記事提供:日刊SPA!

当時、“冷徹なる虎”として名を馳せた南原氏

13年ほど前、起業志願者が事業計画をプレゼンし、それを“虎”と呼ばれる社長たちが自腹で出資するかを判断するという、当時画期的なシステムが人気を博した投資バラエティ番組『マネーの虎』(日本テレビ)。

同番組において、志願者のプランの甘さを厳しく指摘する姿から「冷徹なる虎」としておそれられたのが南原竜樹氏だ。

南原氏といえば、番組内で同じく“虎”の1人である、なんでんかんでんの川原ひろし社長との、お互いの言動を時に真っ向から否定しあうかけあいでも人気を博した。

「なんでんかんでん(の川原社長)は目立ちたがり屋で、テレビにとにかく映りたがってたんですよ。けど彼ひとりが番組内で好き勝手に騒いでもスベッていたし、放送では全部カットされていた(笑)。そこであるとき僕が『あなたスベッてるよ』といじってみたら、制作サイドがおもしろがってその部分が放送されたんです。それから、僕もおもしろいし彼もテレビに映れるしということで、あのかけあいが始まったんですよ。“虎”時代の僕の冷徹なキャラも、ある程度作っていた部分はありますね」

当時のやりとりやキャラクターにある程度計算があった一方で、番組のキモであった“出資”については一切ヤラセなしの自腹だったんだとか。

「出資金どころか出演料もないし交通費すら出ない、完全なノーギャラだったんですよ。番組の打ち上げのときなんて、事前にスタッフから『ゲームをやるので1人20万円相当の景品を持ってきてくれ』と言われたので、番組側も豪華な景品を用意しているのかと思ったら、彼らは何も持ってきてないんですよ。まあ当時僕らもお金に困っていたわけじゃないし、会社の宣伝にはなっていましたけどね。特にあのラーメン屋は(笑)」

そんな太っ腹な虎たちだが、南原氏自身がそうであるように番組終了後に、その多くが倒産など転落していったという。彼らとはいまでも付き合いはあるのだろうか。

「仲が良いのはソフト・オン・デマンドの高橋がなり、なんでんかんでんの川原ひろし。あとは“外食の虎”安田久、モノリスの岩井良明、首里城前でりゅうそう茶屋をやっている尾崎友俐、それとラヴ(現、商業藝術)の元代表の貞廣一鑑かな。貞廣さんは成功を続けていて、飲食店などを80店舗くらい経営しているみたいですね。付き合いがあるのはそのくらいで、他はいま何をしているのかわかりませんね。あ、そういえば3~4年前にある“虎”から電話がかかってきましたね」

電話の内容は南原氏に助けを求めるものだったという。

「彼の会社が破綻する前後くらいだったと思うんですが、『俺の銀行口座が差し押さえられたから何とかしてくれ』という頼みでした。ひとまず事情を聞き、結果的にちょうど僕はいろいろコネがあったんで、手を回して差し押さえを解除してもらいました」

虎時代のつながりならではの美談かと思いきや、話はそこで終わらない。

「差し押さえの解除について報酬は要求しなかったけど、彼の状況や性格から同じようなことがこの先も起こりうるだろうと思った。だから『僕を顧問にしておけば今後も何かと役に立つかもよ?』と持ちかけたんだけど、『なんでお前を顧問にしないといかんのだ』と言われて電話を切られましたね。ところが、その3ヶ月後に『また差し押さえられた。何とかしてくれ』と性懲りもなく電話をしてきた。今度は『そうか』と優しく言って電話を切りましたね。その後どうしたかは想像に任せます(笑)」

改めて虎時代、そして虎同士のやりとりを振り返ってくれた南原氏だが、現在もYouTubeにて『帰ってきた元マネーの虎たち』を配信しているという。

「『マネーの虎』や『しくじり先生』(テレビ朝日)や『SPA!』の取材もそうですが、メディア出演が僕の唯一の趣味なんですよ。それに久しぶりに若者の話を聞きたいというのもあった。だから、なんでんかんでん(の川原社長)たちに声をかけて始めたんだけど、これまた大赤字で。会社から怒られたんで、いまは僕の個人資産でやっています。“虎”絡みはなかなかうまくいかないですね(笑)」

メディア出演は趣味と言い切る南原氏。週刊SPA!11/22号ではさらに、年商100億をたたきだす“虎”から負債100億への転落と、再起について語っている。

【南原竜樹】

'60年生まれ。LUFTホールディングス代表取締役。大学在学中に高級外車の並行輸入を起業し年商100億円を達成し、テレビ番組『マネーの虎』(日本テレビ)では「冷徹なる虎」として人気を集めた。番組終了後には、取引先の破綻により負債100億を負って一時転落するも、多角経営に乗り出して見事再起した。著書に『借金100億円からの脱出 地獄の危機を乗り越える逆転発想経営術』(河出書房新社)

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