正念場となったサッカーW杯最終予選、サウジアラビア戦に勝利した日本

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11月15日に行われたサッカーW杯アジア最終予選の第5戦、日本はグループ首位を走る強敵・サウジアラビアと対戦。

対戦前時点で日本はグループ4位、ホームで勝利以外は絶対に許されない、まさに正念場の一戦。日本は食い下がるサウジアラビアに粘り勝ち、2位に浮上しました。

最終予選で4試合連続ゴール!世代交代の到来を感じさせた25歳の新鋭、原口元気

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これまで日本代表の攻撃の要を担ってきたのは、本田圭佑選手(ACミラン・30歳)、香川真司選手(ボルシア・ドルトムント・27歳)、岡崎慎司選手(レスター・30歳)らですが、そこに割って入ってきたのは25歳の新鋭・原口元気選手(ヘルタ・ベルリン・25歳)。ここ最近の彼の活躍ぶりは、群を抜いています。

この日、原口選手は歴代初となるアジア最終予選での4試合連続得点という快挙を達成。まさに世代交代の到来を感じさせた活躍ぶりですが、彼に記録を抜かれるまで、最終予選での3試合連続得点という記録を保持していたのが、キング・カズこと三浦知良選手です。(※以下“カズさん”と表記)

自身の記録を塗り替えた若き才能に対し、コメントを求められたカズさんは…

カズさん「素晴らしい!どうやったら上手くなるか教えて」

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カズさんの第一声は「素晴らしい!」という原口選手への称賛でした。さらに海外リーグを拠点に活躍する、いわゆる“欧州組”との交流を目的としたオフシーズン中の恒例イベント「カズ会」(カズさん主催の食事会)に原口選手を招待したいと伝え、「ぜひ来てもらって、どうやったらサッカーが上手くなるか教えてもらいたいね」と笑顔で話したのです。

普通なら「正直悔しい」などの言葉が出そうなものですが、出てきたのは「上手くなる方法を教えて欲しい」というとても謙虚なもの。自分も原口選手に負けていられない、というポジティブな捉え方が、とてもカズさんらしくて素敵だと思いました。

24歳も年下の原口選手に対しても、決して上から物を言うような発言になることなく、強いリスペクトが伝わります。こういったプロ意識、柔軟性、人柄が、父と息子ほど年齢の離れた若手選手たちからも尊敬を集める理由なのでしょう。

そんなカズさん&若手選手たちの触れ合いエピソード

出典 http://www.soccer-king.jp

ヨーロッパを主戦場とする日本人選手たちを激励するために、11年にスタートしたカズさん主催の食事会、通称「カズ会」

出席メンバーが豪華すぎるゆえ、別名「カズJAPAN」とも言われており、カズさんを慕い、会に参加したいと願う若手は年々増えている模様。ちなみに上記写真は、12年度の出席者。1度の食事会のためだけにこれだけの顔ぶれが集まる、カズさんがどれだけ若手選手たちから慕われ、尊敬されているのかが伺い知れますね。

カズ会に参加したメンバーのコメントやエピソードなどは、これまでにも多くのメディアでも取り上げられていますが、筆者がとくに好きな内容をピックアップして紹介します。

「いつまでも僕たちのヒーロー。まだまだ頑張ろうって気持ちになる」

今年のカズ会に出席した長友佑都選手。カズさんは開口一番、流行語にもなった「アモーレ」で出迎えてくれたそうです。

ちなみにカズさんは長友選手がプレーするセリエAに、94~95年シーズンにプレーしていたイタリアの大先輩。そんなカズさんは以前からプライベートの場で「アモーレ」をよく口にしていたそうで、記者に長友選手の恋愛報道に訊かれた際には「僕の方が先に使ってたんだけどね。越されちゃった。(平愛梨さんとの真剣交際を)祝福したいね。でも先にアモーレを使ってたのは僕だから(笑)」

ほんの少しだけ?悔しさを覗かせつつもユーモアに富んだ祝福の言葉。こうした何気ないコメントひとつとっても、さすがのキング節。

カズさんとの交流を経て「まだまだ頑張ろう」と大いに刺激を受けた長友選手。やはりエネルギーに満ちあふれている人の言葉や行動って伝播しますよね。

「どこに行っても“香川真司らしく”…」

香川選手は自身のinstagramに「僕の憧れであったカズさんとの食事会!」というコメントと共に2ショット写真を掲載。

カズさんと香川選手の親交は深く、13年にプレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドに移籍したものの、思うような活躍ができずに古巣のドルトムントに戻ることが決まった際、香川選手は「また挑戦者としてやって行きます」とカズさんに連絡。

するとカズさんは「どこに行っても“香川真司らしく”頑張ってください。またドイツに行く理由ができました」と返信し、香川選手のブンデスリーガ復帰試合を見るために即座に渡独する準備を固めたそうです。

プロである以上、出場機会を求めて移籍することは、決して逃げでも負けでもありません。それは成長を求めてのステップアップです。しかし、香川選手としてもやはり後ろ髪引かれる思い、悔しい気持ちは当然あったでしょう。

“香川真司らしく”と尊敬する大先輩からのエールが、どれだけ彼の救いになったかは想像に難くありません。

「“キングカズ”っていう種類。は虫類、ほ乳類、キングカズ、みたいな」

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内田篤人さん「カズさんは、僕ら年下に対しても敬語なんです。常に低姿勢で。男から見ても、女の人から見ても、若い人から見ても、おじさん・おばさんから見ても、かっこいい。なんか、そういう感じですよ。

『キングカズ』っていう種類。は虫類、ほ乳類、キングカズ、みたいな。あと、みんなカズさんの横に座りたいんで、だれかがトイレ行ったりすると、そのイスにすっと座ったり…」

出典『ジャンクSPORTS』2015年3月21日放送回参照

カズ会の初期メンバーである内田篤人選手は、以前『ジャンクSPORTS』(フジテレビ)に出演された際、カズさんについてこんなコメントを残しています。

彼らしい独特な表現で、カズさんのお話をされる内田選手。その瞳は、あこがれのヒーローについて喜々として語る少年のようにキラキラとしていました。

「こちらが本当に恐縮してしまうぐらいでした」

出典 http://ameblo.jp

吉田麻也さん「僕たちは予定の時間より結構早くお店に入ったつもりだったんですけど、既にカズさんが先にいらして。相当前に入っていたみたいで、むしろ僕たちを迎えてくれたんですよ。そういうところから、もう演出家ですよね。

僕たちにもすごく腰が低くて、常に敬語を使っていました。先日カズさんがイギリスにいらっしゃったみたいですが、その時にメールをいただいた時も『サウサンプトンにうかがえず、すみませんでした』と書いてあって。こちらが本当に恐縮してしまうぐらいでした」

出典 http://www.soccer-king.jp

入りは若手よりも早く、相手を気持ちよく迎え入れる演出もさすが。メールの内容も吉田さんが恐縮するのも分かるほどに丁寧な文章です。仕事の取引先相手ならともかく、自分より目下の方に対しても、ここまで配慮が行き届くなんて…

そして、吉田選手は自身のブログでカズ会に参加した写真をアップし、「ちゃっかり抜け駆けして2ショットいただきました」とコメント。先述の内田さんもそうでしたが、やはりカズさんの隣の席はみんなが狙っているようです(笑)

「いまだ自分のプレーに納得していないのだと思う」

出典 http://ameblo.jp

長谷部誠さん「カズさんはビシッとしたスーツ姿で現れた。西麻布のレストランで、もちろん、すべてカズさんのセッティング。エネルギーに満ちあふれていて、17歳の年の差なんてまったく感じなかった。

カズさんがキングたる所以は、メニュー選びのときに感じさせられた。野菜をたっぷり注文し、炭水化物はほとんど頼まない。試合の前はエネルギー源となる炭水化物を摂った方がいいけれど、普段は余計な脂肪がついてしまうからだ。やっぱりキングは違うと驚かされた。当然、デザートも食べない。

カズさんはみんなでご飯を食べていても、自分が決めていた時刻になったら、「じゃあ、明日練習だから」と言って帰っていく。まわりに流されず、長居はしない。やはり長く現役を続けている選手には理由があると思った。

まだまだ成長できる手ごたえがあり、そして、いまだ自分のプレーに納得していないのだと思う」

出典長谷部誠さん著書『心を整える』(幻冬舎)より参照。※一部抜粋

こちらは長谷部選手が初めてカズさんと一緒に食事をしたときのことについて、自身の著書で言及していた内容です。

この日、あこがれのカズさんを前にした長谷部選手はとんでもなく緊張していたそうです。しかし、尊敬する人を前にしてモジモジしてたら勿体ないと思い、矢継ぎ早に質問したり、その当時海外移籍を考えていたこともあり、胸のうちを素直に話されたそうです。

ピークはとうに過ぎた40代、なのにサッカーのために日々を生き、費やす。これほどまでに自分に厳しく、管理を徹底できる“真のプロフェッショナル”を前にして、長谷部選手や若手選手たちが影響、刺激を受けないはずがありませんよね…

息子ほどに年齢の離れた若手相手に、敬語で低姿勢を貫く理由は…

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「カズ会」の参加費については、本人主催の食事会ということから費用は全額カズさん持ちとのことですが、「みんなボクの5倍ぐらい稼いでますけど、今までの貯金で僕が上回ってますから」とニヤリ。キングの余裕の微笑みとたたずまい、最高に格好いい。

親子ほど年齢の離れた若手選手たちに対して、常に敬語であることについて問われた際、「(後輩たちからは)敬語はやめてくださいって言われるんですけど、僕が『おい!』って感じで強く言えないだけですよ」と照れながら答えていらっしゃいました。

24歳年下の原口選手に「上手くなる方法を教えてほしい」と素直に言えるのも、カズさんからすれば同じサッカー選手である以上、リスペクトする気持ちに年功序列などないということ。

ゆえに常に敬語、低姿勢で若手に歩み寄ることも、彼からすれはごく当り前のやり方。キングカズの流儀なのです。

“背番号11” その背中は、いつまでも追いかけられる対象

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カズさんみたいになりたくてサッカーを始めた全国の少年少女たちも、やがてはユニフォーム、スパイクを脱いでいくのに、彼はいまも現役最年長Jリーガーとしてピッチを駆け抜けている。

現役の日本代表にして、世界のトップリーグで活躍する若手選手たちは、能力、実績、評価、収入面では既にカズさんを超えているといえます。なのに少年だった頃と変わらずに、彼らはいつまでも“背番号11”の背中を追いかけています。

…だって、その背中はあまりにも大きくて、あまりにも格好いい。ヒーローは“超えるもの”じゃなくて、“あこがれるもの”なのだから。

若い選手たちから尊敬され、いつまでも目標の対象とされるのは、積み重ねた実績や能力だけに非ず、若い世代へ対するリスペクトと真摯な歩み寄りもあってこそ。

私たちも見習うべきところが沢山あるのではないでしょうか。

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