3組に1組もの夫婦が離婚している時代。あなたの周りにも、シングルマザー、シングルファザーとして子育てを頑張る方がいらっしゃるのではないでしょうか。

本人しかわからない事情でシングルになっただけで、「子供を責任持って育てる」という意味では親は皆同じ。しかし、シングル親へ向けられる偏見の目は、今なおあり続けるのも事実です。

「男でも作って別れたんでしょ」と偏見の目に晒されるシングルマザー

転勤の多いご主人と言い争いが増え、結婚7年目でシングルマザーになったというMさん。毎月少ないけれど養育費をもらい、2人の娘さんを育てながら事務員として働いています。

「娘達が通う幼稚園で、シングルマザーだということが広まってからは、影口を叩かれるようになりました。朝の通園バスを利用しているのですが、バスを待っている間に同じ園のママたちから、イヤミを言われますよ。『シングルだから貧乏なんでしょ』とか…。確かに貧乏だから、なにも言い返せないですけどね」

寂しそうに微笑みながら、淡々と話すMさん。お金に関したイヤミは慣れっこだし、さほど傷つかなくなったといいます。しかし、さすがに許せない内容の陰口もあるそうで…。

「一部のママさんから、『どっかに男でも作って別れたんでしょ』と言われているのを聞いて、ショックを受けました。なんでそんなことまで言われなきゃいけないのか…と、娘達を寝かせた夜に1人泣いたこともあります。シングルマザーの周囲は敵ばかりなのかと悲しくなりますね」

離婚の原因は、本人しかわからない事情があることでしょう。死別してしまった方、価値観の違いから離婚を選んだ方、金銭トラブル、そして異性関係…離婚の原因はそれぞれ。人の家庭の事情を勝手に面白おかしく茶化すのは、タチが悪いですよね。

娘同士は仲がいいのに、挨拶をしてくれない日々が続いた

それでも、家事に育児、仕事と忙しく過ごしていた毎日だったとMさんは話しを続けます。

「たくさんお友達を作っているようで、娘2人とも幼稚園に行くのが楽しみになっています。それがなによりの救いだと思って喜んでいたのですが、気になることがひとつ。上の娘が一番仲良くしている子のママに、いつも挨拶を返してもらえないんですよ」

いつもお世話になっています、と言い添えて「おはようございます」と挨拶をしても、素知らぬ顔をされるといいます。無視されるのは、いつものこと。そのママさんが仲良くしているグループは噂好きなママが集まっているそうで、「シングルだから…」と陰で色々言っているのは知っていたとMさんは言います。

「大人の間で好き勝手に話しを膨らませて楽しんでいるのは放っておけば良いですが、子供の前でも無視をするという態度はどうかと思いました。腹ただしいような、悔しいような。子供がそれを見て、アレ?って不思議そうな顔をしていましたから」

仲の良いお友達のママさんから、自分のママが無視をされていたら…Mさんの娘さんは「どうしてお返事もらえていないんだろう」と気になってしまうことでしょう。

だからといって、直接「返事してよ!」とも言えずにモヤモヤした日々が続いたといいます。

挨拶してくれない幼稚園ママを諭したのは…

そんなある日、親子でのバス遠足がありました。行先は、バスで小一時間走った先にある科学館。お菓子を持って水筒を持って、気合いを入れて作ったお弁当を持って…Mさんと娘さん2人は登園しました。

大型バスが何台も並ぶなか、Mさん親子は例の親子と鉢合わせになりました。いつものように「おはようございます」と挨拶をしたMさん。しかし、やはりいつものように返事はかえってきませんでした。すると、無視をするママの娘さんが一言

「ママ、『おはよう』って言われてるよ!」

ママのワンピースの裾をツンツン引っ張りながら、返事をしないママに娘さんが注意したというのです。娘からの指摘に、さすがにママも恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にして

「…おはようございます」

と返してきたんだとか。挨拶を返したママを見て、その娘さんもニッコリ。

「もうーママったら。恥ずかしがりやさんなんだから」

Mさんの娘さんも、それを聞いてニッコリ。そのやりとりを見て、大人と子供の価値観の違いを再確認したといいます。

「大人って、本当にくだらない理由で恥ずかしい行動をしてしまうことがありますね。それを正してくれるのって、大体は仲の良い友達とか親とか、ご夫婦で過ごしている家庭ならご主人とかだと思うんですけど…。自分の子から指摘されたら、もう恥ずかしくて仕方ないですよね」

もしかしたら、無視をしてきたママの娘さんは“なにかしらの大人の事情”に勘付いていたのかもしれません。

お子さんの洞察力と素直さに、筆者は心打たれました。そんな筆者もシングルマザー。確かに多くの偏見に晒されます。でも一つだけ言えること…それは、シングルでもシングルではなくても、苦労もするし我慢もしながら精一杯子供との毎日を過ごしているということです。

「娘にはいつでも誇れる真っ直ぐな母でありたい」

Mさんは力強くおっしゃいました。

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Spotlight編集部 コンテンツハートKIE このユーザーの他の記事を見る

代表を務めるのは元船舶料理士、フリーライターとして活動し6年目になるKIE。仕事、育児、家庭、家事…”なにも諦めない生き方”の実現を目指し、やる気に溢れたママさん達とライター集団を結成。心にそっと寄り添う、日常に彩りを添える記事の執筆を目指し活動しています。

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