海の生き物の不思議

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海から水揚げされた魚たちの中に変わった生き物が混ざっていたという話を時々耳にすることがあると思います。そんな中、ナショナル ジオグラフィックからある「サメ」の発見例が増えているという報告がありました。

・「双頭サメ」の発見報告

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発見報告が増えているサメとは、頭を2つもった「双頭サメ」だということです。

・映画にもなったあのサメ?

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頭が二つあるサメと言えば、2012年に映画の題材になったりもしていまいた。作り話だと思っていましたが、どうやら以前からちらほらと双頭サメの発見報告は現実にあったようです。

『ダブルヘッド・ジョーズ』(原題: 2-HEADED SHARK ATTACK)は、2012年のアメリカ合衆国の映画。

出典 https://ja.wikipedia.org

この映画はボートが故障し無人島に避難した人たちが次々と頭が二つある巨大なサメに襲われていくという物語です。簡単に言うと、大ヒット映画「ジョーズ」の頭が二つになったバージョンです。頭が二つになったことで攻撃力も2倍に!なんと無人島まで沈めてしまいそうな勢いの強さを誇ります。

映画のイメージからするととても恐ろしい生き物のように思いますが、実際に発見されている双頭サメはどのようなルックスなのでしょうか。確認してみましょう。

・それがこちら

出典 http://news.nationalgeographic.com

こちらは、2008年にオーストラリア沖で捕獲されたヨシキリザメの子宮内で見つかった赤ちゃんザメです。思わず「なんじゃこりゃ」と言ってしまいそうになりますね。しかし、想像とは少し違い可愛らしい印象です。

・ヨシキリザメとは

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赤ちゃんザメとなると怖くない雰囲気がしますが、ヨシキリザメは大人になると2-3mもある大きなサメに成長します。

・人間を襲うことも

世界中の暖かい海に幅広く生息し、長距離を回遊する。全長2-3 m。主にイカや魚を捕食する。成長は早く、4-6年で成熟する。胎盤形成型の胎生で、一度に最大100尾以上の子どもを産む。

天敵にはカリフォルニアアシカ Zalophus californianusやアオザメ、ホホジロザメがいる。大型個体の天敵はほとんどいない。

ヨシキリザメは人を襲うこともあり、実際1580年~2015年の間に人身事故が13件(内4件は死亡事故)確認されており、人に対して危険であると言える。攻撃前の行動パターンとして、遊泳者の周囲をゆっくり旋回することが知られている。

出典 https://ja.wikipedia.org

日本近海にももちろん生息しており、国内でも水揚量が多いサメになります。赤ちゃんの姿からは想像しにくいですが、人を襲う可能性もある危険なサメでした。

・上からみたら

出典 http://news.nationalgeographic.com

こちらは別カットです。
この他にも、同じく同年のインド洋でも双頭のヨシキリザメの胎児が発見されており、2011年にはカリフォルニア湾内とメキシコの北西沖でメスのヨシキリザメの子宮内から双頭の胎児が発見されています。

・なぜ双頭のサメが生まれるのか

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では、なぜ頭を二つ持ったサメが生まれるのでしょうか。①放射能などの環境汚染、②ウイルスなどの感染症によるもの、③先天性の代謝障害などが頭に浮かびます。

特に日本では2011年3月11日の福島原発の事故の記憶が新しいため、放射能による汚染ではないかというところが気になります。

・一度に生む量が多いから奇形が生まれやすい

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実は、これまでにサメの支給から双頭の胎児が発見されている事例のほとんどがヨシキリザメだということです。

2011年に双頭のサメについての論文を発表したメキシコ国立工科大学の研究チームに所属しているフェリペ・ガルバン・マガーニャ氏によると、ヨシキリザメの子宮には一度に50匹近くも胎児が入っていることがあり、数が多い分、奇形が見つかりやすいということでした。

元々奇形が生まれやすいという話であり、放射能などの環境汚染と直接因果関係があるかはわかっていません。

・他の種類のサメも発見

出典 http://www.dailymail.co.uk

しかし、ヨシキリザメだけから双頭のサメが生まれているというわけではありませんでした。

こちらは2013年にアメリカのフロリダ沖で漁師により捕獲されたオオメジロザメの胎生です。サメの子宮内から双頭の胎児が見つかり話題になりました。

・オオメジロザメとは

出典 https://ja.wikipedia.org

ちなみに大人になったオオメジロザメは人間にとってとても危険なサメとされています。見た目からして強そうですね。

紅海、モルディブ、地中海をのぞいたあらゆる熱帯、温帯の海域に生息している。淡水域にも進入することができ、ミシシッピ川、ザンベジ川、アマゾン川を3,500 kmもさかのぼったところ、ニカラグア湖やグアテマラなどの淡水の湖にもいる。

1996年7月23日に沖縄県宮古島で52歳の男性がこのサメと思しきサメに襲われ死亡した例を含め人を襲った記録も極めて多く、気性も荒いことから、ホホジロザメやイタチザメ、ヨシキリザメ、ヨゴレなどと並ぶ最も危険なサメである。

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・ヤモリザメの仲間の卵からも

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また、スペインでは、人の健康のための研究で、研究室で育てていたアトランティック・ソーテール・キャットシャーク(Galeus atlanticus)の透明な卵の中に異常な胎児がいることが報告されています。このサメは、身体が小さなヤモリザメの仲間です。

・感染症、化学物質、放射線にさらされていない

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このスペインでの発見は双頭のサメの謎を解く一つのカギとなりそうです。
研究室で発見されたということは、そのサメの母体が置かれていた環境が詳しくわかるからです。

