平成27年度の文部科学省による学校基本調査で、中学生不登校児は36人に1人の割合でいることがわかった。決して他人事ではない、社会問題にもなっている不登校の子どもたち。

子どもが学校に行かなくなり「どうしてうちの子が…」と、不登校という現実を前に親はどうすればいいのか?

娘が不登校になりました。「うちの子は関係ない」と思ってた』(小林 薫/ぶんか社)は、ある日突然、家に閉じこもり学校に行かなくなってしまった娘と漫画家の母が、不登校という現実に奔走した日々が赤裸々に描かれている。

それは娘が中2の春に突然やってきた

本作はこれといった予兆もなく、突然やってきた“娘ちゃん”の不登校から始まる。ある朝、「おなかが痛い」という娘ちゃんに、母である作者は学校に休むと連絡を入れた。風邪でもひいたのかと心配したが、休むと決まったとたん元気になった娘ちゃん。

たまには学校に行きたくない日もあるかと理解のあるフリをしていたら、娘ちゃんは翌日も「おなかが痛い」と言い出した。

なにかの病気ではいけないと病院に連れていくが、とくに問題はない。そして、娘ちゃんはその翌日も「おなかが痛い」と布団の中から出てこなくなった。

なんの問題もなく学校生活が送れていると思っていたのに――ある朝突然に娘ちゃんは学校に行けなくなってしまった。

娘ちゃんが学校に行けなくなった原因は何か?学校なのか、家庭環境なのか、友達によるいじめなのか、それとも娘自身なのか、そこから母によるいろんな人への相談が始まった。

まずは、担任の先生。娘ちゃんの学校生活に問題はなかったか尋ねると、先生は「とくに思い当たる点はありません。学校では楽しそうにしてました」とある意味予想通りの回答。つぎに、娘ちゃんのお友達。

とくにトラブルはなく、娘ちゃんが学校を休んでいるあいだも普通にメールのやりとりをしている。学校でいじめにあっているわけでもなかった。

学校からの呼び出し、娘不在での相談はカウンセラーと「困ったね」と言い合うばかりで、なんの解決にもならない。そして、娘ちゃんともう一度話し合うと、娘ちゃんは言った。

「私だって外にも出たいし、友達とも会いたい。でも、あそこにはどうしてもいけないんだ」

その言葉に作者は覚悟を決め、開き直っていろいろな手続きを始めた。通っていた学校の給食費をストップしてもらい、不登校の子が通うフリースクールなど、今の学校以外に通えるところを探し始めた。

学校に行かない日が続けば続くほど、通いづらくなってしまうし、不登校を機にずっとひきこもってしまうようになるのではないかという怖さがあった。

娘ちゃんが一日も早く通えるところを――と、フリースクール通い、私立中学への編入、ダブルスクールなど、母は奔走することになる。

本作にはSPコラムとして不登校支援センターのカウンセラーが教える「意外な不登校の原因」「不登校になりやすい子」などが掲載されていて、不登校という現実がいつどこでも起こることに気がつかされる。

不登校になる理由は子どもによってさまざまで、具体的な対処法もさまざまだが、絶対にやってはいけないNG行動が3つある。

ひとつは、原因を聞きすぎること。ふたつは、子どもを特別扱いしてハードルを下げすぎること。そして、無理やり学校に連れていくことだ。

基本的に、保護者は「何もいわずに見守る」。1週間以上不登校が続くなら、担任やカウンセラーなど第三者を介入させる。子どもにとって家庭は「安心できる場所、よりどころ」であることが大切だ。

さぼりたいわけではない、いじめがあるわけでもない、うまく説明できないけど学校いけない子どもたちがいる。精神論でなんとかなる問題ではないということを、まずは理解してほしい。

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