙に字を書きながら説明します。

「これはね、本当は起こっていないことを、頭の中の広い場所で考えることだよ。お姉ちゃんとごっこ遊びしてる時に、よく『これは嘘だけど、僕はお父さんで、会社から今帰ってきたところね~!』とか言ってるでしょ?あれも空想だよ。頭の中で考えた空想の世界を、お姉ちゃんと一緒にわけあって遊んでるってことなんだよ」

息子「へえ!そうだったんだ!じゃあママ、『もたれる』ってどういうこと?」

「それはね、自分じゃない何かに寄りかかることだよ」

息子「寄りかかる?」

「そう。例えばこんな風に、今ママは壁に背中をつけてるでしょ?これは自分で立ってるんじゃなくて、壁に『もたれて』立ってるの。どこにも体がついていなければ『もたれてない』、体のどこかが壁にくっついていれば『もたれている』っていう事なんだよ」

息子「へぇ~!初めて知った」

「これはどう?」(壁に体をつける)

息子「もたれてる!」

「じゃあ、これは?」(壁から体を離す)

息子「わかった!もたれてない!」

こんな風に、1つひとつの言葉を丁寧に知りたがるようになりました。今まではその瞬間に「どういう意味だろう?」と思っていても、はっきりとした言葉として息子の頭に残っていなかったので、質問することもなく通り過ぎていたのでしょう。

目で文字を見ることによって、自分の知らない言葉が何であるのかがはっきりとし、頭の中に文字が残ることにより、後からでも質問ができるようになったのです。

言葉を理解する方法はいろいろ。迷ったら子どもの得意な方法で!

これから先、学校の授業など耳からの情報だけで何かを処理しなければならない場面が、たくさん訪れることでしょう。それでも、耳から入ってくる言葉をあらかじめ知っているか知らないかによって、理解度は大幅に変わってくると思います。

なるべく正確な言葉と意味を、息子の得意な方法で蓄積していくこと。これが、私と息子の新たな目標となりました。

ADHDの息子は集中力が短く、絵本を渡すと絵に興味を奪われて高速でページをめくってしまうので、正確な言葉を覚えるには適していません。

いろいろ試した結果、息子に向いているのは展開が早く、文字情報が記載されているドラえもんなどの学習漫画と、映像に字幕がついているものが合っているようです。

興味のあるテレビ番組や漫画で、しっかりと言葉を覚えてることができれば、やらされている感もなく、長く続けられそうな気がします。正確な言葉を知ることは、きっと子どもの自信にも繋がると思います。

耳から入る情報に弱いお子さんにもぜひ1度、テレビの字幕や簡単なマンガなどを試してみてくださいね。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス