記事提供:日刊サイゾー

ある新聞記者のタイムカード。一体、いつ寝ているのか?

新入社員の過労自殺認定から始まった、電通の過重労働問題。その批判の急先鋒となっている新聞・テレビといった旧来のマスコミの取材現場から、ため息が漏れている。

電通は社員に月100時間を超える残業を強いていたが、全国紙の中堅記者は「俺らはそんなもんじゃない」と苦笑いを浮かべる。最も地獄に近い職場からの叫びを聴いた。

そもそも各マスコミとも、表向き電通批判はしつつも、社員の実態告白モノといった、深掘りの企画記事は出していない。その理由を、40代の全国紙中堅記者はこう明かす。

「長時間勤務の問題を『やりすぎるな』というのが、社内では暗黙の了解」

この中堅記者によると、オールドメディア広告は、かなり以前からジリ貧状態だ。そんな中で広告を運んでくる電通社員に対し、特に新聞の営業担当者は過大な接待攻勢をかけて、小さなパイを食い合っている状況だという。

「営業部にいる同期の話だと、帰りのタクシー代までタカられるらしい」(同)といい、数年前までは電通社員を出向として平然と受け入れる新聞社もあったという。ズブズブの関係が背後にあるワケだ。

また、中堅記者は「そもそもウチの会社は、もっとひどいことをやっている。部数が少なく、体力のない新聞社は電通以上の残業時間が当たり前で、深い追及ができない」とボヤく。

1日の労働時間は、長い日だと朝6時の朝駆けから深夜1時の夜回り終了まで、19時間ほど。9日に1回は宿直勤務で、徹夜明けも普通に日勤が続くため、実質は40時間近い連続勤務になるという。

コストカットから、どれだけ働いても残業代は定額という裁量労働制を取り入れている社が急増中で、労組が残業時間の上限を決める36協定を結ぶ会社でも、協定超えの残業は電通と同等、ないしは、それ以上のケースがほとんどだ。

地方はもっとひどい。部数の多い全国紙の地方支局でも完全に人手が足りず、自転車操業状態。1人支局長の態勢も少なくなく、「年に10回ほどの新聞休刊日ぐらいしか、ちゃんとした休日がない」(全国紙の50代支局長)。

こうなると、おのずと心臓発作や脳血管障害で急死する人が出てくるというが「仕事のほとんどが記者クラブ詰めといった外回りのため、タイムカードなど勤務時間を示す証拠がない」(地方紙中堅記者)。

過労死をめぐって会社とモメて訴訟となったケースでも、たいがいは遺族側が敗訴に終わるという。

複数の記者らによると、こうした長時間勤務が長年続いて精神に異常を来す者もいれば、過度のストレスから、社内ではパワハラやいじめ不倫は当たり前になっている。逃げ出そうにも、記者という職種はつぶしが利かない。

転職先は同業種しかなく、「五十歩百歩だ」と、どの記者も嘆く。

現場から声にならない悲鳴が上がる一方で、50代以上の新聞社幹部は9時~17時までの8時間勤務で1,000万円を超える年収があるものの、その実態は、複数の記者によると「何もしていない」。

記者上がりの管理職は「俺の若い頃はなぁ…」と、過去のショボイ武勇伝を繰り返すばかり。

こんなブラック企業だらけのマスコミに労基署のメスが入るのも、時間の問題だろう。

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