受信料に対する憲法判断はどうなる?

契約していない取引きに、支払い義務は無い…普通に考えれば、ごく普通の考え方であり、常識。しかし常識が通じない世界があるという。NHKとの受信契約がそれだ。

「放送法に基づきNHKからの申し込みが届いた時点で自動的に契約が成立し、支払い義務が生じる」とNHKは言う。

確かに放送法には<テレビ受像機を設置したものはNHKと契約義務が生じる>とある。だが罰則が無かったため、様々な契約拒否、支払い拒否事例が発生していた。

いまNHKは、契約に応じない事業所や世帯を次々に訴えているのだ。その訴訟数221件に上り、ついに行くところまで行く裁判が行われようとしている。

「放送法は契約の自由を制限し、憲法に反する」と主張する都内の男性と争っているケースだ。1、2審は「公共の福祉に適合する」として、放送法の規定を合憲と判断。

判決確定時点で契約成立として、男性に21万円の支払い(注1)を命じたが、双方が上告。上告審で、最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は審理を大法廷に回付した。

大法廷とは、法令が憲法に適合しているか(初めて)判断する場合などに開かれる(注2)。つまり放送法が規定する受信契約義務について、初めて憲法判断(注3)が下されるため、注目を集めている。

これまで地裁や高裁での判決で放送法を違憲とした判断は無く、NHK有利が囁かれるが…。

■NHKの異常な金銭感覚

しかし受信契約の義務化、受信料の税金化が進めば進むほど、NHKは厳しい目にさらされるだろう。なかば強制的に徴収するならば、使われ方が問われるのは当然だからだ。

そこで問題になるのが、NHKの異常としか言いようの無い金銭感覚。筆者も含めて再三、指摘する声が上がったのが次の二点。

<職員の異常な高待遇>

平均1185万円。手厚い福利厚生や退職手当も算入すれば1700万円超という驚愕の金額となる試算(注4)があり、国会でも追及されたほど。

<超高額な新社屋建設費>

国民的非難を浴びたザハ案の新国立競技場の建設費が約2500億円。NHKの新社屋は、それを遥かに上回る3400億円が予算化されている。

これは東京スカイツリー(総工費650億円)を5本も建てられる金額であり、民放各局の最近の社屋建設費とも、比べものにならないほど高額となる。

現在のNHK受信料支払い率は77%前後。ほぼ取れるところから取れている数字であり、このうえ裁判までして受信契約を迫るとは、どれだけ守銭奴なんだ!と言いたくなる。

もちろん、裁判費用だって受信料で賄われているのだ。

そういえば少し前に、NHKのニュースが火をつけた<貧困女子高生問題>をご記憶だろうか?貧困を訴える女子高生が出演したが、それが偽装ではないかと疑われて、大騒動になった件だ。

その真偽は置くとしても——。貴族のような待遇を満喫しているNHKが、大げさに貧困を憂いて見せつつ、そんな家庭からも受信料は強制的に取る。

このブラックユーモアを、どう憲法判断されるか注視したい。

(注1)21万円の支払い…支払い義務は、受信機の設置時期にさかのぼって生じるという判断。

(注2)大法廷…最高裁の全裁判官15人によって審理される。

(注3)憲法判断…どの時点で契約成立し、支払い義務が発生するかも初めて判断する見通し。

(注4)試算…2012年度。小田桐誠著『NHKはなぜ金持ちなのか?』に拠る。

著者プロフィール

コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。

本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中“ダスティ”ねぃ

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