記事提供:CIRCL

「植物には知性があるか?」という古くからの論争に、結論が出たかもしれない。古代ギリシャのアリストテレスは植物を低レベルな生物だと考えたが、最近の科学者たちは植物には知性のようなものがあると考えている

今まで分からなかったのは、植物が人とは違う種類の知性を持つためだ。人が、人とは違う植物の知性を理解できていなかったのだ。植物たちは、見て、聞いて、匂いを嗅ぎ、触れて、伝達し合い、戦い、そして記憶すらも持つ。

科学者たちが見つけた植物の世界は、驚くほど知性に満ちている。身近なのに知られざる、植物たちの世界をご紹介しよう。

動物とは違う知性が植物にはある

従来の知性の定義に当てはめて考えると、植物には脳がないし、知性などあるわけがないということになるだろう。しかし、植物の世界を見ていくと、知性があるとしか思えないような意図した行動をしているのだ。

植物はそれぞれが感覚を持ち、コミュニケーションを取り合う。危険な相手におびえたり、危険をさけるよう仲間にも知らせようとする、植物がそんな世界に生きていることが徐々に分かってきた。

植物に脳はない?脳のような機能は根の先端にある

イタリアの植物神経生物学者ステファノ・マンクソー教授によると、ヒトの脳のような機能は植物の根の先端にあるという。

ヒトの脳にあるニューロンに類似した伝達機能があり、根でネットワークを作っている。また化学物質を通じて他の植物とコミュニケーションもとる(※1)。

脳に当たる機能が根の先端にあるのは、かなり合理的な進化の結果なのかもしれない。たとえ根が90%失われても、生き残ることができるというメリットがあるからだ。

世界の研究者が見つけた、知られざる植物の知性

・植物は虫に食べられているのを感じている。

アメリカのミズーリ大学の研究者の研究では、シロイヌナズナは、葉の一部を毛虫などに食べられているときに食べられているのを感じており、食べている昆虫の種類を音や唾液で見分けていることが分かった。

そして昆虫に合わせて、嫌いな匂いなどを出して防御しようとするようだ(※2)。

・木は記憶とリスク判断力を持つ。

ドイツの共同研究チームは、メギの木は寄生虫に寄生される恐れを感じたときは、種を付けるのを止めることで、寄生虫から自分を守っていることを発見した。

これは寄生虫が危ないという記憶を持ち、状況を把握して、リスクを予測して予防しようという意思がある証拠だという(※3)。

・隣の植物の音を聞いて育つ。

西オーストラリア大学の進化生態学者モニカ・ガリアーノ氏は、植物は隣に生えている植物の音を聞いていることを確認した。

研究したトウガラシの若木は、隣に生えている植物の種類を植物細胞の音響振動で判断していた。ハーブなどの防虫効果のある植物の隣では、安心したようにすくすくと成長し、成長を阻害する植物が隣に生えているときも認識できているようだ(※4)。

仲間を助けつながり合う植物

ドイツの森林管理者のペーター・ヴォールレーベン氏は、400年前のブナの切り株が生きているのを見つけた。最近の研究によると、木は根を通して弱っている同種類の仲間に栄養を送り、助けることがあると分かっている。

また、木は土の中の真菌で光ファイバーのようなネットワークを張り巡らせており、木々は昆虫や干ばつなどの危険を知らせ合ってもいる。

このように、植物は人間が考えているよりも、ずっと高度で複雑な生き物のようだ。こうなると植物は、いったい人間のことをどう感じているのかが、知りたくなってしまう。

植物を育てるのがうまい人は、植物に話しかける人も多いという。すでに植物とのコミュニケーションに成功しているのだろうか。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス