日本時間9日に投開票の米大統領選で、共和党のドナルド・トランプ候補が歴史的大激戦の末、当選を確実にしたとAP通信が報じました。大統領選初期には泡沫候補とまで言われていたトランプ氏ですが、度重なる暴言や失言の度にバッシングされながらも支持率が上がり続け、まさかの大逆転劇となりました。

選挙選では、度重なる暴言で注目を集めたトランプ氏。最初にその暴言に注目が集まったのは、2015年6月の出馬表明の時。
「メキシコは問題のある人間を(米国に)送り込んでいる。彼らは麻薬や犯罪をこの国に持ち込むレイプ犯だ」と発言、これが大きな問題となりました。

この出馬表明の際には「メキシコとの国境に不法移民の入国を防ぐため「万里の長城」を築き、メキシコにその費用を払わせる」とも発言。これが原因となり、ミス・ユニバース大会にメキシコが不参加を決めるなどの事態になりました(ミス・ユニバーズはトランプ氏が運営に関わっているため)

また、2015年12月の「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」との発言では、与野党一体となっての非難の大合唱に包まれました。

ロシア軍がシリア中部で空爆を開始した日に米CNNテレビに出演した際には、もしも自分が大統領選に勝利した場合、すべての移民を本国に送還すると発言。

「彼ら(難民)が何者なのかわれわれには全くわからない。ISISかもしれない20万人を受け入れることはできない。」

日本や日本人に対しての発言も

数々の暴言で注目を集めてきたトランプ氏ですが、日本嫌いと言われている一面もあります。これまでも、対日本に対する発言が度々話題となっていました。

実はトランプ氏は、大統領選の前から日本に対しての発言を繰り返していました。2014年4月25日のTwitterでは「我々は日本から関税ゼロで何百万台という車を輸入している。これでは日本とまともな貿易など出来っこない」と発言。

2016年5月には、牛肉の日本への輸出について「日本が牛肉に38%の関税をかけるなら、我々は日本の自動車に対して38%の関税をかける」と発言。トランプ氏は、TPPは不利であると反対しています。

アイオワ州で行った演説では「中国人や日本人は、商談の際に挨拶や天気、ヤンキーズの話などはしないのさ。部屋に入った途端にいきなり 『We want deal!』と言ってくるんだ」と発言。(正確なセンテンスは「We want a deal!」)冠詞の「a」が抜けた『We want deal!』というブロークン・イングリッシュをアクセントを真似して使った事で、アジアの各国で「馬鹿にしている」と批判されました。

2015年8月21日のアラバマ州モービルでの演説では
「我々は、中国と日本に雇用を奪われている。雇用を取り戻そう。中国には我々のカネも奪われている。株価下落は中国のせいだ。市場は崩壊しつつあり、これは中国やアジアに主導権を握らせたからだ」

と発言。更に「安倍(首相)は頭が切れる。キャロライン・ケネディ(駐日米大使)は安倍にご馳走になって、日本が望むことをなんでもするようになった」と揶揄しました。そんな安倍首相に対しては、こんな事も語っています。

「私が大統領になったら(日本との)貿易不均衡はほんの15秒で解決できる。そうなったら安倍は慌てるだろう。安倍は円の価値を徹底的に下げ、米経済を破壊してきた。安倍は米経済を殺した張本人だ」

日米安保条約にも度々言及

2015年8月25日のアイオワ州での演説では「日本が攻撃された時には、米国は助けに行かねばならない。しかし我々が攻撃を受けたとしても、日本は助ける必要はない。日米安保条約は不公平だ。再交渉しなければならない」と述べました。

また、2015年3月26日のニューヨーク・タイムズ(電子版)のインタビューでは「米国には巨額の資金を日本の防衛に費やす余裕はもうない」とし、2016年5月4日の米CNNテレビのインタビューでは「当然日本は、米軍の駐留経費を100%負担すべきだ」と主張。もし大幅な負担増がない場合には、米軍の撤退を示唆しました。

また、3月26日のニューヨーク・タイムズ(電子版)では、日本は北朝鮮や中国からの防衛の為にアメリカの核の傘に依存せず、自国で核兵器を保持するという選択もあると発言。日本の核保有は「否定する事ではなく、アメリカにとっても悪いことではない」と主張しました。

トランプ政権でアメリカはどう変わってゆくのか

今回の大統領選は「史上最低と史上最悪の候補の争い」とまで言われていましたが、数々の暴言が問題になったものの、その傲慢で強引な発言の奥にある政策に対し「この国を変えてくれるかもしれない」と多くの国民が期待を持っていた事は確かです。

以前出演していた米国の人気番組『アプレンティス』で、傲慢で個性の強いキャラクターで人気を博したトランプ氏。番組内でトランプ氏が脱落者に言い放つ「You are fired(お前はクビだ!)」は当時の流行語になったほどです。選挙選での暴言も、ある種のパフォーマンスと言われており、22日に行われたCNNのインタビューでは「大統領になったら発言を慎むのか?」との問いに「そう考えている。話し方を変えるつもりだ」と語っています。

とはいえ、話し方が変わっても進む道はこれまでの信念通り。これから米国がどの様な変化を遂げるのか、そしてそれが世界に、日本に、どの様な影響が出てくるのか。日本は経済的な打撃を受ける事が懸念されるだけでなく、安全保障面でも大きな変化を求められる事が考えられます。

勝利宣言で「今、アメリカは分断の傷を超えなくてはなりません。我々はひとつの結束した国となるべきだ。すべての国民のための大統領になる事を誓います」と語ったトランプ氏。トランプ大統領の誕生が、米国だけでなく、世界が大きく変わる1歩となる事は間違いないでしょう。

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