研究者たちの知る限りでは、サメの卵はいかなる感染症、化学物質、放射線におかされてはいなかったということです。少なくとも、感染症、化学物質、放射線の影響なく、そういった奇形が生まれる可能性があるということがわかりました。

・カリブ海でも発見

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ベネズエラのカリブ海、マルガリータ島沖でも新たに、ホシザメの仲間の双頭の胎児が漁師によって発見されています。また、同じ時期にヨシキリザメの奇形胎児も発見されたようです。

・ホシザメとは

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海岸や船釣りで釣られる事がよくある。肉は美味とされ、食用となり、蒲鉾やはんぺんなどの練り物の原料となる他、刺身でも食べられるがサメ独特のアンモニア臭がある。鰭ももちろんフカヒレとして食べられる。

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食用に利用されている日本でもなじみの深いサメです。

・生きて産まれることはできなかった

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海洋科学者のニコラス・エーエマン氏によるとカリブ海で双頭のサメが発見されるのはこれが初めてだという事でした。エーエマン氏によると奇形児は生きて産まれることはできなかったと考えられるようです。

もし生まれてこれた場合でも、泳ぎや消化器官などに問題があり他の天敵に捕食されてしまう可能性が高いと考える研究者が多いようです。

大きくなったら人を襲う可能性のあるヨシキリザメやオオメジロザメも、双頭をもったまま大きくはならない可能性が高いということで少しホッとしましたね。

・双頭のサメが増えているわけではない?

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2011年にヨシキリザメの論文を執筆したマガーニャ氏によると、双頭のサメが増えているわけではなく、このタイプの奇形に関する論文を掲載する科学雑誌が増えただけだろうと考えているということです。

サメの奇形は双頭のサメ以外にも複数確認されているようで、例えば2011年には、頭の正面に大きな目が1個だけある「ひとつ目ザメ」が確認されています。

ひとつ目は単眼症と呼ばれる先天性疾患の特徴で、サメに限らずヒトを含む数種類の動物でも確認されている特徴です。

・サメだけではない双頭の動物

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また、双頭の動物の発見報告はサメだけに限ったことではありません。

・ヘビ

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ヤマタノオロチなんて神話が日本にもありますが、ヘビは双頭で生まれる可能性が比較的高い生き物ということがわかっており、昔から度々発見されてきました。生まれる確率は100万分の1とも言われています。

・江戸時代は見世物

尚、現実でも頭が二つあるヘビ(双頭のヘビ)は時々見つかり、江戸時代頃では見世物になっていた(所謂UMAの様な扱いであったと思われる)。大抵はそれぞれの頭が別々の意思を持って動こうとするため、長くは生きられない。

出典 https://ja.wikipedia.org

・最近でも耳にする

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最近でも時々ぺとショップで双頭のヘビが生まれたことや、野生で発見されたことがニュースになっています。

ペットショップで高く取引されることも多く重宝されています。上はアメリカで生まれたメスのミルクヘビです。彼女は双頭なうえにさらにアルビノということもあり、600万円の高値で取引されました。

・頭にはそれぞれ脳がある

この奇形は、一卵性双生児の不完全な分割が原因だと考えられている。メドゥーサの2つの頭にはそれぞれ脳があり、1つの身体に別々に指示を出す。研究者によると双頭のヘビは理論上、20年以上生きられるがその身体のために野生で生き延びるのは難しいらしい。

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固体によってどの臓器が2つあるのかは個人差はありますが、このヘビの場合は頭は別々の意思を持っており、別々の行動を起こそうとします。そのため、俊敏に動くことができなかったりするので、野生では天敵に襲われる可能性が高く長生きするのは難しいようです。

しかし、大きく健康に支障はないのでペットとしてならば20年ほど生きられると言われています。

・なんで蛇は双頭が多いの?

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昔から双頭のヘビが発見されてきたという事実から考えると、人間による環境汚染が影響という可能性は低そうです。双子で生まれるはずだったヘビが、卵の中で体だけ1つにくっついてしまった突然変異だと考える方が多いようです。

・カメ

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蛇の他にも双頭のカメが元気よく生活している姿が発見されニュースになったこともありました。上はスロバキアで確認された双頭のカメです。

ここまでを確認すると、自然界は不思議に満ち溢れており、意図せず突然変異が起こることがあり得るということがわかります。

・ヤギも

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一方でアルゼンチンの北部が近年、家畜の奇形が多く報告されています。8本足の豚、像鼻の仔犬…その中に双頭のヤギの姿もありました。

写真はショッキングなモノなので今回はお見せするのを控えさせていただきますが、その原因はやはり、農家が使っている殺虫剤などの薬品の可能性が高いのではないかという疑いが広まっていました。

・人間が使用する薬品が原因か?

強力な遺伝子組み換え作物専用の除草剤がこの地域で使われているということだ。EUでは使用が禁止されているこの除草剤を、何を隠そうこのアルゼンチンが世界でもっとも大量に使っているのだ。

地元の小児科医によれば、2008年からこの地域の大豆生産は7倍に膨れ上がっており、それに伴って家畜やペットの奇形が4倍にも増えているということだ。

出典 http://tocana.jp

このように、自然に発生する双頭動物もいることは確かですが、人間活動が、動物たちに影響をおよぼしている可能性も否定はできないということがわかります。

・研究を進めたいが事例が少ない

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奇形のサメについては、さらに研究を進めてほしいと考えている方も多いかと思います。しかし、網を海に放てば必ずかかってくれるものではありません。やはり奇形のサメはいぜん珍しいもので、中々研究を進めるのも難しいようです。

・いかがでしたか。

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特徴的な見た目を持つ謎多き双頭のサメについてますます知りたくなってしまいましたね。今後研究を進め、原因を解明してほしいと思った方も多いのではないでしょうか。

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