長年連れ添った夫婦というのは、その絆はまるでいぶし銀のようになり、まさに「あうん」の呼吸で互いの存在を認識し合うのではないでしょうか。40年、50年と一緒にいる時間が長ければ長いほど、穏やかでゆったりとした波長の合う夫婦関係を築くというのは理想的ですよね。

「病める時も健やかなる時も死が二人を分かつまで…」この言葉にはとてつもない重さがあり、これから夫婦として築き上げていく人生の深さを象徴しています。誓いの言葉として口にする時、この意味を十分噛みしめている人はどれほどいるでしょうか。

他人同士が夫婦となり、いろんなことを乗り越え人生を共に最後まで歩んでいくということは果てのない旅のよう。筆者は結婚11年目を迎えましたが、正直20年後、30年後の夫婦の姿というのはまだ想像がつきません。

言葉数が少なくなっても、気持ちは常に通じ合っている…そんな夫婦になることができるのかどうかわかりませんが、今回ご紹介する一組の夫婦はまさに「以心伝心」だった様子。感動の出来事というのは、何年たっても話題になるものです。この投稿も今から1年前なのですが、未だに話題を呼んでいます。

あるライターの祖父母のストーリー

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海外サイトのライター Cliff Sims(クリフ・シムズ)さんが、去年他界した祖母のメモを公開し話題になりました。

シムズさんによると、祖母のビリーさんはちょっとしたことでもすぐメモする習慣があったそう。それを知っていた夫のジミーさんは、愛する妻が亡くなってから妻の財布に折りたたまれて入っていたメモを見つけた時、「ビリーが、また忘れないように何かを書き留めておいたんだな」ぐらいに思いました。そして手に取って見てみると…

それは、ビリーさんからジミーさんへの最後のラブレターだった

出典 https://www.facebook.com

「私がいなくなったからって、どうか泣かないで!
私が生きていた時のことを思い出して笑顔になって!
今、私は幸せな場所にいるんだってこと、あなた知っているでしょう?
また、私たちはここで会えるわよ!
天国で待っているわね」

ジミーさんは、思ってもいなかった妻の最後のラブレターに驚き、そのメッセージを読んで涙が溢れました。

一足先にビリーさんが逝くまで、ジミーさんは病院でビリーさんの側を1日も離れませんでした。83歳でこの世を去ったビリーさんは数年間認知症を患っており、長年の友人の顔も認識できないことがあったそうです。記憶が過去や現在へと行ったり来たりする認知症患者のケアは、本人よりも周りの家族がとても大変です。

リハビリを兼ねた施設に入院していたビリーさんを、夫ジミーさんは毎日欠かさず訪ねていたそう。孫であるシムズさんは「祖父は60年間、これまでしてきたことを最後までしていたよ。祖母を愛しケアするということをね」と海外サイト「yellowhammer」に綴っています。

孤独に陥るだろう夫を励ますために

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「あうん」の呼吸で過ごしてきた60年間の夫婦生活。ビリーさんは、自分が先に旅立つことを予期していたのでしょう。そして認知症を患いながらも、愛する夫への思いが明確な時にこのラブレターを綴ったのです。

これはビリーさんが、「自分が逝くと夫がきっと寂しがるだろう」というジミーさんへの気持ちを完全に理解していたからこその思いやりといえるのではないでしょうか。

このラブレターがジミーさんの悲しみを和らげた

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「私が死んだことよりも生きていた時に一緒に過ごした、楽しかった日々を思い出して笑顔になって」と綴ったビリーさんの言葉に、ジミーさんは悲しみが癒されていくように感じたそうです。

最後の最後まで夫を思い遣った妻。そしてその妻は、亡くなった後でも愛する夫を慰め癒す存在だったのです。これがきっと60年間人生を共に過ごしてきた夫婦の理想とすべき在り方なのでしょう。

イギリスに住む筆者は、頻繁に老夫婦カップルが仲良く手を繋いで買い物したり、散歩をしたりしている姿を目にします。

筆者の知り合いにも結婚60年目という男性がいますが、結婚を長続きさせて長生きする秘訣は「よく笑うこと」「常に人生を改善する姿勢を持つこと」なんだそう。余談ですが、その男性は好奇心旺盛で90歳になってもやりたいことにどんどんチャレンジするタイプ。現在フランス語のレッスンを受けているというぐらいです。

きっと夫婦が互いに違う趣味を持っていても、常に前向きに生きることが健康でハッピーになる秘訣なのではないでしょうか。そしてそれが自分の、そして夫婦の宝物となっているのではないかと思います。

愛する妻の亡き後に思わぬラブレターをもらったジミーさんにとっても、また宝物が増えました。ビリーさんが言うように、いつか最愛の妻に天国で会えることを楽しみにして、ジミーさんには残りの人生を楽しく幸せに過ごしてほしいと願う筆者です。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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