映画『何者』も大ヒット上映中!朝井リョウの新作は…

いま、学生からお年寄りまで、最も幅広い読者層から新作を待たれている作家といえば、27歳の直木賞作家・朝井リョウ氏の名前が上がるのではないでしょうか。

高校生活におけるスクールカーストの実態を描いた『桐島、部活やめるってよ』など、彼は、20代の作家として、同世代をリアルに切り取ってきました。

そして直木賞受賞作品である『何者』を原作にした映画が10月15日に公開。本作は公開2日目にして動員13万1000人、興収1億8200万円を記録したそう。何者にもなれない就活生たちの葛藤と、SNSを通してあぶり出される人間関係が話題となり、普段映画を観ない方まで、感想が多くTwitterにアップされています。

彼の作品には、“誰もが気がついているけれど、口にしない事実”がキチンと描かれおり、思わず自分の意見を発信したくなるような、人を動かす魅力があるのです。

今回、そんな朝井リョウ氏がオリジナルエッセイを書き下ろしました。テーマは多くの人にとって遠い存在になりがちな「介護」と「年金」です。まずは「介護」の内容を一部抜粋してご紹介します。

介護とは家の中の「おばあちゃんち」を素敵な場所にすること

「お小遣いがほしい、おやつを食べたい、久しぶりに集まったイトコたちと二階にある埃っぽい部屋で遊びたい――私にとって「おばあちゃんち」は、そんないくつかの夢をいっぺんに叶えてくれる場所だった。」

そんなモノローグからはじまる、介護にまつわるエッセイ。

子どもの頃は、長期休みになる度に、普段はできないことができる“夢が叶う場所”としておばあちゃんちに行くことを楽しみにしていた人も多いと思います。

体調が悪化し、幼き朝井リョウ少年と一緒に住むこととなるおばあちゃん。「おばあちゃんち」に行くことで叶えられた“美味しいおやつを作ってもらえる”などの夢の代わりに、家の中に「おばあちゃんち」ができたことで、自分の小説を“誰かに読んでもらいたい”という夢が叶ったそう。

朝井リョウ氏は大人になっておばあちゃんが自宅にいたことが、「介護」であったとはじめて気がついたそうです。深刻さを感じさせず、夢を叶える場所である「おばあちゃんち」を家の中に作ってくれた親への感謝の気持ちを執筆後のコメントで綴っています。

「両てのひらに溢れていた自由を一つずつ、自分以外の誰かや何かに差し出し」将来は豊かになっていく

「生きていくこととはきっと、両てのひらに溢れていた自由を一つずつ、自分以外の誰かや何かに差し出し、無限にある選択肢を一つずつ減らしていくことなのだと思う。」

朝井リョウ氏は“食べたい食事のメニューが決められない時”は自由な時であると語ります。

多くの食事は、次の日の予定や一緒に食べる人の好みなど、様々な条件によって選択肢が狭まっているからです。同様に、結婚資金のために買いたい物を我慢することや、家族のために同僚と飲むのを我慢して早く帰ることなど、“目の前の自由を差し出すことで生まれる価値”について描いています。

現在の自分よりも大切にしたい人やものに出会い、いま手にしている自由や選択肢を差し出す。朝井リョウ氏は、自分にもいつか訪れるその瞬間がとても楽しみだと綴り、そしてそのいつかのために、今からできることを考えはじめたそうです。

あなたにとって「介護」や「年金」はどういうものなのか

「20代の私にとってはどうしても今の自分からは距離があるように思えていました。ですが、いざ原稿に向かってみるとどれもこれまで日常で触れてきたテーマだということに気づかされました。」

朝井リョウ氏にとって、「介護」とは“将来の自分や、まだ見ぬ自分の子どもにとって、家の中に設けるであろう「おばあちゃんち」を素敵な場所にすること”であり「年金」とは“今の自由(お金)を差し出すことで、将来の自分と大切にしたいことを守るためのもの”でした。

朝井リョウ氏のエッセイには“大人として当たり前に生活する中で気がついたこと”として「介護」や「年金」という事柄が、描かれているのです。エッセイが新聞に公開日される11月11日は「介護の日」。

まだまだ自分には先の話と思っている人も多いかもしれませんが、この機会に、自分や自分の大事な人をずっと大切にするために、必要な「介護」と「年金」について、少し立ち止まって考えてみてはいかがでしょう。

そして、気になる朝井リョウ氏のオリジナルエッセイ全文は、現在公開中のJA共済 介護・年金特設サイトで読むことができます。ぜひ、チェックしてみてください。

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