知られざるママの実態や本音を紹介するコーナー「ママのホント。」

日本には、親にとって「子はかすがい」という言葉があります。これは“夫婦仲が悪かったとしても、子どもへの愛情によって、夫婦の縁を切らずにいられること”をさします。しかし、それだけで夫婦がずっと仲良くいられるわけではありません。

今年7月に『NEWS23』(TBS系)のキャスターに復帰したフリーアナウンサー・雨宮塔子さん。1990年代後半に、TBSの看板アナウンサーの一人として活躍し、17年ぶりに古巣に戻ってくることが報道されると、大衆からひどいバッシングを受けました。一体なぜなのでしょうか?

雨宮塔子さんがバッシングされた理由

彼女は復帰にあたって、TBS退社後にフランスでもうけた2人の子どもを現地に残し、離婚した元夫に託していました。その行動に対して、「自分の都合で親権を手放すとは、なにごとだ」という批判が集中したのです。

最初にこの件を報じた雑誌記事は、元夫の再婚相手目線で綴られており、「子どもを2人も押し付けておいて、自分は好きな仕事をするなんて身勝手な女性だ」と雨宮さんを悪者扱いしています。

しかし、実情は当初の報道とは異なるものだった

その後、他媒体に掲載された雨宮さん本人のインタビュー記事によると、実情は当初の報道とはまるで異なるものだったのです…。

新たな記事によると、TBSからのオファーに即答しかねていた雨宮さんの背中を押してくれたのは、12歳になる娘さんでした。キャスター復帰のため、帰国すべきか否か迷う母親に向かって、こう伝えたのだそうです。

「ママ、この仕事は諦めちゃダメだよ」

出典 http://www.fujinkoron.jp

さらに、娘さんは「パリでの暮らしを捨てたくない。私たちはできることならパパのもとで暮らしたい」と自分の意見をはっきりと述べたのだとか。そして、元夫が子どもたちの気持ちに応えたことから、雨宮さんの決意が固まることとなるわけです。

このように経緯を知ると、ただ世間のバッシングを見聞きしているだけでは知り得ない、親子の実情が見えてきます。

子どもに対する親権を父母の双方が持つ「共同親権」

もしこれが、たくましく生きていく親子を描くフランス映画のワンシーンなら、「フランス人女性ってかっこいい!」と、憧れのまなざしを送る人もいるかもしれません。しかし、日本人となると、手放しで称賛はしかねるという人が多いよう。

日本では「母子が離れて生きる」という選択肢をよしとしない空気があることを、きっとみなさんは肌身で感じているはず。テレビで芸能人夫婦の離婚が報じられても、親権の権利を勝ち取るのは、ほぼ母親。父親が親権を得ることがあっても、「母親が子どもを手放すだなんて…」といった非難の目で見られがちなため、今回雨宮さんは肩身の狭い思いをすることになったのです。

日本では、離婚後に父母のどちらかが親権を持つことになりますが、これは先進国において非常に珍しいケースなのです。

実際、南北アメリカ大陸諸国、ヨーロッパ諸国のほぼすべて、そしてオセアニア両国、中国、韓国では、離婚後の「共同親権」が認められています。

共同親権とは、子どもに対する親権を父母の双方が持つこと。2人の親を持つことは子どもの権利であり、親同士の婚姻関係が終了していようとも、子どもにとってはどちらも親であるべきだという考えのもと生まれた権利です。

多くの先進国では、日本の「単独親権」とは異なる、この共同親権を採用しています。

雨宮さんが住んでいたフランスの場合も、同様に共同親権が認められています。そのため離婚した後であっても、両方の親が親権を行使することができます。

特に、「子供と一緒に生活をしない方の親と子どもとの関係」はより重視されるともいわれており、離婚後も子どもとの親子関係を尊重しなければなりません。

そう考えると、フランスで暮らしていた雨宮さんがとった行動は、物理的に子どもと距離が生まれたとしても、この共同親権の考え方を基に、子どもの意見を尊重しているといえるのかもしれません。

アメリカは「夫婦関係重視」、日本は「親子関係重視」

また他国を引き合いに出すと、アメリカは「夫婦関係を重視」日本は「親子関係を重視」と分類されるようです。このような家族関係のあり方が、共同親権という考え方にも影響を与えているのかもしれません。

そして、こうした考えの違いから、国際結婚が破たんした末、相手の了承なしに子連れで帰国する日本人妻は多いといいます。しかし、そのような行為は相手国の法律においては違法であるケースも多く、国際的にも批判が高まっているようです。

現実に向き合い、しっかりと家族で思いを伝え合うことで、ひとつの答えを出した雨宮さん。日本とフランスでは法律は違うとはいえ、他国の考え方や生き方を参考にすることで見えてくることも多いでしょう。

ライター/松本玲子

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