記事提供:messy

乃木坂46 橋本奈々未 公式ブログより。

11月13日に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ系)に、南海キャンディーズの山里亮太が出演。アイドルの引退をめぐり他出演者と議論を展開した。

番組では“ももち”こと嗣永桃子が、幼児教育の道に進むために芸能界を引退するというニュースを取り上げた。ここで山里は、ももちは常々教育者への道を目指していることを公言していたことを説明し、応援する姿勢を示していた。

しかしアイドルの引退そのものに関しては複雑なファン心理があり、「辛いことが理由で(アイドルを)辞めてほしくない」「最近のアイドルで“お金が貯まったから辞める”とか。そんなに辛かったんだっていうことを後で知る辛さ」と、最近引退宣言をした乃木坂46・橋本奈々未を匂わせるコメント。

これを受けて山里と同じような心境だったアイドルファンたちがネット上で思いを吐露しはじめている。

橋本は生活苦から、家族を支えるためにアイドルになったことを明かし、現在は弟が大学を卒業できるまでの目途が立ったことや、母親から「今までごめんね。無理しないで好きなことをしてください」と手紙をもらったことで、アイドルを引退するという決意に至っている。

多くのメディアがこの話を美談として取り上げたが、「どれだけ頑張っても売れないアイドル」が腐るほどいる中で、スターポジションを手にした橋本の引退を惜しむ声もあった。

お金のために「無理をして」「やりたくないアイドル業を」渋々やっていた、と受け止め、ショックを受けるファンも多かったようだ。

ネットでは「橋本のせいでアイドルに変なイメージついちゃったね」「これ美談でもなんでもない。最後にファンをどん底に突き落としてる」「お金のためにアイドルとかふざけてる」といった批判がかわされ、『ワイドナ』放送後、過熱している。

しかし橋本の引退はある意味、「人間宣言」だ。アイドルという特別な職業に就く女性が、実態も人格もあるひとりの人間だという、当たり前のことではないだろうか。

テレビの世界、あるいは広いコンサート会場の舞台でしか会えなかった昔のアイドルと違い、最近のアイドルは握手や会話の機会があるうえ、ブログ等でオフショットや自らのメッセージを発信、ファンからのメッセージへの返信までする。

楽屋にまでカメラが入り、オンオフの境がなく四六時中アイドルらしい振る舞いを要求される。その結果、アイドルとの距離があたかも近くなったかのように錯覚してしまうファンが増加していないだろうか。

クソの役にも立たないアドバイスを送ったり、暴言を吐いたりして、本当は遠い存在(=よその女性)であるアイドルの記憶にとどまりたいという心理もあるのかもしれない。

代表的なエピソードで言えば、乃木坂46・星野みなみが握手会で「強みないのに(乃木坂に)いれてラッキーだね。初期からいたから、推されてるからいるんだよ」と暴言を向けられたというエピソード。

星野がこれを泣きながらテレビで話したことで、ファンの暴走が表に出たが、このほかにも乃木坂では、衛藤美彩が握手会で“つり”を要求されたため、頑張って応えようとしたら「つまんねー」と言われて泣く、松村沙友里が「あんまりひどいこと言われると心折れます」とファンに訴えるなど、ひどい事例はたくさんあるようだ。

AKB48グループ全体やその他のアイドルグループを含めれば数え切れないほどだろう。

ファンは彼女たちの指導者でもパトロンでもなく消費者なのだが、まさに「お客様は神様」精神で、お金を出してサポートしてやっているといった感覚が肥大化しているようにも見える。

こんな現状を憂いたのか、今年9月、乃木坂46公式ブログで川後陽菜がアイドルとの距離感についてこんな持論を述べていた。

自らもアイドル好きであった川後は、アイドルとは偶像という意味の言葉であることを説明し「アイドル(偶像)を好きだと応援(崇拝)するのならば、そのアイドルに対して、敬い尊ぶことを絶対忘れちゃいけないとおもう」と、まずアイドルの応援のあり方を説き、

「尊いものを自分と同じ位置に置くのは違う」「自分とアイドルの基本的距離感を自分の都合、想像で超えていくのは、両者に危険を伴う」「色んな面で期待しすぎると『こんなことする様な子じゃない』と固定概念をぶっこわされ勝手に絶望感と怒りをもってしまう」と、アイドルを勝手に近く感じることの危険さを綴っていた。

今回の橋本の引退に話を戻せば、「ファンのため」ではなく「お金のため」の仕事をしていたことに、侮辱されたかのような憤りを覚えるのはファン心理としてあるだろうが、偶像に理想を投影しすぎるがあまり「辛く」なってしまうのならば本末転倒。

ファンができるのはあくまでアイドルの“応援”のみだということを肝に銘じてほしい。他人の人生の舵を切ったり、針路方向を変えることまでできると信じてしまうのは間違いだ。

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