初めての妊娠がわかり家族で喜びいっぱい、夢いっぱいの日々でした。

どんな子だろう?男の子かな?女の子かな?と、まだ見ぬ子供に会える日を待ちわびていたある日のことです。

妊娠14週目の検診で、子宮の真ん中で「動かなくなっている黒い塊」が見えました。

先生が不安そうな顔をしてエコーを何度も確認しているのを見て、私も枕元に座る主人を不安な顔で見上げました。

先生が「ちょっと、赤ちゃんが動いていないかも」という事を言われ、他の先生にも確認してもらい赤ちゃんがおなかの中で死亡していることがわかりました。

涙を流す余裕もなく、「12週を過ぎた胎児の死亡は死産という形で、陣痛誘発剤などを使用し分娩することになります」という説明を受けました。

まだまだ出産の心の準備もできていない中、待ちに待った赤ちゃんが天使になってしまったことも受け入れられない私は、「少しでも長く一緒にいれませんか?」とお腹をさすって先生に聞いてみました。

ずっと今日までママの喜びでいっぱいだったのに、今ママは終了と言われたようで胸がえぐられたような気持ちになり泣き崩れました。

先生からは、「体内に長く置くことは、ママの体にとってもいい事ではないので、早めに入院して頂いた方がいいです」と言われ、事の重大さに気づきました。

待ちわびていた赤ちゃんは、体内ではもう「異物」となり私のお腹の中にいることさえ許してはもらえませんでした。

家に帰ってからも、お腹の中の子と離れるなんてできない!何でこんな事になってしまったのか、自分を沢山責めました。

入院当日、先生は最後の最後までエコーを見せてくれ、「残念だったけど、ちゃんと人の形をしているからちゃんと綺麗に産んであげよう」と先生に説得されました。

それから、ゆっくり時間をかけて子宮口にマッチ棒のようなもの入れ、1日かけて何本か入れ水分で子宮口が開いていくのを待ちます。

陣痛誘発剤を点滴し陣痛が来るよう、出産に向けて準備されました。

どんどんと痛みが強くなり、通されたのは他の妊婦さんから離れた個室でした。

今となっては、あの時分娩室でなくてよかったなと思っています。

お腹の痛みが激しくなってきた頃、スルっと子宮口を何かが通るのがわかり、出産=死産しました。

その時、看護婦さんが泣き崩れた私を抱きしめて「よく頑張ったよ」と背中をさすってくれました。

後処理が終わった頃病室に戻り、しばらくすると小さな箱に入った「我が子」と対面しました。

手のひらほどの「男の子」でした。

手も足もちゃんと人の形をしていて、手に乗せたら滑り落ちそうな、もろさを感じました。

お腹も心も空っぽになってしまった自分は、ただただ悲しみでいっぱいでした。

遠くから、夜中にお腹を空かせて泣く新生児の声が聞こえてまったく寝られませんでした。

翌日、診察も終わり「死亡通知」と小さな箱に入った「我が子」を受け取り帰宅し、休む間もなく役所に「死亡通知」を提出し「埋葬許可書」を受け取りました。

病院で紹介してもらった火葬場へ指定日に向かい火葬することに。

前の晩、主人と一緒に「我が子」に手紙を書きました。

「ちゃんと産んであげられなくてごめんなさい」ということ。

「また、出会えることを待っている」こと。

水鳥の折り紙を一緒に入れて。

火葬後あまりに小さすぎて、なかなか箸でつかむ事ができませんでしたので、係りの方が丁寧に骨壺にいれてくださいました。

14週という短い時間でしたが、しっかりと体の中では大きくなっていて、「命の大切さ」と「出産は奇跡」だと身をもって知りました。

原因は不明で、「赤ちゃんが持つ生命力」や「赤ちゃん自身が生きられないと判断」して突然、胎児が死亡してしまうようです。

決してママが悪いという事ではないと先生も言ってくれました。

私のように早い週数で起こる場合だけでなく、妊娠後期、出産間近でもありうる話だという事も先生から聞きました。

その後、先生には「必ずお母さんにしてあげるから一緒に頑張りましょう」と言われ、5か月後に妊娠。女の子を出産しました。

3年後には次女を出産。

そして、今3人目を妊娠しています。

今回は「男の子」を妊娠中。あの時の子が帰ってきてくれたのだと思っています。

悲しみすら愛おしいと思った死産という体験。

乗り越えることはせず、悲しみも大切にしてきました。

先生や看護婦さんの言葉があって3人目を妊娠することができたと思っています。

どうか無事に出産できますようにと祈っています。

著者:ぼたん

年齢:36歳

子どもの年齢:4歳と1歳の女の子と第三子(妊娠7か月)

長女の出産を機に趣味が育児離乳食幼児食アドバイザー。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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