アメリカを拠点に活動しているアーティスト、ハンター・フランクスさんはサンフランシスコの地下鉄に乗った時に、全ての乗客がスマホを見ていることに気付いたのだそう。

サンフランシスコのベイエリア高速鉄道は通称「BART」と呼ばれ、住民にとって便利な足であるには違いないのですが、いつも混雑していて遅く、しかも汚いというイメージを誰もが持っています。

でも、人々が隣の人や周りを見向きもせずに、スマホに視線を集中させ一人の世界に閉じこもっている姿を見たハンターさんは「もしこの公共機関を面白いものにしてみたらどうだろう」と考え付きました。

いい意味で人の邪魔をし、予想もしていなかった楽しい時間を生み出すというハンターさんのプロジェクト「Creative Interventions」は「介入を生み出す」ことを目的としたもの。つまり、ちょっとした邪魔する何かをそこに存在させることで、私たちの意識をほんの少しでも周りに向けることができ、変わりない日常生活がちょっぴりハッピーになるというわけです。

駅構内の券売機の前にあるのは…

私たちの意識への介入ということで、ハンターさんはこんな風にちょっと笑える試みをしています。券売機は当然切符を購入するためのもの。でも、そこに「ケン ケン パー」をして行くようになっていたら…。

購入者は驚きながらもなんだかちょっと楽しくなるのではないでしょうか。写真のこの人は、果たしてケンケンパーをしたのでしょうか。

「夕焼けにご注意を」

こんな看板が目の前に出たら夕焼けを見ずにはいられないですよね。ただ黙々と歩くよりも、少しの意識改革で目の前の景色も広がり、自分を取り巻く環境も変わってくるのではないかとハンターさんは伝えています。

ハンターさんのこのプロジェクトには、私たちが多忙な生活の中で、つい忘れそうになってしまいがちな「生きることを楽しむこと」というメッセージが込められている気がします。

「前に美しい景色が広がりますよ」

こういう看板見つけるとなんだか嬉しくなってしまいます。誰かがそこに立てたということを想像すると、その人の目的や人となりなんかも想像してしまったり。今の私たちに必要なのは、スマホだけを見る目ではなく社会との繋がりを意識する目ではないでしょうか。

社会でのコミュニケーションは大切

街の中にいきなり設置された「Fear Doctor」。心に不安を抱えていて誰にも話さない人が今の世の中どれほど多いことでしょう。でも、ふと誰かに聞いてもらいたくなる時ってありませんか?そんな時にこういうスタンドがあったら…あなたも「話してみようかな」という気になるかも知れません。

BARTにもブランコを設置

ハンターさんは「BARTの運営局に許可なんか取っていません。したかったからした、それだけです」と強気です。ところがこのブランコが地下鉄内に設置されると、最初は戸惑いながらも実際にこんなふうに乗ってみる人も出たりして。

笑わない地下鉄で笑う人が増えた

スマホにしか目線を投げかけていなかった乗客が、ブランコに乗り楽しそうにこぎ、しかも知らない人と話までするようになりました。ちょっとした意識改革で、普段の重くて退屈な通勤時間もハッピーになることができるというのは決して悪くはないこと。

私たちはテクノロジーの進化のおかげで、SNSを通して誰かと出会ったり、助けられたりとネットの世界でのコミュニケーションは昔に比べて何倍も増えたことでしょう。しかしその一方で、人と直接触れ合うということがどんどん減ってしまっているのではないかとハンターさんは話します。

人との繋がりはスマホやPCのネット内だけではなく、自分の今隣に座っている乗客からも生まれるものなのだとブランコを通して伝えているハンターさんの意識改革のプロジェクトは、「#noBARTwithoutART(アート無しではBARTではない)」というハッシュタグと共に世間に呼びかけられています。

あなたの周りにあるものにも目を向けてみよう

Licensed by gettyimages ®

ハンターさんのプロジェクトを通して、目の前にあるものだけじゃなく私たちの周りにあるものに目を向けてみようという意識を持つことで、偏見や差別などの意識もまた変わって来るのではないでしょうか。

誰かに邪魔されてみて初めて気付く心の余裕。そういうものが、現代の私たちには最も必要とされているのかもしれません。

*記事掲載に関してはハンターさんの許可を得ています

出典 YouTube

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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