記事提供:日刊SPA!

「臨死体験」――誰もが一度は耳にしたことがある言葉だろう。本書『臨死体験で明かされる宇宙の「遺言」』は彗星捜索家の木内鶴彦氏が、自身の三度の臨死体験で会得した知識をまとめたものである。

木内氏はアマチュア天文家として、新しい彗星や小惑星を次々と発見している、天文界では世界的に知られた存在である。しかし彼にはもうひとつの顔がある。“死亡状態”から生き返った臨死体験者としての顔である。

木内氏の希有な体験は立花隆氏による克明なインタビューとして、立花氏の著書『証言・臨死体験』(文春文庫)にも紹介されているほどだ。今回、木内氏は満を持して、新刊を発表。

「臨死体験で自分が受け取った切なるメッセージを、いまこそ伝えるべきときと痛感している」と語る木内氏の新刊とはどんな内容なのだろうか。

冒頭は木内氏の3度の臨死体験の描写から始まっている。彼自身、自分が経験するまではこうした非科学的な世界には関心がなかったようだ。

子どもの頃の夢は宇宙飛行士になること。昔から理科や化学、数学といった科目が好きだったという彼は、典型的な理系人間である。

黙々と計算をしたり、仮説を立てて一つひとつ検証していくのが大好きだったというそんな男が、自分に起きた不可思議な「臨死体験」を受け止めることができずに、しばらく人に口外しなかったというのも、わかる気がする。

しかし理詰めで考えれば考えるほど、「臨死状態」で自分に起きたさまざまな事象は、単なる脳が見た夢、脳の錯覚とは考えられなくなるのである。

興味深いのは、「臨死体験」には「第一次臨死体験」と「第二次臨死体験」があると主張している点である。

著者によると、「第一次臨死体験」とは脳が低酸素状態におちいったときに脳が混乱して見る夢ではないか、ということだ。

よくいわれているように光のトンネルが見えたり、お花畑を歩いているのは、「第一次臨死体験」だというのである。「第二次臨死体験」はそのあとやってくる。

〈その後、完全に心肺停止状態となり、呼吸も止まって、脳も機能しなくなった状態が「死」と認定されます。その状態になってもなおさまざまな体験をし、その記憶を持って生き返る人がいます。これが「第二次臨死体験」です〉

木内氏はまさに死亡診断書を書かれて、正式に「死亡」と認定された人物である。

そんな人間はごくわずかしかいないだろうから、その彼がまさに「死んでいるとき」経験した「臨死体験」はいわゆる「臨死体験」とはまったく別次元の特異なものと思ったほうがいいだろう。

「第二次臨死体験」で注目すべきは、鮮明な意識を持ったまま、意識が肉体と分離することである。さらに意識だけの存在になると、時間と空間を超えて移動できるらしい。

著者である木内氏は過去に戻って、幼年時代の不思議な体験の謎を解明したり、中年になった自分が講演をしているありさまをビジュアルとして鮮明に見たりする。

のちにその講演会は「臨死体験」で見たものと寸分違わぬ状況で、再現されることになるのだが、ほかにも、著者が間違いなく過去、あるいは未来に行ったという証拠がいくつかあげられていて、それを検証していく過程は鳥肌ものである。

著者は全部で3度も「臨死体験」をしているのだが、そのたびに生き返ってしまう。その理由について彼はこう考えるようになる。

〈私が三度も臨死状態を体験した(させられた?)のは、もしかしたら私が経験したことを広く世間に伝えよ、という意味ではないのか〉

そして世界各地で起こっている天変地異や悲惨な戦争は、宇宙からのメッセージではないかと思い至るのである。

本書は著者が「臨死状態」になり、意識だけの存在になったとき経験したさまざまな事象について語られている。宇宙の始まり、地球の誕生、人類が生まれた意味、生命の進化、そして著者が見た破滅的な未来と平和な未来。

果たして我々はどこに向かっていくのか。地球の未来はどうなるのか。

理想的な社会や産業のあり方とはまで、深く掘り下げた内容は、今を生きる我々にも十分な示唆を与えてくれる。

理系人間のあくまでも論理的な目線で記された本書は、今はやりのスピリチュアルな書物とは一線を画す興味深い内容に富んだ1冊である。

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